映画『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』アフガニスタンを救うために戦った男の物語


1979年12月のソ連軍によるアフガニスタンに侵攻以来続くアフガニスタンでの虐殺。その現状を知ったアメリカの下院議員のチャーリー・ウィルソンは、ソ連軍を撤退させるために軍事予算を増やすよう奮闘します。1980年代にアメリカで行われていた極秘作戦を描いたのが『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』です。

『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』作品情報


チャーリー・ウィルソンズ・ウォー (字幕版)

タイトルチャーリー・ウィルソンズ・ウォー (Charlie Wilson’s War)
監督マイク・ニコルズ
公開2008年5月17日
製作国アメリカ
時間1時間42分

あらすじ

テキサス選出の下院議員チャーリー・ウィルソンは、美女とお酒をこよなく愛するお気楽議員。

それでも、根は優しく持ち前の大らかな人柄で、周囲の人々からは愛される存在だった。

そんなチャーリーはある日、テキサスを代表する富豪の女性ジョアンから、ソ連の侵攻に苦しむアフガニスタンの人々を救ってほしいと頼まれる。

政治にまるで興味のない政治家、チャーリーだったが、アフガンの実情に心を痛め、一肌脱ぐ決意を固める。

さっそく、大国ソ連を相手に二の足を踏む政府を横目に、CIAのはみ出し者、ガストの協力を得ながら前代未聞の極秘作戦を開始するチャーリーだったが…。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/329642)

ソ連のアフガニスタン侵攻

1979年12月ソ連軍はアフガニスタンへの侵攻を始めます。

アフガニスタンは1978年4月に起こった共産主義者によるクーデーターが起こり、政府軍と反政府軍による激しい内戦が続いていました。

当時世界はアメリカとソ連を筆頭に冷戦状態です。

ソ連は共産主義国となったアフガニスタンを支持し、反政府軍のムジャヒディンと戦うためにアフガニスタンへ侵攻しました。

それはアフガニスタンにとって悪夢の始まりでもありました。

『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』の中でも描かれているように、ソ連軍はアフガニスタンに13万人近い兵を送りあっという間にアフガニスタンの主要都市を占拠してしまいました。

そして次々とアフガニスタンの人たちを殺し始めたのです。

ソ連軍の侵攻によってアフガニスタンの人たちはパキスタンに逃げるしかありませんでした。

チャーリー・ウィルソンはパキスタンの難民キャンプを訪れ、そこでアフガニスタンの現状を知ることになったのです。

アメリカの極秘作戦

ソ連のアフガニスタンの侵攻によって、アメリカは1980年開催のモスクワオリンピックへのボイコットを表明します。

さらに極秘でアフガニスタンの反政府軍に武器を調達していましたが、予算が乏しくソ連軍とまともに戦える武器ではありませんでした。

ソ連軍はヘリでアフガニスタンの村を一掃している状態でした。

そこで国防歳出委員会のメンバーだったチャーリー・ウィルソン予算を上げるように動き始めます。

さらにCIAと連結してアフガニスタンへ武器を輸送する方法を考えたのです。

アメリカがアフガニスタンに武器を渡していることがバレれば、「冷戦」は本当の戦いに突入してしまいます。

そこでチャーリーは、エジプトとイスラエルに協力を以来しパキスタン経由でソ連製の武器をアフガニスタンに送ることを企てたのです。

ただしエジプト、イスラエル、パキスタン、アフガニスタンには宗教問題という大きな壁があります。

それでもチャーリーは持ち前の外交手段によってなんとか宗教問題を突破し、アフガニスタンに武器の輸送を始めました。

さらにCIAはアフガニスタンの反政府軍の兵士を集め徹底的な訓練によりゲリラ戦の戦い方を教えます。

これによってそれまで劣勢だったアフガニスタンは、1987年から反撃に出始めます。

そしてついに1989年2月ソ連軍はアフガニスタンから完全撤退したのです。

これだけ見ればハッピーエンドのアメリカの極秘作戦でしたが、映画のエンドクレジットには「最後でしくじってしまった」というチャーリー・ウィルソンの言葉が出てきます。

これはCIAの「過激派がアフガニスタンに流れ込んでいる」という言葉通り、その後タリバンによって支配されてしまったアフガニスタンのことを意味していました。

アメリカがアフガニスタンに送った武器、アメリカが訓練したアフガニスタンの兵士たち。

これらがその後ムジャヒディンの勢力争いやタリバンの台頭に繋がっていたのです。

ソ連の撤退後アメリカはアフガニスタンから去りますが、武器は残したままでした。

チャーリーの必死の訴えも届かず、その後アフガニスタンは放置されたままだったのです。

そしてそれが今もなお続いているアフガニスタンの現状なのです。

まとめ

ソ連によるアフガニスタンの侵攻時、アメリカでアフガニスタンを救おうとしていた人たちを描いた物語『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』。

ソ連撤退となるきっかけを作った彼らはもちろん英雄ですが、それと同時に彼らの行動がその後のアフガニスタンに繋がっているのです。

現在アフガニスタンで起こっている出来事に直接的につながる物語が『チャーリー・ウィルソンズ・ウォー』でもあるのです。