人間の身代わりになるロボットサロゲート。それは人間の脳波と繋がることで人間は命令通りにロボットを動かすことができるのです。自分の代わりに仕事に行き、自分の代わりに遊んでくれるサロゲート。人間は椅子に座りただ横になってロボットと繋がっていればいいのです。その結果私たち人間は全く外に出なくなってしまいました。
『サロゲート』作品情報
タイトル | サロゲート(Surrogates) |
監督 | ジョナサン・モストウ |
公開 | 2010年1月22日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間29分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
身代わりロボット
足の不自由な博士が、自分の代わりになるために開発した身代わりロボットサロゲート。
それは本来は人間を助けるためのロボットでした。
自分の脳波をサロゲートに繋げるだけで、自分の代わりにサロゲートが色んなことをやってくれます。
それは体の不自由な人たちに取っては画期的な出来事でした。
しかしサロゲートの発明後、どんどんロボットが人間の生活の中に入ってきます。
まずは軍事産業。
そしてやがて日常生活に介入し始めました。
自分のなりたい姿をサロゲートに投影する人たち。
それは性別さえも超えてしまいます。
みんなが美しく理想の体型になった社会。
やがて人間は家の中に閉じこもり、全てをサロゲートに任せるようになってしまいました。
サロゲートが働き、ソロゲートが家事をする。
サロゲートが勉強し、サロゲートが遊ぶ。
そんな社会で人間がやることは、椅子に横になりサロゲートと繋がっていることです。
それ以外人間は何もやることがなくなってしまいました。
サロゲートを身代わりにすることで、現実社会から逃避した人類。
それはまやかしの社会で生きていることでした。
そんな社会に違和感を感じながらも、もはやサロゲートを手放すことができずに、人類は家の中にいるしかかなったのです。
科学者vs企業vs FBI
サロゲートが誕生したことで、世界から戦争が消え平和な世の中になりました。
犯罪も暴力もほとんどない社会。
しかしある日、2体のサロゲートが壊され、繋がっていたオーナーが死んでしまいます。
久々に起こった殺人事件。
FBIの刑事は捜査に動きますが、彼の知らないところで科学者と企業の戦いが起こっていました。
もともとサロゲートを開発したのはキャンター博士。
しかしVIS社は経営方針の違いで博士を追い出してしまいます。
人助けをしたい博士と利益を追求する企業で意見の相違があったのでしょう。
企業から追い出された博士がとった行動は、なんとサロゲート反対運動でした。
博士はみんなを扇動するために預言者を作り出します。
そして人間だけで暮らす社会を作りました。
博士はいずれこの地区を拡大させようと考えていたはずです。
一方、VIS社にとってみればそんな博士は邪魔者です。
彼を消そうとして、開発中止になっていたOD(過負荷銃)を使いますが間違って彼の息子を殺してしまいました。
息子を殺された博士は、ODを手に入れると復讐に出ます。
FBI刑事の知らない裏では、こんな戦いが起こっていたのです。
何も知らない刑事は必死で殺人犯を探していましたが、少しずつ事件の真相に気がつきます。
そしてそれと同時に博士の野望にも気がついたのです。
博士はサロゲートを破壊することだけでなく、サロゲートに繋がっている人類も殺そうとしていました。
人を助けるために作ったロボットが、人をダメにしている。
サロゲートがあることで人間は怠惰になってしまったのです。
それを食い止めるために博士はODで全てを終わらせようとしました。
しかし刑事はサロゲートだけを破壊し、サロゲートに繋がっている人類は救いました。
サロゲートが破壊したことで、久しぶりに家から出た人類。
きっと最初は戸惑うことも多いでしょう。
でもそこは昔人類が暮らしていた社会です。
ここからまた人類は人間らしく生きていくはずです。
まとめ
人助けのはずのロボットがいつしか人間にとって変わってしまった社会を描いた『サロゲート』。
自分の身代わりをしてくれるロボットといえばなんだか嬉しくなってしまいますが、それは逆に自分らしさを失うことでもありました。
現実から逃げて理想を追い求める人類。
いつしか理想郷の中でロボットとしてしか生きられなくなっていたのです。