海の生態系を破壊していたのはサステイナブル漁業だったという衝撃的は事実を暴いたドキュメンタリー『Seaspiracy 偽りのサステイナブル漁業』。私たちがどれだけプラスティックゴミを出さないようにしても、それをはるかに上回る勢いで漁業産業が海の生態系を破壊していたのです。そしてそれは環境保護団体でさえ口にしない、資本主義の闇の部分だったのです。そしてそれは各国の政府も関係していたのです。
『Seaspiracy 偽りのサステイナブル漁業』作品情報
タイトル | Seaspiracy 偽りのサステイナブル漁業(Seaspiracy) |
監督 | アリ・タブリジ |
公開 | 2021年3月24日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間29分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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愛する海の生態系を守りたい。
そんな思いで、人間が海洋生物にもたらした弊害をカメラに収め始めた映画監督がたどり着いたのは、世界規模の隠ぺい工作。
(出典:Netflix)
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サステイナブル漁業
あまり聞きなれない言葉サステイナブル漁業。
サステイナブルとは「持続可能な」という意味で、環境問題を語るときによく使われる言葉です。
つまりサステイナブル漁業とは、持続可能な漁業ということになります。
そもそも線引きできない海で、どうやって違法漁業を取り締まったり持続可能な漁業を行うのか?
専門家たちは口を揃えて不可能だと言います。
これだけ魚が減っている海で、持続可能な漁業などないと語っています。
この作品の中では、今のまま漁業を続ければ2048年には海の中は空っぽになると言われているほどです。
そこで監督は海洋保護団体にサステイナブル漁業とはどういう漁業なのか質問します。
すると定義はないと答えが返ってきます。
「サステイナブル・シーフードを食べよう」と掲載しているのに、その定義はないのです。
私たちがどの魚がサステイナブル・シーフードなのか見極める方法はないのです。
さらに漁業部門の欧州委員にも同じ質問をします。
監督が「海にいる魚は少なくなってきている」と言いますが、「漁業を止めろというのは非現実的だ」という答えが返ってきました。
定義がないのに、言葉だけが広まっているサステイナブル漁業。
海の生態系を壊しているのは漁業なのに、彼らは絶対に「魚を食べるのをやめよう」とは言いません。
それは多くの環境保護団体が同じです。
なぜならそこには漁業と大きな繋がりがあったからだったのです。
漁業というビジネス
海の生態系を壊している1番の原因は漁業です。
彼らが闇雲に魚を取ることで、海の生態系は崩れてしまいます。
さらに古くなって海に捨てられる漁業の道具が、海を破壊していました。
海で漁をするときに、目的の魚だけを捕ることはできません。
必ずと言っていいほど別の魚や鳥などの生物が網に引っかかります。
これを混獲と言います。
この混獲によって多くの魚が死んでしまっているのです。
8匹のマグロを取るのに45頭ものイルカを混獲で殺しました。
しかしどこの政府も混獲によって死んだ魚については公表していません。
それどころかイルカを殺していないことを証明するドルフィン・セーフ認証を発行している団体が、100%の保証はないけど認証していると認めているのです。
これは全てにお金が絡んでいました。
ドルフィン・セーフを認証すると認証した会社から団体にお金が入ってきます。
このようなことが他の団体でも起きているのです。
さらにプラスティックゴミの問題を訴えている団体でも、漁業道具のプラスティックが海に廃られていることは公表していません。
なぜなら彼の団体は漁業会社とつながりがあったからです。
全てにおいて大きなビジネスが絡んでいるために、どの団体も漁業が海を壊していると声を上げないのです。
そこには日本で行われているイルカの追い込み漁も関係しています。
追い込み漁はマリンパーク産業の援助で成り立っていました。
さらにその裏にはマグロ産業の大きなマーケットが関係していたのです。
どこの国も漁業という巨大マーケットによって、海は支配されています。
しかしその海で今魚が取れなくなっているのです。
このままいけば魚がいなくなり、漁業はできなくなってしまうかもしれません。
そして魚がいなくなり海の生態系が壊れてしまうと、私たち人間にも大きな影響が出てくるのです。
ビジネスではなく私たちの命を守るためにも、私たちは今本当に海に向き合わないといけないのです。
まとめ
海の生態系を調べるうちに、漁業というマーケットにたどり着いた『Seaspiracy 偽りのサステイナブル漁業』。
そしてそれはあまりにも大きな相手であるために、自分の無力さを痛感させられてしまいます。
しかし私たち1人1人が立ち上がれば、生態系は元に戻ると専門家たちは言っています。
今自分にできること。
地球を救うには、人類を救うには、もう時間はないのです。