ゾンビだらけになってしまった世界で、生き残った人たちはフェンスの中で新しい生活を始めます。しかしそのフェンスの内側の社会には、もう1つの囲いが。権力を持ちお金のある人しか住むことができない高層ビルが存在するのです。ゾンビを一掃し邪魔者を追い出し新しい街を作った独裁者。そんな独裁者に立ち向かったのは、行き場を失った貧しい人間とゾンビだったのです。
『ランド・オブ・ザ・デッド』作品情報
タイトル | ランド・オブ・ザ・デッド (Land of the Dead) |
監督 | ジョージ・A・ロメロ |
公開 | 2005年8月27日 |
製作国 | カナダ/アメリカ/フランス |
時間 | 1時間33分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
ゾンビ社会の独裁者
ゾンビだらけになった世界。
そんな世界で人間達はフェンスに囲まれ傭兵達が守る世界で暮らしを始めます。
しかしそこは必ずしも安全に暮らせる場所ではありませんでした。
その社会で安全に暮らせるのは、独裁者カウフマンとお金持ちだけです。
カウフマンは自分の力を使って、ゾンビを追い出すことに成功します。
しかしそれと同時に高層ビルをたて、貧しい人たちも締め出してしまいました。
高層ビルに暮らせるのは権力者とお金持ちだけ。
それ以外の人は、高層ビルの外でホームレス状態でした。
貧しい生活を余儀なくされる住人達でしたが、それでもゾンビから隔離されたこの世界にいられることはありがたいことです。
彼らはカウフマンに従うしかありません。
そんな住人にカウフマンは低俗な遊びを与えます。
ゾンビが的の射撃やソンビ同士の戦いなど。
住人達はそんな環境で生きていくしかなかったのです。
一方カウフマンが暮らす高層ビル。
そこは広々とした住まいで、住人達はゾンビが蔓延する前の世界と変わらない暮らしを送っているのです。
カウフマンは高層ビルの外の人のことを全く気にしません。
利用するだけ利用し必要なくなった捨ててしまうのです。
しかも自分に逆らう人間は逮捕し処刑します。
彼にとっては高層ビルの外側の世界にいる者たちは、ゾンビであろうと人間であろうと変わりないのです。
自分の作った街で権力を行使し続けるのが独裁者カウフマンだったのです。
行き場を失った者達の逆襲
高層ビルの中に入れない貧しい人たち。
カウフマンのためにどんなに仕事をしても、彼らは上流社会に入れてもらうことができませんでした。
カウフマンによって追い出されたチョロは、カウフマンと戦うことを決めます。
高層ビルを壊しカウフマンの作った街を破壊しようと考えたのです。
カウフマンにとって自分に反抗する者はテロリストです。
チェロはテロリストとして終われることになってしまったのです。
一方貧しい住人の中には、住人達を集め声をあげようとしている人物もいました。
彼らもまたカウフマンにとって邪魔者です。
カウフマンはリーダーの男を逮捕しました。
そうやって邪魔者を排除するカウフマンですが、フェンスの外に追い出さされたゾンビ達も反撃を始めます。
この世界で少しずつゾンビは知恵をつけ始めていました。
仲間のゾンビとコミュニケーションをとり、道具の使い方を覚えていくゾンビ。
彼らは「能なしの死体だ」とたかを括っているカウフマンの元に、成長し続けるゾンビが迫っていたのです。
そして集団になったゾンビは、窓ガラスを破り高層ビルに侵入しました。
独裁者・権力者によって追い出され行き場を失った者達が反撃を始めたのです。
自分のことしか考えていなかったカウフマンは、最後には知識をつけたゾンビによって殺されてしまいます。
それは社会から追い出されてしまった者たちの勝利の瞬間だったのです。
まとめ
社会問題をメタファーとして描くゾンビ映画。
映画『ランド・オブ・ザ・デッド』では、現代社会が抱える格差の問題が描かれていました。
社会から排除されてしまい行き場を失った人たち。
彼らはゾンビと同じなのです。
そんな弱者が権力者に立ち向かう物語、それが『ランド・オブ・ザ・デッド』なのです。