地図の製作者が盗作を防ぐために地図上に記す架空の町「ペーパータウン」。その「ペーパータウン」に向かった憧れの女の子マーゴを追いかける青年を描いた映画『ペーパータウン』。マーゴに出会ったことは「奇跡」だと思っているQ。彼は「奇跡」を手に入れるために、マーゴの残した手がかりを元に彼女のもとに向かったのです。
『ペーパータウン』作品情報
タイトル | ペーパータウン(Paper Towns) |
監督 | ジェイク・シュライアー |
公開 | 2015年7月24日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間49分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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オーランドで暮らす平凡な男子高校生クエンティンは幼なじみのマーゴにずっと片思いしてきたが、成長と共に彼女とは疎遠になっていた。
ところがある晩、マーゴが突然クエンティンの部屋に入ってきて、二股をかけていた恋人やその友人への復讐を手伝って欲しいと頼む。
そしてその翌日、マーゴは行方をくらませてしまう。
ミステリー好きなマーゴが残した手がかりを追い、彼女の行方を探すクエンティンだったが……。
(出典:https://eiga.com/movie/82576/)
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ペーパータウン
ペーパータウン:「地図出版社が著作権侵害の防止に、地図上に載せる架空の町」
自分の住む町を「紙の町(ペーパータウン)」紙のように薄っぺらな町だと考え、さらにそこに住む自分の薄っぺらだと思っている高校生のマーゴ。
彼女はそんな自分が嫌で、本当の架空の町「ペーパータウン」に向かってしまいました。
マーゴが向かったのはNY州にある「ペーパータウン」アグロー。
ただしアグローは、架空の町なので実在はしません。
でもマーゴはこのアグロー付近に住むことで、心機一転本当の自分を見つけようともしていました。
一方で、残されてしまったマーゴのことが好きなQやマーゴの親友達は、マーゴを探してアグローを目指しました。
しかし何度も言うようにアグローはあくまで架空の町です。
地図にはアグローと記載されていますが、そんな町は存在しません。
Q達も「このあたりがアグローとされている場所」に向かい、そこでマーゴを待つことになったでのす。
ただし映画『ペーパータウン』はフィクションですが、地図上には本当にアグローという町はペーパータインとして記載されていまし。
1930年代にNY州の地図の作成を依頼された製作者2人が、地図の中に自分たちのイニシャルを残そうとしてアグロー(Agloe)という架空の町を作り書き込んでしたのです。
架空の町アグローは、映画『ペーパータウン』の原作小説『ペーパータウン』が発行されると人気となり観光客がやってくるようになりました。
さら映画化されたことで今では人気スポットになっています。
きっとこの場所に訪れる人はマーゴのように、自分探しをしながらやってくるのかもしれません。
映画の中ではマーゴは今もまだ本当の自分を探していました。
しかしQはアグローにやってきたことで、本当の「奇跡」を知ることができました。
Qがマーゴと出会ったことは奇跡ではなく、Qにとっての奇跡はいつも自分の周りにいた友人と出会えたことだったのです。
彼らと仲良く過ごせたことがQの奇跡でした。
「奇跡」は自分の日常に溢れていたのです。
Qはアグローにやってきたことでその事に気がつきました。
Qにとってアグローにやってきた旅は、無駄ではなく自分探しの旅だったのです。
そしてマーゴよりも一足先に自分を見つけたQは、自分のストーリーを歩み始めたのでした。
マーゴの残したヒント
自分探しの旅に出るために家出したマーゴ。
しかし彼女は周囲に心配かけないために、いくつか手がかりを残していました。
ミステリー好きのマーゴらしい発想ですが、その手がかりはけっこう難しいのでなかなかマーゴの行き先は見つけられなさそうです。
しかしその手がかりを必死に解いたのがQでした。
Qはまずマーゴの部屋のポスターに気がつきます。
それはフォーク歌手のウディ・ガスリーのポスターでした。
1930年代半ば、ガスリーは当時の政府に対して反政府の歌を歌い人気歌手となりました。
彼は歌手活動をしながら平等を訴える活動も行っていた人物です。
そんなガスリーのレコードにマーゴが残したヒント
そこからQはウォルト・ホイットマンの「草の葉」を見つける事になります。
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草の葉 (上) (岩波文庫)[/col3] [col3]
草の葉 (中) (岩波文庫)[/col3] [col3]
草の葉 (下) (岩波文庫)[/col3] [/colwrap]
ヒントを見つけるために必死で「草の葉」を読むQ。
マーゴは本の中の
[box class=”red_box” title=””]「私は長居しない」
「私は多角的」
「私は永遠に旅を続ける」[/box]
という文に線を引き、
「ドアから錠を外せ!ドアごと柱から外せ!」にマーカーを引いていました。
これをすっかりQは自分へのヒントだと勘違いしたのですが、「草の葉」を読んですでに旅に出ることを決めていたのです。
全てはQの勘違いでもありましたが、Qはヒントを探し解読しながら実は仲間と自分の人生を楽しんでいたのです。
初めてのことをたくさん経験していたのです。
それこそがQの「奇跡」だでした。
まとめ
自分探しのために架空の町に向かったマーゴ。
マーゴを探すために架空の町に向かったQ。
それぞれ目的は違いましたが、ペーパータウンにやってきたことで自分と向き合えるようになっていました。
Qは「奇跡」の本当の意味を知り、マーゴは今でも自分を探し続けています。
Qとマーゴが少し成長できたのは、架空の町ペーパータウンのおかげだったのです。