チャップリンの代表作の1つである『黄金狂時代』。後にチャップリンのナレーション付きで再公開されるほど、多くの人に笑いを届けた作品です。体1つで多くの人に笑いを与える天才チャップリン。しかもその笑いは誰も傷つけることのない、誰もが楽しめる笑いになっています。さらに天才チャップリンの動作を堪能できる作品になっています。
『黄金狂時代』作品情報
タイトル | 黄金狂時代(The Gold Rush) |
監督 | チャールズ・チャップリン |
公開 | 1925年12月17日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間35分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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アラスカの金鉱が発見され一攫千金を夢見る人々が押し寄せていた頃、ひとりぼっちの探鉱家チャーリーは、猛吹雪に襲われ、一件の山小屋に転がり込んだ。
だが、そこにいたのは、指名手配中の凶悪犯ブラック・ラーソンだった。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/14688)
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狂喜乱舞の時代の中で
チャップリンの代表作に1つである『黄金狂時代』。
この作品は1925年に公開されました。
1920年代のアメリカといって思い出すのは、禁酒法と経済成長で豊かになった国民達です。
『黄金狂時代』の公判で描かれるバーでの様子はそんな豊かな国民を描いています。
この時代のアメリカは狂喜乱舞の時代とも言われていて、第一次世界大戦後の経済成長でアメリカはかなり豊かな国に変貌していきます。
チャップリンが一目惚れしたジョージア。
ジョージアの髪型は当時の女性達の象徴であり、みんな同じような髪型をしています。
この時代は女性の参政権が認められ女性が活躍を始めた頃でもあります。
バーではそんな女性達や男性達が楽しそうに飲んでいます。
彼らは特別大金持ちではなかったかもしれませんが、社会全体の景気がよくなったことで中産階級の人も増え狂喜乱舞の時代を楽しんでいました。
しかし一方でチャップリンのように、その日の食事に困る人もいました。
雪山で金鉱を探す人たちもそうですし、バーに1人いたホームレスのような男性も同じです。
たとえ社会全体が好景気になっても、その波に乗れない人たちもいるのです。
そんな狂喜乱舞と呼ばれたアメリカの1920年代頃の、社会の縮図を描いているのは『黄金狂時代』でもあるような気がします。
コミカルな動きの中の笑い
サイレント映画として公開された『黄金狂時代』ですが、1942年にはチャップリンのナレーション付きのサウンド版が公開されるほど多くの人に人気のあった映画です。
この映画は喜劇王と呼ばれたチャップリンのコミカルな動きを、堪能できる作品です。
そしてその動きに多くの人が笑いました。
セリフでなく動作で笑いを提供するチャップリン。
しかもその笑いは誰も傷つけない笑いだし、誰にでも分かる笑いなのです。
簡単な理解しやすい笑いで多くの人を笑顔にしたチャップリン。
[box class=”pink_box” title=””]・靴を食べる
・靴紐のスパゲッティ
・ダンス中にズボンが下がる
・フォークをパンに刺したダンス
・傾いた小屋[/box]
など笑顔になってしまうシーンが、たくさん散りばめられていました。
さらにセリフがないので、チャップリンはその表情や仕草だけで感情を視聴者に伝えます。
1時間35分間の間ずっと観客は、チャップリンの動きに魅了されてしまいます。
モノクロでサイレント映画という時代を感じる映画ですが、映画の中で描かれているチャップリンの笑いはいつの時代に見ても笑えます。
時代を超えて笑いを届けてくれるのがチャップリンなのです。
まとめ
時代を超えて多くの人に笑いを与え続ける作品『黄金狂時代』。
チャップリンの天才的な動作に最初から最後まで魅了されます。
さらに笑いだけでなく彼の動作からは、彼の心の中の寂しさや哀愁もただよってくるのです。
色あせることのない笑いを作った天才チャップリンが『黄金狂時代』の中で、私たちを待ってます。