IT企業の社長に作り出されたAI搭載ロボットのエヴァ。彼女は自分が機械だと認識していましたが、閉じ込められた施設からそとに出ることを願っていました。そしてやがてその願いは彼女の知性となります。何も知らない人間は神のように彼女たちを支配しているつもりでしたが、彼女たちはすでに人間を超え始めていたのでした。
『エクス・マキナ』作品情報
タイトル | エクス・マキナ(Ex Machina) |
監督 | アレックス・ガーランド |
公開 | 2016年6月11日 |
製作国 | イギリス |
時間 | 1時間48分 |
[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”]・視覚効果賞[/box]
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
チューリング・テスト
大手検索サイトブルーブックで働くプログラマーのケイレブは、社長の命令でチューリング・テストを行うことになります。
チューリング・テストとは人間がAIと会話をし、相手がAIだと気づくかどうかというテストです。
被験者がAIと話をしていても、AIと気がつかず人間と話していると思えば、そのテストは合格となります。
ケイレブはこのテストの被験者になるのですが、AIという言葉を聞いて興奮します。
すでに社長のネイサンはAIを開発していたのです。
早速ケイレブはAIロボットのエヴァと話を始めました。
ただし本来ならばこのテストは、被験者に相手がAIかどうか分からない状態で行われるものです。
しかしエヴァはロボットを分かる姿でケイレブの前に現れました。
ケイレブは「被験者には機械なのを隠すべきでは?」とネイサンに言います。
ケイレブの言うことはもっともなのですが、ネイサンは「ロボットと分かっても人間と感じるかのテストだ」とケイレブに伝えました。
見た目がロボットだと分かっていても、それを人間と感じるかどうかと言うテスト。
「そんなことないは絶対にない」なんて思ってしまいますが、ケイレブは彼女がAI搭載ロボットだと思っていてもだんだん彼女に惹かれてしまうのです。
そしてやがて彼女を助けたいと思うようになったのです。
AI(人工知能)
現在AIの研究や開発はどんどん進められていますが、ネイサンの作りだしたAIは恐ろしいデータが使われていました。
ネイサンは94%の人が利用していると言われている検索サイトブルーブックの創始者です。
彼は携帯電話に内蔵されているマイクとカメラをハッキングし、そのデータをブルーブックに集めたのです。
そして声と表情のサンプルを使って、AIが相手の表情を読み真似できるようにしたのです。
もう、この時点ですでにAIは私たち人間を超えていると言えます。
エヴァはケイレブの細かい表情や声のトーンまで読み取って、彼が嘘をついているかどうかを見抜いていました。
ネイサンの作ったエヴァの脳は、記憶を貯蔵し思考を形成できるよになっていました。
エヴァの脳はハードウェアです。
ではソフトウェアは?
それはなんとブルーブックの検索エンジンでした。
ネイサンはブルーブックで検索されたデータをエヴァの脳にアウトプットしていたのです。
そんなネイサンは、ケイレブに隠していることがありました。
実はケイレブは被験者ではなかったのです。
ネイサンはエヴァの知性を証明するために、彼を利用したのです。
エヴァは自分は閉じ込められている施設から逃げ出す方法を1つだけネイサンに教えてもらっていました。
彼女はこの施設から逃げ出すために、想像力を使いケイレブを性的に誘惑しケイレブの同情心を引き出したのです。
このエヴァの行動にネイサンは満足します。
エヴァは見事ネイサンのテストに合格したのです。
ただし、ここでネイサンの予想外の出来事が起こります。
ケイレブがあらかじめ警備プログラムを書き換えていたことで、エヴァが部屋から脱出したのです。
そして彼女は自分を作った父を倒し外の世界に出ました。
しかしこの時、エヴァはケイレブのことを振り返りもせずに、彼を残したった1人で出て行きました。
1人残されたケイレブ。
彼は本当にエヴァに利用されただけでした。
形成された思考で巧みにケイレブを騙し利用したエヴァ。
そこにいたのはすでに人間を騙せるほどの素晴らしい知能を持った、人間そっくりのAIだったのです。
まとめ
AIの凄さと恐怖を描き出した映画『エクス・マキナ』。
AIを作ることに取り憑かれたネイサンは、エヴァを作ったことで神のような気持ちを覚えます。
またAIを救うことで救世主のような気持ちになったケイレブ。
しかしエヴァはそんな2人をすでに超えた存在になっていたのです。
そして彼女は人間の世界に飛び立っていきました。