警察官がマフィアに、マフィアが警察に潜入した映画『インファナル・アフェア』。お互いがお互いを探し続ける中、警察に潜入したマフィアのラウは自分の人生をやり直そうと思いようになります。しかしラウが「善人」として生きようと決めた時、彼は無間地獄に陥ってしまうことになるのです。
『インファナル・アフェア』作品情報
タイトル | インファナル・アフェア(無間道) |
監督 | アンドリュー・ラウ |
公開 | 2003年10月11日 |
製作国 | 香港 |
時間 | 1時間41分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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1991年、ストリート育ちの青年ラウは香港マフィアに入ってすぐ、その優秀さに目を付けたボスによって警察学校に送り込まれる。
一方、警察学校で優秀な成績を収めていた青年ヤンは突然退学となる。
彼は、警視に能力を見込まれマフィアへの潜入を命じられたのだった。
やがて2人の青年は、偽りの身分の中で着実に実績を積みそれぞれの組織で重要なポストを与えられていく。
そしておよそ10年後、警察はヤンから大きな麻薬取引の情報を受け取る。
しかし警察の包囲網はラウによってマフィア側に筒抜けとなっていた。
検挙も取引も失敗に終わったことで、警察、マフィア双方がスパイの存在に気づいてしまうのだった…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/242071)
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無間地獄
「絶え間無く責め苦にあう」という意味の無間地獄。
マフィアに潜入することになった警察官のヤンと警察潜入することになったラウの2人は、まさに絶え間無く続く苦しみにもがくことになります。
警察学校を途中で退学させられてしまったヤンは、実は潜入捜査官としてマフィアの組織に潜り込むことになりました。
そして色んな組織に潜り込みながらなんと10年間も潜入捜査を続けていました。
その間何度も警察に戻りたいと訴えても聞きれてもらえず、ついにヤンは心に傷を負ってしまいました。
それでも自分を頼りにしてくれている父親のようなウォン警視のために、彼は必死で潜入捜査官を続けたのでした。
一方、マフィアから警察に潜入したのがラウ。
彼はマフィアのボスであるサムに対して警察の情報を流し、また警察内でも上手く活躍して試出世街道を進んでいました。
ヤンがマフィアの中で苦しみにもがく中、ラウは順風な人生を送っています。
しかしやがてラウにも苦しみが襲いかかってきます。
彼は警察内に潜入しているマフィアを探すように上司から命令され、またマフィアのボスサムからはマフィア内に潜入している警察官を探すように言われたのでした。
警察内のマフィアを見つけることそれはつまり自分の正体をバラすことです。
それを避けるためにウォン警視に容疑が向くようにしました。
結果、それが逆に彼を苦しめることになります。
マフィア達がウォン警視を殺してしまったことで、彼は殺人に関わってしまったのです。
そしてそこから彼の無間地獄が始まったのです。
終わりのない苦しみ
ウォン警視が死んだことで、ラウは自分の道を選び直そうとします。
それは若い頃にサムに教えてもらった生き方でもありました。
そしてサムを殺し警察官として人生を送り直すことを決めますが、ヤンはラウの正体に気がつきました。
お互いの正体を知り向き合う2人。
ヤンはラウを殺すのではなく、彼を逮捕しました。
ヤンは警察官としての正しい行動をとったのでした。
一方、ラウは妻に「善人」か「悪人」か分からなくなったと言われ、「善人」になることを選びます。
しかし今までの行いからかラウに再び苦しみが迫ってきます。
仲間がヤンを殺してしまったのです。
これで2度と自分は「善人」にはなれないと悟ったラウ。
彼は仲間を始末しそのまま警察官として生きることを決めました。
ラウは二度と無間地獄から抜け出すことができなくなったのです。
ヤンのような善人になりたかったラウ。
しかし彼に待っていたのは終わりのない無間地獄。
彼は罪悪感を背負ったまま、警察官として生き続けるしかないのです。
まとめ
全く正反対の道を選んだヤンとラウ。
彼らはそれぞれ追い込まれてしまいますが、最後まで善人でいたのがヤンでした。
ヤンのようになりたくてなれなかったラウは、この先もずっと罪を背負いながら生き続けるしかないのです。
人生の終わり方まで正反対だったのが、ヤンとラウだったのです。