ボストンに住むアイルランド系アメリカ人。その中でマフィアに育てられたコリンと犯罪者に囲まれて育ったビリー。彼らは共に警察官になりますがその後の運命は全く逆のものでした。マフィアとして警察官に潜り込んだ男と警察官としてマフィアに潜り込んだ男。彼らはそれぞれが父親から教えてもらったものを最後まで貫き通したのでした。
『ディパーテッド』作品情報
タイトル | ディパーテッド(The Departed) |
監督 | マーティン・スコセッシ |
公開 | 2007年1月20日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間31分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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貧困と犯罪が渦巻くボストン南部で生まれ育った二人の男。
ビリー・コスティガンは、犯罪者の一族に生まれ、自らの生い立ちと訣別するために警察官を志す。
一方、ボストン南部一体を牛耳るマフィアのボス、コステロの手によって、幼い頃から腹心の弟子として育てられてきたコリン・サリバンもまた、警察官を志す、、コステロの内通者となるために。
(出典:https://warnerbros.co.jp/home_entertainment/detail.php?title_id=2080/)
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[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”]・作品賞
・監督賞:マーティン・スコセッシ
・脚色賞
・編集賞[/box]
マフィに育てられたコリン・サリバン
ボストンに住むアイルランド系マフィアのコステロ。
この土地はイタリアン・マフィアが仕切っていて、彼らには仕事がほとんどなかった。
彼らアイリッシュが勢力を伸ばしたのは、アイルランド系のジョン・F・ケネディが大統領になってからだった。
そんな彼が身につけたものそれは、
「誰も与えない。自分で奪うんだ」ということだった。
コステロに幼い頃から可愛がられたのが、コリン・サリバン。
頭の良い彼はコステロから「男なら自分で道を切り開け」と教わります。
そしてコリンはコステロに教えてもらった「我は服従せず」という言葉を胸に警察学校に入学し見事警察官になります。
そう、それは警察の情報をコステロに流すためでした。
しかしやがてコリンはコステロがFBIの犬だったということに気がつきます。
コステロが自分を売ったかもしれないという疑いを持ったコリン。
その矛先はコステロ自身に向きます。
彼は自分を育て息子のように可愛がってくれたコステロの教え通り、「我は服従せず」と貫きました。
それはコステロにも服従しないということでした。
犯罪家族に囲まれて育ったビリー・コスティガン
犯罪者の家系に生まれ育ったビリー・コリガン。
彼の伯父はノミ屋でしたが殺されました。
別の伯父は警察官に銃を撃って逮捕されています。
そんな環境からかビリーは、学生時代に教師を椅子で殴り退学になった過去の持ち主です。
しかし、彼の父親だけは犯罪者ではありませんでした。
空港の荷物係として働いていました。
彼はコステロが近づいても、断固とした犯罪に手を染めなかった男でした。
「意思が強く、絶対に屈しない男」それはビリーの父親でした。
お金も望まないビリーの父親。
ビリーにはそんな父親の血が流れていました。
更生するために警察学校に入り警察官になったビリー。
しかし彼の最初の任務は覆面捜査官となってコステロの部下になることでした。
やがてビリーは警察内部にコステロの部下がいることを知ります。
そしてその警察の裏切り者と戦うことになります。
仕事とはいえ、コステロと共に悪に手を染めることに耐えられないビリー。
彼の心の中の良心は、警察内部に裏切り者逮捕に向けて動き出します。
そんなビリーの姿は、彼の父親のように絶対に屈しない男でした。
まとめ
相反する立場で警察とマフィアの中に潜り込んだ二人の男。
彼らはどんな状況になっても、自分の父親に教えてもらった通りの生き方を貫きます。
良心をなくさなかったビリー。
悪に染まっていくコリン。
彼らは同じ時代に同じ場所でいきた、善と悪の象徴でもあったのです。