ウィルスが蔓延した世界で感染者達はゾンビなってしまいます。そして彼らは人間と隔たれた世界で暮らすようになります。しかし実は人類はすでに人とのつながり失っていたのです。ゾンビ映画に隠されたメタファー。映画『ウォーム・ボディーズ』では愛や絆でした。そしてそれはゾンビに変化をもたらすこともできるのです。
『ウォーム・ボディーズ』作品情報
タイトル | ウォーム・ボディーズ ( Warm Bodies) |
監督 | ジョナサン・レヴィン |
公開 | 2013年9月21日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間38分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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謎のウィルスにより人類の半分がゾンビ化した世界で、生き残った人々は高い壁を築いて武装し、ゾンビから身を守りながら生活していた。
廃墟となった空港に暮らすゾンビのRは、ある日、壁の外に食糧を調達しにきた人間たちを襲撃するが、ショットガンを構えた少女ジュリーに一目ぼれしてしまう。
Rはジュリーを自分の住まいに連れ帰り、当初は戸惑っていたジュリーも、Rの優しさに次第に心を開いていくが……。
(出典:https://eiga.com/movie/77983/)
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ゾンビの正体
「ゾンビは現代の問題を映し出すメタファーだ!」
これはゾンビ映画を表す時に使われる言葉です。
それは現代の人間が関わる問題をゾンビとして描いている作品が多いからです。
では映画『ウォーム・ボディーズ』で描かれるゾンビとは一体なんでしょうか?
映画の中ではウィルスが蔓延し感染者はゾンビなったと簡単に説明され、ゾンビの世界となった理由は詳しく描かれていません。
しかし冒頭で空港にいるゾンビRが、昔の空港を思い出します。
そしてその時にいた人間は、みんなスマホに夢中だったりゲームに夢中だったりで他人のことを気にしていないのです。
彼らは人との繋がりをたち、スマホやゲームの中の繋がりを大切にしていました。
そしてそれが映画『ウォーム・ボディーズ』の中で描かれるゾンビの正体なのです。
ゾンビの心は冷たく固まっていました。
ゾンビなのでもちろん心臓は動きませんが、彼らは温もりを持っていない人なのです。
だからゾンビなってしまった彼らは会話ができません。
それは人との繋がりを求めていない彼らは、会話することは必要ないからです。
そんな人の温もりを忘れてしまった人が映画『ウォーム・ボディーズ』で描かれるゾンビに象徴されているのです。
ゾンビと人間
ほとんどのゾンビが会話ができない中、ゾンビRだけは少し会話ができます。
きっとそれは彼の心にはまだ人を好きになる気持ちが残っていたからです。
人に優しくする感情があったからです。
ほとんどのゾンビ映画ではゾンビと人間の共存はできません。
ワクチンがが見つかるか、ゾンビと戦い続ける映画がほとんどです。
そんな中映画『ウォーム・ボディーズ』では、ゾンビと人間が共感できる世界が描かれています。
といよりはゾンビは人間に戻ることができるのです。
人との繋がりを思い出し心に温もりを感じれば、ゾンビだった人間は少しづつ人間らしさを取り戻していくのです。
それがこの映画の伝えようとしているメッセージなのです。
人との繋がりを失ってしまえばもはや人間ではない。
人間は誰かとつながり、誰かに優しくしたり恋したりすることで温もりを感じることができる。
それがなくなってしまえば私たちはみんなゾンビと同じなのです。
まとめ
ゾンビと人間の恋愛映画『ウォーム・ボディーズ』。
それはロミオとジュリエットのようでした。
さらに人間らしさ人間のあるべき姿を教えてくれている作品でもあります。
ゾンビは人との繋がりを失った人間。
ゾンビにならないためにも温もりが大切なのです。