イスラム教の家に生まれた11歳の女の子アミ。女性は信心深くあるべきだという教えの中で育ちますが、彼女はそんな規律を窮屈に感じていました。そんなアミが出会ったのがダンス。自由に生きている友達に感化されたアミはダンスを始めます。しかしそのダンスはとても11歳が踊るようなダンスではなかったのです。
『キューティーズ!』作品情報
タイトル | キューティーズ!(Mignonnest) |
監督 | マイムナ・ドゥクレ |
公開 | 2020年9月9日 |
製作国 | フランス |
時間 | 1時間36分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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学校の女子生徒たちが結成した自由奔放なダンスグループに魅了された11才の少女ミアは、保守的な家族の伝統に逆らい始める。
(出典:https://www.netflix.com/title/81111198)
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11歳の少女が感じる窮屈さ
11歳の女の子ミア。
彼女は長女として2人の弟の面倒をみながら、母親を手伝って暮らしています。
しかし最近の母親はどこか元気がありません。
しかも父親はなぜか家に帰ってきませんでした。
11歳ながらにして何かおかしいと感じていたミアですが、彼女の家はイスラム教を信仰しています。
それは先祖代々伝わるしきたりでもありました。
そして母親と一緒に集まりに参加すると
[box class=”blue_box” title=””]・女性は信心深くあるべきだ
・地獄に落ちるのは男より女が多い
・露出度の高い女は悪だ
・夫に従順でありなさい[/box]
という教えを教わります。
さらに母親が元気がなかったのは、お父さんに新しい奥さんができたからでした。
それは浮気や不倫ではなく、一夫多妻制で2番目の妻を父親はもらうのです。
しかも母親はミアが住む家に一緒に暮らします。
ミアが暮らす環境はとても窮屈で、11歳ながらにしてミアはどこか理不尽さを感じていました。
だから、ミアは自由に生きている同じ歳の少女たちが羨ましく見えました。
そして窮屈な世界から外に飛び出そうと決めたのでした。
子供たちが目にする情報
ミアが刺激を受けた友達はダンスをしています。
彼女たちが踊ろうとしていたダンスは、動画サイトで見ることができるセクシーなダンスでした。
露出の高い洋服を着て男性を挑発するようなダンスを、なんと11歳の女の子たちが踊っているのです。
ミアもそんなダンスに惹かれてしまいます。
そしてそれを見るために、親戚からスマホを盗んでしまいます。
ミアが手にしたスマホには、ミアを窮屈な世界から救い出してくれるものがたくさん詰まっていました。
SNS、動画サイトなどミアにとっては刺激的なものばかりです。
少しセクシーなポーズをとればすぐにイイネがもらえます。
そして顔を見せなければに男性とチャットで話しもできます。
狭い世界に閉じ込められていたミアにとっては、どれもこれも楽しい世界に見えましたがそれはとても危険な世界でもあったのです。
賛否両論の評価
映画『キューティーズ!』は、Rotten Tomatoesの評価を見ればどれほど意見が分かれている作品かわかります。
映画自体はサンダンス映画祭のワールド・シネマ・ドラマ部門で監督賞を受賞した作品でもあります。
監督はこの映画を通して、子供達の置かれている危険な状況を伝えようとしていました。
しかしその表現があまりにも過激だったため、見た人は不快感を覚えてしまいました。
11歳の子供たちが踊るダンスには驚かされます。
特に同じ年頃の子供がいる親ならば、見たくないシーンだと思います。
確かにやりすぎ感はありますが、これが現実だとすれば今のネット社会はとても問題です。
親や学校の知らないところで子供達はいつでも情報を受け取ることができるのです。
そしてその情報は子供にとってはとても危険な情報です。
大人の女性が自分の「性」を見せることで、人気者になれる世界。
何も知らない子供は、理解ないままついついそれを真似してしまうのです。
そんなネット社会の闇を描いていたのが『キューティーズ!』だったのですが、内容的に過激すぎてしまったのかもしれません。
まとめ
賛否両論を呼んだ映画『キューティーズ!』。
確かに内容は過激でとても不快感を感じてしまいますが、映画の中で描かれているメッセージを大人はしっかりと受け止めなる必要があります。
ネット社会と子供の関係。
さらに「性」でのし上がっていける世界。
これは今すぐにでも世界中で取り組まなければいけない問題なのです。