マジックに魅了されて成功を望んだ2人の男アンジャーとボーデン。彼らは互いに相手を騙しないながらも、最後に偉業をやり遂げるために人生をかけました。そこまで2人が魅せられてしまったのがマジックです。「確認」「展開」「偉業」の3つのパートで成り立つマジック。彼らの人生それと同時にこの映画自体もマジックだったのかもしれません。
『プレステージ』作品情報
タイトル | プレステージ(The Prestige) |
監督 | クリストファー・ノーラン |
公開 | 2007年6月9日 |
製作国 | アメリカ/イギリス |
時間 | 2時間10分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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19世紀末のロンドン。
華麗かつ洗練されたパフォーマンスで魅せる“グレート・ダントン”ことロバート・アンジャーと、天才的なトリックメイカー“ザ・プロフェッサー”ことアルフレッド・ボーデン。
2人のマジシャンは、修業時代から互いを認め合いマジックの腕を競い合っていた。
しかし、アンジャーの妻が脱出マジックに失敗して命を落とすと、その原因がボーデンにあったことから、アンジャーは彼への復讐に取り憑かれていく。
そんな中、ボーデンはサラと出会い幸せな家庭を築く。
一方のアンジャーも、美しく優秀なアシスタント、オリヴィアを得て、その華麗なステージが評判となる。
しかし、2人の確執は一層激しいものとなっていくのだった。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/326220)
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確認
マジックの3つのパートの最初「確認」。
何でもないものを見せること、タネも仕掛けもないと確認させること。
アンジャー
彼は妻のジュリアを愛し幸せな生活を送っていたが、その妻をマジック中の事故で亡くしてしまいます。
しかしその事故はもう1人のアシスタントのボーデンによって、起きた事故です。
この事故をきっかけにアンジャーはボーデンを憎み、彼への復讐を企むようになりました。
ボーデン
自分のせいで、アンジャーの妻を事故死させてしまったボーデン。
そのせいでアンジャーと仲が悪くなります。
それでもボーデンは愛する女性を見つけ、子供の今れ幸せな生活を送り始めていました。
しかしアンジャーがやってきて、ボーデンに復讐をします。
アンジャーによって指を失ったボーデン。
今度は彼がアンジャーへ復讐しようとするので。
映画
アンジャーとボーデンというマジックに魅了された2人の男。
彼らはアンジャーの妻の死を境に仲が悪くなります。
そしてお互いの復讐が始まるです。
その始まりは妻を殺されたアンジャーの復讐からでした。
展開
マジックの2つ目のパート「展開」。
驚くようなことをすること。
アンジャー
ボーデンに騙されるがニコラ・テスラから、「人間瞬間移動」マシーンをもらいます。
しかし実はそれは複製マシーンでした。
憎き相手ボーデンに全てを奪われたアンジャーは、彼から全てを奪おうとします。
自分が死んだと思わせて、実は生きていました。
彼の娘を引き取ったコールドロウ卿は、アンジャーでした。
ボーデン
アンジャーとの激しい復讐戦を繰り広げるボーデン。
彼は人間瞬間移動マジックを披露し、人気のマジシャンとなっていました。
アンジャーはそんなボーデンのトリックを知りたいと必死になります。
そしてついにボーデンの日記を手に入れ、さらに人間瞬間移動にはニコラ・テスラが関係していると知ります。
しかしこれは全てボーデンの罠だったのです。
実はアンジャーのアシスタントオリヴィアを使って、全て騙していたのです。
アンジャーに日記を渡すように考えたのも全て、ボーデンでした。
彼の人間瞬間移動にはニコラ・テスラは関係なかったのです。
映画
アンジャーとボーデンが持っているそれぞれの日記。
それを最後まで読むと、二人がお互いに相手を騙していたことが分かります。
ボーデンはわざとニコラ・テスラのことをアンジャーの教えた
アンジャーは実はコールドロウ卿だった。
それぞれのどんでん返しを見せて、視聴者を驚かせました。
偉業
マジックの3つ目のパート「偉業」。
消えるだけでなく、戻ってくること。
ボーデン
彼の人間瞬間移動マジック。
実は彼は双子だったのです。
しかし彼は双子であることを隠して生き続けていました。
それはマジシャンとして成功するために。
二人で一人の人生、半分の人生を生きていました。
刑務所に入ってるボーデンは死刑になってしまいますが、もう1人のボーデンは娘の前に戻ってきました。
ボーデンは娘を取り返すことで偉業を達成したのでした。
アンジャー
マジックと復讐の2つに取り憑かれてしまったアンジャー。
ボーデンを刑務所に入れ彼から娘を奪うという、「展開」でボーデンを驚かせました。
しかし、彼は残念ながら「偉業」を用意していませんでした。
「偉業」を準備していたボーデンに、アンジャーは負けてしまったのでした。
映画
実はボーデンは双子だったというさらなるオチを用意していたのが、映画『『プレステージ』です。
それは途中そのことに気がついた妻が、何度も伏線となっていました。
しかしこの映画の「偉業」はそこではありません。
本当にここでこの映画は終わりなのかと思わせるところが、この映画の「偉業」です。
本当にアンジャーは死んでしまったのか?
実は生きているんじゃないの?
まだアンジャーとボーデンの騙し合いは続けいているのでは?
そんな風に思わせるのがこの映画の「偉業」なのです。
まとめ
マジックの仕掛けのために人生をかけて戦う男を描いていた映画『プレステージ』。
しかしこの『プレステージ』は、終わりが見えない映画でした。
アンジャーは生きているのではと思わせるような終わり方で、まだまだ二人の戦いは続いていそうに思えてしまいま。
そうこの映画『プレステージ』自体が「確認」「展開」「偉業」の3つのパートを持ったマジックだったのです。