新しい資源とされ注目されている天然ガスのシェールガス。枯渇していく石炭や石油の代わりになるエネルギーとして台頭してきました。石炭や石油が及ぼしている環境問題に対してもシェールガスはクリーンなエネルギーと言われています。そんな新しい天然ガスについて真っ向から描いたのが映画『プロミスト・ランド』です。
『プロミスト・ランド』作品情報
タイトル | プロミスト・ランド(Promised Land) |
監督 | ガス・ヴァン・サント |
公開 | 2014年8月22日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間46分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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大手エネルギー会社の幹部候補であるスティーヴは、マッキンリーという農場以外はなにもない田舎町に、仕事のパートナーのスーとともにやってくる。る。
マッキンリーには良質のシェールガスが埋蔵されており、近年の不況に大きな影響を受けた農場主たちから、相場より安く採掘権を買い占めるためだった。
スティーヴは町の財政再建の救世主として迎えられたが、予期せぬ障害に行く手を阻まれる。
(出典:http://www.promised-land.jp/about.php)
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シェールガス
石炭や石油の代わりとされる新しいエネルギーのシェールガス。
シェールガスは頁岩(シェール)という地層から採掘される天然ガスと説明されています。
シェールガスの存在は昔から知られていましたが、その採掘方法が難しいとされていました。
しかし技術が進みシェールガスの採掘が比較的簡単にできるようになり、開発が進み始めました。
そして今では新たな資源として注目されているのです。
中国やアメリカなど地層に埋まっている天然ガスは豊富にあるとされています。
そしてアメリカではその天然ガスの採掘による町の発展が話題となっています。
そんなアメリカで起きている問題を描いたのが『プロミスト・ランド』なのです。
シェールガスの抱える問題点
シェールガスはクリーンな天然ガスとされて注目を浴びました。
天然ガスを使用することで二酸化炭素削減に繋がるとも言われていました。
しかし天然ガスにはメタンも含まれているので、逆に今までよりも温室効果ガスの排出に繋がってしまうという意見も言われています。
新しい資源のためにメリット・デメリットどちらの意見もあります。
その1つを『プロミスト・ランド』の中で描きました。
それは天然ガスの採掘方法の水圧破砕法です。
天然ガスはいくつか採掘方法はありますが、『プロミスト・ランド』の中に登場するグローバル社は水圧破砕法を使用していました。
この水圧破砕法はシェールに高水圧の水を注入しガスを採掘する方法です。
しかしその方法には様々な問題があるとされていました。
映画の中でも説明されていますが、1つは水圧破砕の時に使用される化学物質の問題です。
毒性の化学物質も使用されているとされ住民を不安にしました。
また水圧破砕中にガスが漏れる事故もあります。
そしてそれが土壌汚染につながります。
映画の中では牧場に倒れている牛の写真が使用されていました。
さらに映画の中にありませんでしたが、この漏れたガスが地下水を汚染し水道をひねってライターを近づけると火がつくという問題があるのも事実です。
エネルギー会社は天然ガスの問題ではいとしていますが、周辺住民が不安に陥っているのは事実です。
また水圧破砕による地震の誘導などの可能性も叫ばれています。
まだまだ様々な問題を抱えているシェールガスを採掘する水圧破砕法。
その問題が『プロミスト・ランド』で描かれていました。
まとめ
新たな資源として注目されているシェールガス。
そのシェールガスの抱える問題点を描いたのが『プロミスト・ランド』です。
映画の中で描かれるようにシェールガスの採掘方法に不安があるのは事実ですが、もう1つ農家の人たちの貧困も事実です。
すぐには答えの出せない複雑な問題。
だからこそ映画として取り上げられたのでした。