映画『シンクロナイズドモンスター』怪獣とシンクロした女性は今の現代人の姿だった


自分の行動が怪獣とシンクロしてしまった。そしてそんな怪獣の前に現れたのがロボットだった。主人公のグロリアは怪獣となてロボットの前に立ちはだかるが。ネットが炎上し仕事をリストラされ、アルコールもやめられないどん底のグロリア。そんな自分が嫌なに抜け出せない。逃げてばかりのグロリアはこのピンチをどう切り抜けるのか?

『シンクロナイズドモンスター』作品情報


シンクロナイズドモンスター [Blu-ray]

タイトル シンクロナイズドモンスター(Colossal)
監督 ナチョ・ビガロンド
公開 2017年11月3日
製作国 カナダ/スペイン
時間 1時間49分

Rotten Tomatoes

あらすじ

酒に溺れて失敗ばかりのグロリアは、恋人にも愛想をつかされ、同棲していたニューヨークのマンションを追い出されてしまう。

失業中の身で行き場もなく、渋々ながらも故郷の田舎町に引き返す。

するとそこで幼なじみのオスカーと偶然再会し、彼が営むバーで働かせてもらうグロリア。

そんな中、韓国のソウルに突如巨大な怪獣が出現し、世界中が固唾を飲んで見守る衝撃の事態が発生する。

ところが、そのニュースを見ていたグロリアは、あるとんでもないことに気づいてしまう。

なんとその怪獣が、グロリアと同じ仕草をしていたのだった。

驚愕の事実に混乱しながらも、怪獣にいろんなポーズをさせて面白がるグロリアだったが…。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/361332)

現代の闇

ネット記事を書いているグロリア。
しかしある日、その記事が炎上してしまったことでリストラされてしまった。

それ以来お酒を飲み続ける毎日。
彼氏と同棲しているのに、朝帰りの日々だった。

彼氏はそんなグロリアの行動が嫌になり、彼女を家から追い出した。

追い出されたグロリアが向かったのは実家だった。
グロリアにはここしか行き場所がなかったからだ。

ちょっとしたジョークのはずだったグロリアの記事。
どんな内容だったか映画では描かれていないが、この記事が彼女の命取りとなった。
大炎上してしまったのだ。

オンラインが普通の現代。
世界中で「炎上」という現象が起きている。

そしてその炎上を起こされてしまった人は、社会から追い出されてしまう。
グロリアのように悪意はなかったとしても、ネットの世界は容赦ない。
グロリアは仕事を失うことになってしまった。

彼氏からはネットの批判から逃げているだけだろと言われてしまうが、ネットの批判は容赦ないのが現実。

不思議な怪獣映画『シンクロナイズドモンスター』には、ネット社会の今誰もが陥ってしまう闇の世界が描かれていた。

ちっぽけな世界

行き場所を失くしたグロリアは実家に帰る。
そこで再会したのが小学校の同級生のオスカーだった。

グロリアも勘違いしたように、映画を観ているとオスカーはグロリアが好きなかもと思ってしまう。
しかし実は違った。

オスカーはグロリアに負けたくなかったのだ。

オスカーは子供の頃物語を発表させられていつもグロリアが優勝していたと友人に説明する。
その時、彼は「俺は負けてた」と悔しそうだ。

友人がグロリアをいい感じになった時、「何してる」と怒る。
これはグロリアが好きなのではなく、グロリアが自分じゃなく友人を選んだからだ。
友人に負けたからだ。

オスカーはいつもこの友人をパシリのように連れている。

オスカーは帰ってきたグロリアに色んなものをあげる。
それは彼女を好きなのでなく、彼女に施しを与えている自分が好きだからだ。
グロリアよりも上にいる気持ちになれるからだ。

オスカーがグロリアの元彼に対抗するのも、NYに住むイケメンに勝ちたいからだ。

オスカーが幼い頃グロリアの課題を壊したのも、彼女の方がうまくできていたからだ。

オスカーはいつも自分が1番でありたいのだ。
しかし現実は1番にはなれなかった。
そんな自分にイライラしているのがオスカーだった。

そのオスカーにグロリアは「自分が嫌いなのよ」という。
自分のちっぽけな世界が大嫌いなのね」と。

そして最後にグロリアはそんなオスカーを投げ飛ばした。
それはグロリア自身の中にもあったことだったからだ。

グロリアも自分のちっぽけな世界が嫌いだった。
お金持ちの彼氏を持ち、いけてる仕事に就きたかった。

でも彼女も失敗した。

しかしオスカーを投げ飛ばしたことで、彼女はそんなちっぽけな世界から抜け出せた。

ウェイトレスを馬鹿にする彼氏を捨てて、新たな世界へ踏み出した。
もう彼女にはアルコールは必要ない。

グロリアは自分の生きる世界を見つけることができたから。

まとめ

自分の行動が怪獣とシンクロし、ロボットを倒すという奇妙な物語の『シンクロナイズドモンスター』。

しかしそれはステイタスばかり気にして、自分を見失ってしまっている女性の物語でもありました。

彼女がロボットを倒した時、やっと彼女はちっぽけな世界から抜け出せました。

そして自分らしくありのままでいい世界を見つけたのでした。