2本立てとしてアメリカで公開された『グラインドハウス』。その中の1本が『プラネット・テラー in グラインドハウス』だった。1970年代を思い出させるようなフィルム。もちろん全て作られた世界だが、こだわりの人ロバート・ロドリゲスによってあの頃のフィルムがリアルに再現されている。
『プラネット・テラー in グラインドハウス』作品情報
タイトル | プラネット・テラー in グラインドハウス(Planet Terror) |
監督 | ロバート・ロドリゲス |
公開 | 2007年9月22日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間45分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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テキサスの田舎町。
軍事基地で極秘裏に実験が行われていた生物化学兵器が流出・拡散、そのガスを浴びた人々が次々と凶暴なゾンビへ姿を変えていく。
一方、ゴーゴーダンサーをしていたチェリーは、ゾンビ化した人間に右脚を喰いちぎられてしまう。
彼女は元カレ、レイの助けを借り、木製テーブルの脚を義足代わりにして逃げ延びる。
やがてチェリーは失われた脚にマシンガンを装着、次々と襲いかかるゾンビや兵士に向けて怒りの弾丸をブッ放すのだった…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/328315)
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2本立て映画の1本
『プラネット・テラー in グラインドハウス』は、アメリカでは『グラインドハウス』として公開された作品の1本。
もう1本は、クエンティン・タランティーノ監督の『デス・プルーフ in グラインドハウス』。
元々クエンティン・タランティーノ監督の提案によって製作されたこの企画。
しかし日本では別々の映画として公開されることになってしまった。
クエンティン・タランティーノ監督は、1970年頃にあった2本立てでB級映画を公開する映画館をイメージして今回の企画を思いついた。
そのうちの1本がロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラー in グラインドハウス』だった。
だから『プラネット・テラー in グラインドハウス』の中には、クエンティン・タランティーノ監督も役者として出演しているのだ。
そして映画は、冒頭いきなり映画の予告から始まる。
それは『マチェーテ』という映画だ。
もちろん偽物映画の予告。
だったが、この『マチェーテ』はのちにちゃんと映画化されることになる。
もちろん監督はロバート・ロドリゲス。
2010年に公開された『マチェーテ』ももちろん、ロバート・ロドリゲスの世界観が満載の映画になっている。
映画を遊び感覚で楽しんでいる、ロバート・ロドリゲスやクエンティン・タランティーノらしい。
再現されたB級映画の感じ
『プラネット・テラー in グラインドハウス』はB級映画満載だ。
元々ロバート・ロドリゲス監督の作品には、マニアの好かれるB級映画が多い。
残虐でジョークの連続で、過激なアクションの映画。
それはロバート・ロドリゲス監督の得意とする分野だった。
しかしこの『プラネット・テラー in グラインドハウス』は、当時のB級映画テイストがさらにましている。
クエンティン・タランティーノ監督の描く、1970年代の頃の映画のように仕上げていた。
それは物語よりも、映画のフィルム自体に出ている。
当時は、映画はフィルムで撮影されていた。
だから古い映画には、傷がたくさんあるし色が褪せていたりする。
この『プラネット・テラー in グラインドハウス』は、そんな当時のフィルムを思い出させるために傷がたくさん入っている。
何よりも途中で物語が飛んでしまう。
「1巻 紛失」と字幕が出る。
そして「不手際をお詫びします 支配人」と出て物語は続く。
昔は映写技師が映画館の後ろにいて、フィルムを映写機にセッティングしていた。
フィルムを巻いたリールを映写機にセットして、映画を上映する。
1本の映画は数本のリールが必要となる。
『プラネット・テラー in グラインドハウス』では、このリールは1巻なくなってしまったという設定になっているのだ。
リアルに当時の映画を再現している作品なので、リールが紛失してしまうことも当時は多かったのかもしれない。
しかも紛失したリールに描かれていた物語は、1番気になる内容だった。
レイは一体何者なのか?
しかしそれは誰にも分からない。
憎らしいほどロバート・ロドリゲス監督の遊び心が詰まっていた。
まとめ
物語の内容は、ロバート・ロドリゲス監督らしくグロテスクでちょっとエッチ、そして激しいアクション。
そこに1970年代の映画のフィルム感が加わり、完璧B級ゾンビ映画となっていたのが『プラネット・テラー in グラインドハウス』だ。
この後、2本立てのもう1本『デス・プルーフ in グラインドハウス』を見ることを忘れずに。