映画『バウンド』強い女性2人に込められた監督の思い

ウォシャウスキー兄弟が初めて監督を務めた作品『バウンド』。まだ兄弟だった2人はのちに『マトリックス』で世界的に有名な監督になりますが、その後2人は姉妹に生まれ変わりました。やがて2人が女性になる事を知ってから『バウンド』を見ると、2人の思いが詰まっている作品だと感じることができます。

目次

『バウンド』作品情報


バウンド [Blu-ray]

タイトル バウンド(Bound)
監督 リリー・ウォシャウスキー/ラナ・ウォシャウスキー
公開 1997年7月5日
製作国 アメリカ
時間 1時間49分

Rotten Tomatoes

あらすじ

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5年の刑期を終えて出所し、マフィアのビアンキーニ一家の下で働くことになった泥棒のコーキー。

彼女はシーザーの情婦ヴァイオレットと知り合い、女同士で恋に落ちる。

ヴァイオレットはコーキーに、組織の金二百万ドルを奪い、ビアンキーニの息子のせいにして逃亡しようと持ちかけた。

二人はまんまと金を奪うことに成功するのだが……。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/54742)

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ウォシャウスキー姉妹

ウォシャウスキーといえば、この『バウンド』の次に製作した『マトリックス』が世界的に大ヒットし、彼らも一躍有名監督の仲間入りを果たしました。

『マトリックス』は続編も作られ多くのファンを持つ作品でしが、この『バウンド』でもウォシャウスキー姉妹の才能が詰まっています。

女性同士の出会いからマフィアのお金を盗み出す展開と、冒頭からずっと緊張感が続きます。
いつか2人の計画がバレてしまうのではないかと、ドキドキしながら画面に釘付けになってしまいました。

また女性だけでなくマフィアのシーザー。
家のやってきた警察を騙したり、お金の入っていないカバンを開けられそうになったりとシーザーの緊張感も伝わってきます。

主要人物3人の視点で物語を見ることができるのが、この『バウンド』です。

そして最後はマフィアに勝利する女性2人。
この当時まだウォシャウスキー姉妹は、兄弟として世間に出ていました。

しかしこの後2010年以降に2人は女性として生まれ変わり、名前も変えました。
そんなウォシャウスキー姉妹2人の思いが、コーキーとヴァイオレットに描かれていたような気がします。

強い女性2人組

相手がマフィアであっても、頭脳としたたかさと度胸でピンチを乗り切るコーキーとヴァイオレット。
2人とも強い女性として描かれています。

女性の武器を使いながらも、あくまでそれはビジネスとして割り切るヴァイオレット。
頭の良さと優しさでヴァイオレットを助けようとするコーキー。
どちらの女性も魅力的な女性です。

暴力的な男性に対して、頭脳で挑みます。
そして彼らを翻弄しました。

そして最後は「撃つことはできない」と言われてますが、「あなたは私のことを何もわかっていない」と言ってシーザーを銃で打ちました。

このヴァイオレットが言ったセリフは、もしかするとウォシャウスキー姉妹の心の声だったのかもしれません。
男性として生まれきたけれども、女性の心を持っていたウォシャウスキー姉妹。

男性から女性に変わりたいという願望が、男性を倒す強い女性の物語『バウンド』を作ったようにも見えてしまいます。

最後大金を手にしたバイオレットとコーキーは、新しい車に乗って街を出ていきました。

この後『マトリックス』で成功し、女性に生まれ変わるウォシャウスキー姉妹とバイオレットとコーキーが重なってしまいます。

まとめ

ウォシャウスキー姉妹の初の監督作品『バウンド』。

まだ男性だった頃に作ったこの作品には、女性に変わりたい自分たちの思いが主人公2人の女性に込められていたように感じます。

のちに監督として成功し生まれ変わったウォシャウスキー姉妹ですが、そうなる前の当時の苦しみと変わることへの希望を感じることができる作品です。

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