映画『告発の行方』孤独な被害者の悲痛な叫び


複数の男性に襲われた女性。声をあげたにもかかわらず、彼女の生活や過去の犯罪歴などから、被害者が挑発したと言われてしまいます。心身ともに傷ついた彼女に寄り添う人は誰もいません。性的被害者の実態が、リアルに描かれている『告発の行方』。最後の判決が出るまで目が離せません。

『告発の行方』作品情報


告発の行方 [DVD]

タイトル 告発の行方(The Accused)
監督 ジョナサン・カプラン
公開 1989年2月18日
製作国 アメリカ
時間 1時間51分

Rotten Tomatoes

あらすじ

場末の酒場で起きた複数の男によるレイプ事件。

勝ち目がないと言われながらも、裁判を引き受けた女性検事補は調査を開始するが、被害者の女性は酒に酔っており、被告側の男たちは和姦を主張していた。

やがて原告がマリファナを服用していた事が発覚、裁判は絶対不利となっていく……。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/7792)

アカデミー賞受賞
・主演女優賞:ジョディ・フォスター

社会問題

『告発の行方』がアメリカで公開されたのは1988年。
当時アメリカの社会問題となっていた事件を取り上げた映画です。

映画のラストには

アメリカのレイプ事件は6分に1件発生
4件に1件は複数犯による犯行である

と表記されます。

1988年から今現在、この数字は一体どのくらい変化したのでしょうか?

被害者として声をあげない人達もたくさんいるのが事実です。
それはアメリカだけでなく、世界中の問題でもあります。

この映画を見ていると、被害者が声をあげたくなくなってしまう現状も描かれています。

卑劣な犯罪が世の中から無くなること、そして罪を犯した犯人たちはきちんと罰せられる世の中になることを強く願います。

悲痛な心の被害者

男性に襲われた被害者なのに、その時の服装などで「挑発した」とされてしまう被害者サラ。

しかも彼女がお酒に酔っていたこと、マリファナを吸っていたこと、さらには過去に犯罪歴があったことなどから、不利に立たされてしまいます。

検察側も勝てないと分かると、弁護士側と取引をしてしまいます。

心身ともに傷ずいているサラに対して誰も手を差し伸べてくれません。

映画の冒頭で男性に襲われたサラは、逃げ出し病院に行きます。
そして医者や看護師、検察官や刑事と色んな人に会うのですが、だれ1人彼女に優しい言葉をかけません。

みんな仕事として彼女に接するだけです。

それは恋人や友人、母親さえそうでした。
サラに寄り添う人は誰もいないのです。

しかも挑発したと言われるサラ。

これが被害者の現状だとすると、被害者は事件を自分の中に閉じ込めてしまうでしょう。
サラが自暴自棄になってしまうのは当たり前です。

『告発の行方』の中で描かれる事件は、最低最悪の事件です。
複数の男性や、周りでそれを見て楽しんでいる人。
こんな最悪な状態なのに、被害者のサラは裁判で不利になってしまうのです。

サラの悲痛な叫びは誰にも届きませんでした。

希望

孤独なサラでしたが、後半にやっと希望が見えてきます。

自暴自棄になってしまったサラにやっと、検察官のキャサリンが手を差し伸べました。
自分の過ちを認めたキャサリンはサラのために戦います。

だからサラも証言台に立ちました。

裁判所で事件のことを話さなければいけないことは、サラにとってはもう一度傷つくことです。
それでも犯人達を罰するために、勇気を出しました。

希望のある終わり方。
よかったと思うエンディング。

その描かれ方が、少しでも希望になればと感じます。

まとめ

公開当時アメリカで社会問題になっていたことを描いた『告発の行方』。

公開から時間が過ぎても、いまでも全世界で問題となっている事件です。

声をあげられない被害者がたくさんいるのも実態です。

そんな被害者達に悲痛な心を代弁しているのが、『告発の行方』でした。