映画『ダラス・バイヤーズクラブ』エイズ患者たちを取り巻く環境と薬の実態


自身がHIVに感染してしまったことから、薬を求めて戦うことになった実在の人物ロン・ウッドルーフ。彼の人生を映画にしたのが『ダラス・バイヤーズクラブ』です。HIV感染者が増える中、薬をなかなか承認しなかったアメリカ食品医薬品局。ここでは当時のアメリカのHIVに対する現状を調べてみました。

『ダラス・バイヤーズクラブ』作品情報


ダラス・バイヤーズクラブ [Blu-ray]

タイトル ダラス・バイヤーズクラブズ(Dallas Buyers Club)
監督 ジャン=マルク・ヴァレ
公開 2014年2月22日
製作国 アメリカ
時間 1時間57分

Rotten Tomatoes

あらすじ

1985年、テキサス州ダラス。

酒と女に明け暮れ、放蕩三昧の日々を送るマッチョなロディオ・カウボーイ、ロン・ウッドルーフ。

ある日、体調を崩した彼は、突然医者からHIVの陽性で余命30日と宣告される。

ほかの多くの人同様、エイズは同性愛者がかかる病気と信じていたロンにとって、それはあまりにも受け入れがたい事実だった。

それでも生きるため、エイズについて猛勉強するロン。

やがて、アメリカでは認可された治療薬が少ないことを知り、有効な未承認薬を求めてメキシコへと向かう。

そして、トランスジェンダーのエイズ患者レイヨンの協力を得て、大量の代替治療薬を国内のエイズ患者にさばくための仕組み“ダラス・バイヤーズクラブ”を立ち上げるロンだったが…。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/347390)

アカデミー賞受賞
・主演男優賞
・助演男優賞
・メイク ヘアスタイリング賞

抗HIV薬 AZT

『ダラス・バイヤーズクラブ』の中で製薬会社が推奨している抗HIV薬がAZT(アジドチミジン)という薬です。

もともとこのAZTは日本人の満屋裕明教授が開発した薬でした。
世界初のHIV治療薬として注目された薬です。
しかしこの実験に協力していたイギリスの製薬会社が勝手にアメリカで特許を取得していまい高額で売られることになったのです。

1987年にアメリカで承認されたAZTは映画の中で描かれているように1年で1万ドルもする史上最高値の薬となっていましました。

全てが製薬会社の儲けのためでした。

映画の中でロンがメキシコで手に入れたddC。
これも満屋教授が開発して薬です。

勝手に高額で売り始めたことに怒りを覚えた教授が、さらに研究を始めたことでddCが誕生したのです。


MITSUYA 日本人医師満屋裕明―エイズ治療薬を発見した男

アメリカ食品医薬品局 FDA

FDA:Food and Drug Administration
アメリカで取り扱われる食品や医薬品・化粧品などの商品を取り扱っている機関です。
輸入や販売や違反などの取り締まりを行っているため、ロンはこのFDAに目をつけられてしまいました。

映画の中でもそれとなく触れられていますが、アメリカ社会でも問題になっているのがFDAと製薬会社の癒着です。

製薬会社から多額の資金がFDAに流れることで、他の薬の承認を遅らせたり認めなかったりしています。
アメリカで抗HIV薬として承認されたAZT。
それ以外の毒性の弱い薬がアメリカ以外の国で開発され承認されているのに、FDAは認めませんでした。

ロンは日本で承認されているインターフェロンを求めて東京にやってきました。
しかしそれもFDAによって認められませんでした。

さらに薬の価格が高騰してしまうのもFDAと製薬会社の癒着によるものです。
実際にアメリカでは貧しい人たちが薬を手にすることができない現状が起きているのです。

これは抗HIV薬だけでなく他の薬でも起きているアメリカの問題なのです。

まとめ

HIVに感染してしまったことで、エイズ患者たちが抱える問題を実感することになったロン。

彼は生きるために未承認の薬を求めました。

それは多くのHIV感染者を救うことになりましたが、政府との戦いにでもありました。

『ダラス・バイヤーズクラブ』では、エイズ患者のために薬を手に入れようとした人物について知ることができるのと同時に、腐敗したシステムを目にすることにもなります。