映画『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』それぞれの恐怖からの旅立ち


虐待を受けた青年と妻を亡くした心理学者。本音でぶつかり合ううちにいつしか自分が逃げていたことと向き合うようになっていました。そんな二人の葛藤を描いた『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。ウィルとショーンだけでなく、本年でぶつかり合った時人は新たな扉を開けることができるのです。

『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』作品情報


グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち [Blu-ray]

タイトル グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち(Good Will Hunting)
監督 ガス・ヴァン・サント
公開 1998年3月7日
製作国 アメリカ
時間 2時間6分

Rotten Tomatoes

あらすじ

ボストンに住む青年ウィルは、幼い頃から天才ゆえに周囲から孤立していた。

だが、彼の才能に気付いた数学教授のランボーは、ウィルに精神分析医のショーンを紹介する。

ウィルはショーンにしだいに心を開いてゆくが、彼の才能に気付いた政府機関や大企業が接近してくる。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/83888)

アカデミー賞受賞
・助演男優賞:ロビン・ウィリアムズ
・脚本賞

それぞれの旅立ち

ウィル・ハンティング

幼い頃に里親の家を転々としていたウィル。
さらに里親から虐待を受け孤児として育ちました。

そんなウィルはトラウマを抱えたまま成長し、自分の心の奥を誰にも見せようとしません。
いつも連んでいる友達にさえも、本心を見せようとはしませんでした。

暴力的でいくつもの傷害事件を起こしていたウィル。
彼は心理学者のショーンと恋人のスカイラーと出会ったことで、少しずつ固く閉ざした心の扉を開き始めました。

自分のことを話そうとしないウィルに本気でぶつかってくるショーン。
本で学んだことではなく自分の心で感じることの素晴らしさをウィルに教え続けます。

次第にウィルはショーンと話をするようになりますが、それでもまだまだ心を閉ざしたままです。
彼は誰かに捨てられることを恐れていたのです。

それは恋人のスカイラーに対しても同じでした。
彼女に捨てられることが怖くて、「一緒に行こう」という彼女の誘いを断ります。
愛しているのに「愛していない」という言葉で彼女を拒絶してしまいました。

自分に対して本気でぶつかってくるショーンとスカイラー。
感情をむき出しにしてぶつかってくれます。
そして親友のチャッキーも彼に本心を伝えます。
「お前は俺たちとは違う」と。

周りの人たちの本心と向き合い、さらに「君は悪くない」と言うショーンの言葉で、ウィルはやっと自分の心の壁を壊し感情を表に出したのでした。

そしてスカイラーを追いかけて旅に出ました。

ショーン・マグワイア

ウィルのセラピーを担当することになったショーン。
彼は妻を病気で亡くし、その傷から立ち直れずにいました。

初めてウィルとあった日。
ウィルはいきなりショーンの心の中を言い当てます。
嵐のど真ん中にいると」。
その言葉を聞いたショーンは少し動揺していました。

妻のことを侮辱されたことに怒りをあらわにしながらも、それは妻を忘れられずに嵐の中でもがき続けている自分への怒りでもありました。

ウィルとの会話はいつも妻との思い出ばかりです。
「人生を降りた」とウィルに言われてしまうほどでした。

そんなショーンもウィルと真剣に向き合うことで、自分の心に眠っていた怒りを出します。
それがショーンの心を溶かすきっかけとなったのです。

妻との思い出は心にしまいながら、彼は次の人生を見つけるために旅に出たのです。

ジェラルド・ランボー教授

ウィルの知能をいち早く見つけたランボー教授。
彼と数学の公式を解くことを誰よりも楽しみにしていました。

ランボー教授はウィルのために就職先も探すなどしますが、それと同時にウィルの才能に脅威を感じていました。

大学の同級生であるショーンに対して「自分は成功した。君は敗残者だ。」と言いながらも1番自分が敗残者になることを恐れていたのはランボー教授でした。

自分が解けない数学の問題をいとも簡単に解いてしまうウィル。
その才能を尊敬しながらも自分を超えていくウィルが脅威だったのです。

ランボー教授は大学に来なかったウィルを探してショーンと言い合いになります。
「敗残者になるのが怖いんだろう」とショーンに言われてしまいます。

彼もまたショーンと真剣に向き合ったことで、自分が抱えている恐怖と向き合うことができたのです。

まとめ

ウィルとショーンが打ち解けていく様子を描いた『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』。

しかしそれは2人だけでなくウィルの周りの人みんなの恐怖からの逸脱を描いた物語でもありました。

スカイラーやチャッキーにとっても新たな旅立ちでもありました。

みんな自分の恐怖と向き合いそれを克服することで、次の新しいステップに進んで行ったのでした。