映画『ハスラーズ』リーマン・ショックによって人生が狂った女性達の物語


2008年に起こったリーマン・ショック。全世界を不景気にしてしまった金融危機はウォール街の男性を顧客に持つストリッパーのダンサー達の人生も変えてしまいました。ここでは彼女達の人生を大きく変えたリーマン・ショックについて振り返ってみたいと思います。

https://youtu.be/5jfoRDOrRZ4

『ハスラーズ』作品情報

タイトル ハスラーズ(Hustlers)
監督 ローリーン・スカファリア
公開 2020年2月7日
製作国 アメリカ
時間 1時間50分

Rotten Tomatoes

あらすじ

年老いた祖母を養うためストリップクラブで働き始めたデスティニーは、そこでひときわ輝くストリッパーのラモーナと出会う。

ストリッパーとしての稼ぎ方を学び、ようやく安定した生活が送れるようになってきたデスティニーだったが、2008年に起こったリーマンショックによって経済は冷え込み、不況の波はストリップクラブで働く彼女たちにも押し寄せる。

いくら働いても自分たちの生活は向上しない一方、経済危機を起こした張本人であるウォール街のエリートたちの裕福な暮らしは変わらず、その現実に不満を募らせたラモーナが、デスティニーやクラブの仲間を誘い、ウォール街の裕福なクライアントから大金をだましとる計画を企てる。

(出典:https://eiga.com/movie/91824/)

リーマン・ショック前のウォール街

リーマン・ショックが起きる前アメリカでは建設ラッシュが起きていました。
それにより、土地の価格は高騰し続け住宅バブルが起こります。

また2002年〜2005年にかけてアメリカでは金利の引き下げを行い、誰もがお金を借りやすい状態になっていました。

そこに目をつけたのが金融機関です。
低所得者や社会的信用が低い人にもお金を貸し出すサブプライムローンという住宅ローンを作ったのです。

信用の低い人にお金を貸すわけですから、当然金利は高くなります。
しかし借りて側は住宅の価格は高騰しているので、返済できなくなっても住宅を売ればローンが返済できるので多くの人がサブプライムローンを組んだのでした。

さらに金融機関はサブプライムローンの債権を証券会社に売ります。
証券会社はさらにこの債権を他の投資証券と混ぜて投資家達に売ったのでした。

住宅バブルが起きている間、サブプライムローンによってウォール街では多くの人たちが大金を得ていました。
『ハスラーズ』の中で描かれる2007年は、そんなバブル期のアメリカだったのです。

ダンサー達に大金をつぎ込んでも彼らにとってはなんともないほど、ウォール街の人達はお金持ちだったのです。

リーマン・ショック

しかし次第に雲行きが怪しくなっていきます。
住宅バブルが崩壊し始め、住宅の値段は下がりはじめました。
サブプライムローンを組んだ人たちは、返済のために住宅を売り始めますが住宅の価格は下がりローンを返済できない人が増えていきます。

サブプライムローンの証券を買った投資家達も異変に気がつき、証券を売り始めます。
これにより株価は暴落してしまったのでした

さらにサブプライムローンを債権として買っていた証券会社でも大きな損失が生まれました。
これにより2008年9月15日、投資銀行のリーマン・ブラザーズは経営破綻したのです。
これをきっかけに他の銀行などでも吸収・合併がおきます。

そして『ハスラーズ』の中でもニュース映像が流れていましたが、2008年9月29日過去最大の金融危機に陥ります。
その日、緊急経済安定化法案を下院が否決したことで、NYダウが史上最大の777ドルも暴落してしまったのです。

これにより全世界の経済が混乱してしまいました。
それは『ハスラーズ』の中のストリップダンサー達にもやってきます。
今まで満席だったお店はガラガラとなってしまい、お店に来るお客さんのお金の使い方も以前とは全く違うようになってしまったのです。

それは当然ダンサー達の生活にも影響することになりました。
お店をやめて働き出したダンサーもたくさんいましたが、以前と同じような生活を送れなくなってしまいました。

実際に起きた事件

スラーズ』は事実を元にして作られた作品で、実際のモデルとなる人物がいます。
ジェニファー・ロペスが演じたラモーナのモデルはサマンサ・バーバッシュという女性で、コンスタンス・ウーが演じたデスティニーのモデルはローズリン・ケオという女性です。

サマンサ・バーバッシュはスコアーズというストリップバーで働いていました。
リーマン・ショックが起きる前は、1日に10万ドルを使うほどの暮らしをしていたようです。
そんな彼女がリーマン・ショック後に仲間のダンサーとともに犯罪を犯してしまったのでした。

この事件をジェシカ・プレスラーはニューヨーク・マガジンに載せます。
それが元になって『ハスラーズ』はできました。

映画の中ではラモーナは「貧しい人からお金を奪ったウォール街の人たちは誰も罰せられていない。」と言います。
自分たちの生活を一変させた彼らに復讐をするために、彼らを騙しクレジットカードを使わせたのでした。

リーマン・ショックによって多くの人が影響を受けました。
なかなか陽の当たらないダンサー達もそれは同じでした。

生活をするために彼女達がとった行動。
それは許されることではありませんが、『ハスラーズ』を観るとこんなところにもウォール街の人達は多くの市民のお金を奪い生活を変えてしまったということが分かります。

まとめ

『ハスラーズ』ではリーマン・ショック前のバブル時代と、その後の不景気時代を見ることができます。
その影響は貧しい人たちほど大きなものでした。

ウォール街の人達が巻き起こした出来事が、どれだけの人に影響を与えることになったのか。
リーマン・ショックによって人生が狂ってしまった人達を知ることができるのが『ハスラーズ』でした。