映画『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』で学ぶ実際にあった投資詐欺と金融危機後のアメリカ


刑事映画『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』。スーパー警察官ではない2人組の警察官が投資詐欺に気がつき奮闘するコメディ作品ですが、この作品はアメリカで実際にあった詐欺事件を元にしています。さらにラストではリーマン・ショック後の金融関係者達の現状を知ることができるようになっていました。

『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』作品情報


アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事! [Blu-ray]

タイトル アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!(The Other Guys)
監督 アダム・マッケイ
公開 2011年8月20日
製作国 アメリカ
時間 1時間47分

Rotten Tomatoes

あらすじ

ニューヨーク市警のハイスミスとダンソンはド派手な逮捕劇で人々の注目を集めるヒーロー刑事。

一方、そんな彼らの活躍に焦りを隠せないのが熱血刑事のテリー。

しかし、危険な現場に出たがらず書類仕事ばかりしている相棒アレンのせいで、いつまでたってもその他大勢(アザー・ガイズ)のまま。

ところがある日、ハイスミスとダンソンがあっけなく殉職してしまう。

そんな中、ついに重い腰を上げたアレンが取りかかったのはビル建設の申請に関わる不正事件。

銃撃戦など期待できない地味な事件にまるでテンションの上がらないテリーだったが…。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/340118

投資詐欺

『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』で投資詐欺を行なっていたアーション。
彼のモデルとなったのが、人類史上最大の投資詐欺を行なったとされているバーナード・マドフです。

30年間にもわたり詐欺を行っていた彼によって騙された人の被害額は650億ドルと言われています。
彼はネズミ講による投資詐欺で、世界の富豪を騙しました。

ナスダックの会長でもあったマドフは投資家達から絶大なる信頼を寄せられていました。
バーナード・マドフ証券投資会社を立ち上げた彼の元には、彼を信頼する投資家達がたくさん投資していました。

集まったお金をマドフは運用することなくそのお金を投資家達に配当として換金します。
投資家達はちゃんと配当金を得ることで、彼に騙されているとは思ってもいません。
さらなる信用が生まれ新たな投資家がどんどん増えていき、彼の元にはお金が集まっていきました。

そのお金を使い贅沢な生活を送っていたマドフでしたが、2008年のリーマン・ショックにより詐欺がバレてしまいました。
金融危機により投資家達は、バーナード・マドフ証券投資会社から資金を返してもらおうとします。

多くの投資家が多額の金額の返済を求めたので、マドフはお金を返すことができなかったのです。
そして彼は30年にも渡って行っていた詐欺が明るみにでました。

2018年12月11日彼は逮捕されました。
そして150年の禁固刑がくだされまし。
マドフが出所できるのは2159年です。

不良資産救済プログラム

マドフの事件が明るみになる原因となったの2008年に起きたリーマン・ショックです。
全世界を巻き込む金融危機となりました。

サブプライムローンによって起きたこの金融危機を切り抜けるために、アメリカ政府は不良資産救済プログラムを作り金融の安定化を図りました。
この際政府は7000億ドルを救済のために支出しました。

サブプライムローンが返済できすに家を奪われ不景気により仕事を失ったのは一般市民達でしたが、政府が救済したのはウォール街で働く金融関係の人たちでした。

サブプライムローンの債権を証券会社が投資商品として売り出す時に、保険会社AIGはこの商品の元本を保証しました。
これにより信用度が上がったため投資家達はサブプライムローンの証券を購入しました。

しかし結局住宅の価値が下がりサブプライムローン証券が売りに出され、市場は暴落してしまったのです。
元本保証をしていたAIGは保証できなくなり破綻してしまいます。

AIGは政府の不良資産救済プログラムによって1830億ドルの援助を受けます。
その結果AIGでは幹部73人はボーナスが総額12億ドルを手にすることになりました。

市民はローンが返済できずに家を追われ貧困生活を送っているにもかかわらず、金融危機の原因を作った人たちは優雅な生活を送っていたのでした

また投資銀行であるゴールドマン・サックスも政府から救済を受けました。
その結果CEOと平社員の年俸の比率は319:1になりました。

救済を受けた人たちは裕福な生活を送っているということを、『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』のラストでは分かりやすく説明してくれています。

国民の税金を使って助けたのは、貧困にあえぐ市民達ではなく金融危機を起こした張本人達だったのです。

2009年の年金の運用額は2005年に比べて47%も下がったことがエンドクレジットで分かります。
金融危機により、一般市民の生活は苦しくなったのに金融関係者は豪華な暮らしを送っていたのです。

まとめ

おバカなギャグが満載の『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事!』ですが、この映画で描かれていたのは2008年に金融危機を起こした人たちのことでした。

マドフの投資詐欺事件のことを詳しく知ることができ、またリーマンショック後に金融危機を起こした人たがどうなったかが分かります。

そして世界を不景気にした人達が、その後も裕福な暮らしを送っていて一般市民は老後の年金を半分近く失ったということがこの映画で暴かれていたのです。