映画『ゾンビ』ゾンビの父が作った世界中を夢中にさせた物語


ゾンビの父と呼ばれるジョージ・A・ロメロ監督の『ゾンビ』。1978年に公開されると世界中で話題となりました。過激な内容から編集されたりカットされたりした作品でもありますが、この映画を見てゾンビに夢中になった人が世界中で生まれました。そんなゾンビの原点とも言える作品なのです。

『ゾンビ』作品情報


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タイトル ゾンビ(Dawn of the Dead)
監督 ジョージ・A・ロメロ
公開 1979年3月10日
製作国 イタリア/アメリカ
時間 2時間19分

Rotten Tomatoes

あらすじ

ゾンビが増え続ける中、都市からの脱出を試みるSWAT隊員たちとその仲間。

ようやくたどり着いた郊外の巨大なショッピングセンターで得た束の間の平和も、乱入して来た暴走族によって終りを告げる……。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/13346)

ゾンビの父

ゾンビの父と呼ばれているのが、『ゾンビ』の監督のジョージ・A・ロメロです。
彼はこの作品の前にもゾンビ作品を手がけますが、この『ゾンビ』で世界中に名前が知れ渡ることになりました。

彼が作ったゾンビ以前にもソンビ作品はありましたが、ゾンビというものが確立されたのは『ゾンビ』からと言われています。

・ゾンビは動きが遅い
・ゾンビは脳を攻撃すると死ぬ

という基本的なルールをロメロ監督が作ったのです。
最近では、この基本ルールが通用しない作品も見られますが、多くの作品のゾンビがこのルールにのっとって作られているのです。

『ゾンビ』は低予算で作られましたが、世界中で大ヒットしました。
その衝撃的で過激な内容に多くの人が驚かされました。
残虐さはゾンビの恐怖よりもゾンビを倒す人間側の恐怖を描いたものでもありました。

この作品は大人はもちろんですが、当時の子供達も刺激することになります。
ホラー映画が好きだった映画オタク少年たちの多くが『ゾンビ』に夢中になりました。
その様子はこの後に作られた多くの映画の中に登場することになります。

世界中で話題となった『ゾンビ』はやがてゾンビ映画の金字塔となっていきます。
ゾンビ映画というとB級映画のイメージを持たれがちですが、ロメロ監督の『ゾンビ』は社会派のゾンビ作品として扱われているのです。

単なるホラー映画ではなく、作品の中にたくさんのメッセージか込められて作品になっていたのです。

本当に怖いものは!

『ゾンビ』では人間がゾンビに変わってしまい、次々と生きている人間を襲う世界です。
そんな世界になって3週間が過ぎ、町中の人がパニックになりつつありました。

危険を感じた主人公たちは街から逃げ出し、ショッピングモールに逃げ込むことになったのです。

そこで安全な暮らしを送ろうとしますが、彼らの前に次々と問題が発生するのでした。
だんだんと問題を解決しようとする時に人間の本性が見えてきます。
そして私たちはゾンビよりも本当に怖いのは人間だと気づかされるのです。

生き残るために襲ってくるゾンビを倒すのですが、1人はゾンビを倒すことに快感を覚え始めてしまいます。
狂ったように次々とゾンビを倒し次第に優越感を感じ始めました。
そんな時に生まれた一瞬の油断。
それが彼の命を奪ってしまうことになりました。

ゾンビを倒すうちに変化していく様子をもていると、ゾンビよりも恐怖を感じてしまいます。
そしてその残酷さにどこか嫌悪感すら覚えるようになってしまいました。

また広いショッピングモールの中での4人の暮らしにも変化が起き始めます。
もう物など必要ない世界なのに、物欲にまみれてしまう人間の欲望がむき出しになっています。
絶望的な世界になりつつあっても最後までお金や物にとらわれてしまう、悲しい人間の姿が描かれていました。

さらにその欲望が対ゾンビから対人間へと気持ちを変化させてしまいます。
ショッピングモールを襲った強盗団に対して、「ショッピングモールの物は自分たちのものだ」という欲望が怒りに変わってしまい人間対人間の戦いが起こってしまいます。

そしてまたその欲望が命を落とすことに繋がってしまうのです。

襲ってくるゾンビの姿やゾンビに襲われた様子などの過激さに目を奪われがちですが、『ゾンビ』の中で1番怖く1番欲望にまみれていたのは人間だったのです。

まとめ

映画史に残るゾンビ作品で金字塔でもある『ゾンビ』。
ゾンビの父が作った作品は、強烈な印象を残す映画となっていました。

過激な描写や残虐的なシーンが心に残りますが、それよりも強く心に残るのは映画の中で描かれる人間の強暴性でした。

その様子はSWAT隊員が建物の中で銃を撃ちまくる映画の最初から、物語の最後までずっと描き続けられます。

この映画を観終わった時には、「本当に恐ろしいもの」を知ることになるはずです。