映画『ニクソン』で学ぶリチャード・ニクソンの政治家としての人生


第37代アメリカ大統領のリチャード・ニクソン。彼の政治家としての人生は常に標的とされる人生でした。映画『ニクソン』ではそんな彼の政治家としての人生が描かれています。この映画を通してリチャード・ニクソンが行った出来事を学んでいきたいと思います。

『ニクソン』作品情報


ニクソン [DVD]

タイトル ニクソン(Nixon)
監督 オリバー・ストーン
公開 1996年2月24日
製作国 アメリカ
時間 3時間12分

Rotten Tomatoes

あらすじ

アメリカ合衆国第37代大統領リチャード・M・ニクソンの激動と波乱に満ちた半生を、1972年に起きたウォーターゲート事件を発端に、様々な証言、記録をもとに描く。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/28624)

リチャード・ニクソン

第37代アメリカ大統領のリチャード・ニクソン。
映画『ニクソン』ではウォーターゲート事件が起きたところから物語は始まり、ニクソンが盗聴していたテープを聞きながら自分の人生を振り返っていきます。

ダークなイメージの強いニクソン。
彼はどんな人生を歩いてきたのでしょうか?
映画『ニクソン』は事実を元にしながら脚色によりニクソンにまつわる噂なども加えれていますが、ここでは『ニクソン』にそいながら彼の人生を見ていきたいと思います。

副大統領リチャード・ニクソン

1913年カリフォルニア州オレンジ・カウンティで生まれたニクソン。
厳格な父親と敬虔なクエーカー教徒の母親の元に生まれます。

その後1925年にウィッティアに引っ越しました。
『ニクソン』で描かれる幼少期はこのウィッティアの出来事です。
ウィッティア大学ではアメフトを行なっていたニクソンは、卒業後ロー・スクールに通い弁護士となりました。

そんなニクソンが政治家として頭角を表したのは、冷戦時代の赤狩りによってです。
ハリウッドなどを中心の共産主義者を徹底的に追求していきます。
ルーズベルト大統領の側近だったアルジャー・ヒスがソ連のスパイだということをニクソンは追求し続けます。
ヒス自身も事実無根だと主張し多くの人がヒスの無実を信じていましたが、ニクソンはヒスの嘘を暴き彼は共産党のスパイだったことを暴きました。

この事件によりニクソンはアメリカ中に名前が知れ渡る人物となりますが、同時に多くの国民に嫌われることにもなってしまったのでした。
しかし共和党内では彼を支持する人は多く、1952年にアイゼンハワーの大統領選で副大統領に任命されました。

この時に起こったのが収賄事件でした。
『ニクソン』の中でも少しだけ描かれていますが、貧しく資金に困っていたニクソンが資金援助を受けていたことが明るみに出ます。
これを弁明するためにニクソンは、テレビを通じて国民にスピーチを行いました。
チェカーズ・スピーチ」と呼ばれるこのスピーチでニクソンは自分の潔白を伝えました。
このスピーチにより国民の同情を集めたニクソンは、副大統領候補を続けそして1953年にアイゼンハワー政権の副大統領になったのでした。

初めての大統領選挙

1960年アイゼンハワー大統領後の共和党の大統領候補となったニクソン。
大統領選挙を戦うことになりますが、相手の共和党の候補はジョン・F・ケネディでした。

ニクソン対ケネディは接戦でしたが、序盤の世論調査ではニクソンが有利でもまりました。
しかし形勢が逆転したのは『ニクソン』の中で描かれているケネディとのテレビ討論からです。
このテレビ討論でニクソンは病み上がりだったこともあり、テレビでは不健康そうに映ってしまいました。
さらにケネディのキューバに対する侵攻政策を攻めきれず、ニクソンは敗退してしまいました。

大統領選で破れたニクソンはその後のカリフォルニア知事選でも破れてしまい、政界から退いたのでした。

大統領リチャード・ニクソン

一時は政界から退いたニクソンでしたが、当時のアメリカ国内はベトナム戦争によりジョンソン大統領率いる民主党に不信感を抱いていました。

共和党は確実な勝利を手にするためにニクソンを大統領候補に任命します。
ニクソンは「ベトナム戦争からの撤退」を訴え見事選挙に勝利します。
そして1969年リチャード・ニクソンは第37代アメリカ大統領に就任しました。
この時から彼の盗聴もスタートしたことになります。

ニクソンはベトナムからのアメリカ兵の撤退を開始しますが、それと同時にカンボジアなどへの侵攻も行います。
これにより国内での反戦運動は強くなっていくのでした。

さらにベトナム戦争に関する「ペンタゴン・ペーパーズ」と呼ばれる機密文書がタイムズ紙によって明るみに出ます。
これは「ベトナム戦争は負けると分かっていた」という機密事項でしたが、これが明るみに出ることでニクソン政権は窮地に立たされてしまったのです。

この時ニクソンは「鉛管工」というチームを作りました。
「漏れを塞ぐ」というこのチームはペンタゴン・ペーパーズを漏えいさせたエルズバーグを精神疾患として陥れました。
この時に病院に忍び込みエルズバーグに関するカルテを盗み出したのでした。

そしてこのチームはのちに次ニクソンを窮地に陥れてしまう事件を起こすことになるのです。

ウォーターゲート事件

外交政策では中国で毛沢東と握手をかわし、ソ連のブレジネフとも会談を行ったニクソン。
しかし選前に起きたウォーターゲート事件が彼の首を絞めることになったのでした。

5人の男が民主党の本部に侵入し盗聴器を仕掛けようとしていたウォーターゲート事件。
やがてこの事件がニクソン政権とつながっていたことが暴かれてしまったのです。

ニクソンは関係を否定し続けますが、資金の流れなどを新聞社は追いかけていました。
結局ニクソンの周囲の人物が次々と召喚され、事実が明るみになっていきます。
そしてついにはニクソンが事実を知っていながら、隠蔽しようとしていたことが証言されてしまいます。

またその最中にニクソンはホワイトハウス内の会話をテープに録音していたことも明るみに出てしまいます。
さらに所得税の未払いなども追及されたニクソン。
検察官をクビにするなど醜態をあらわにしてしまいました。

これにより逃げ場のなくなってしまったニクソンは、召喚される前に自ら大統領職を辞任したのでした。

彼が辞任してまでも守りたかったもの。
それは録音していたテープだとも言われています。
議会に提出されたテープもありましたが、このテープの中には消されたいる部分もありました。

映画『ニクソン』の中ではこの消された部分にニクソンの噂としてつきまとっている、ケネディ大統領暗殺事件への関与を匂わせていました。

学びポイント

リチャード・ニクソンという人物の政治家としての人生を知ることができる映画『ニクソン』。

政治家として常にマスコミに批判され続けたニクソン、それでも大統領となり彼なりに全うした政治家人生がありました。

いろんな意味で政治家として名を残したリチャード・ニクソンについて、政治家ニクソンが何を行ったのか、またその時の周囲の状況などを深く知ることができるのが『ニクソン』でした。