世界恐慌が起こった1930年代。この大恐慌によってアメリカは銀行が倒産するなどし、多くの国民が貧しくなりました。そんな時代に次々と銀行を襲ったギャング達。犯罪者でありながらみんなに愛されたギャング。彼らとその時代を知ることにできる映画をここでは紹介しています。
バロウ・ギャング
ボニー&クライドで有名なバロウ・ギャング。
テキサスで育ったボニーとクライド。
刑務所から出所したクライドと出会ったボニーは、恋に落ち彼とともに銀行強盗を行うようになってしまいました。
そんなバロウ・ギャングの逃亡生活を描いたのが『俺たちに明日はない』です。
ボニーとクライドの恋愛をメインに描きながら、兄夫婦とともに逃げ続けるバロウ・ギャングの様子を描いています。
そのバロウ・ギャングを追いかけたのがテキサス・レンジャーです。
ボニーとクライドはルイジアナ州でテキサスレンジャーとルイジアナ州警察の警察官によって銃殺されてしまいました。
ボニーとクライドを追いかけるテキサスレンジャーを描いた映画が『ザ・テキサス・レンジャーズ』です。
元テキサスレンジャーの男二人が、アメリカで次々と巨悪犯罪を起こしているボニー&クライドを追いかける物語です。
この2つの物語はボニー&クライド側の視点とテキサス・レンジャー側の視点で同じことを描いているため裏と表のような関係の作品でもあります。
逃げるバロウ・ギャングと追いかけるテキサス・レンジャーを描きながら、当時の大恐慌により荒廃してしまったアメリカの街並みを見ることができます。
そしてまたボニー&クライドが国民に愛されていた様子も2つの映画から感じ取ることができます。
デリンジャー一味
ボニー&クライドが銀行強盗を行なっていた頃、同じように銀行を襲っていたのがジョン・デリンジャー率いるデリンジャー一味です。
彼らも銀行を襲っていましたが、国民からヒーロー的な扱いを受けていたギャングです。
そんなジョン・デリンジャーを描いたのが『デリンジャー』という映画です。
FBIに追われながらもデリンジャーが仲間とともに銀行を襲い逃げていく様子が描かれています。
同じジョン・デリンジャーを描いた作品に『パブリック・エネミーズ』という作品もあります。
FBIのフーバー長官に「社会の敵 No.1」と言われたデリンジャー。
こちらも彼の逃亡生活が描かれていますが、恋人であったビリー・フレシェットとの恋愛を中心に描いた作品になっています。
バロウ・ギャングもデリンジャー一味も犯罪者でありながら、市民に応援されていたのは、彼らは国民の心を代弁していたからかもしれません。
銀行に家を奪われ住むところもなくなってしまった市民達。
そんな彼らの怒りを、ボニー&クライドやデリンジャーは銀行や警察を襲うことで沈めていました。
だから彼らを応援し助けた人もたくさんいたのでした。
おまけ
『J・エドガー』
大恐慌時代のギャングを追いかけたFBI。
まだFBIとなる前の司法省の捜査局としてフーバー局長が、FBIを作るために議会に働きかけていた時代でもありました。
州をまたいで逃げる彼らに対して州をまたいで捜査できる連邦法を作ろうとしていました。
この当時のフーバー長官の様子が『J・エドガー』で描かれています。
フーバー長官の人生を描いた映画ですが、彼がFBIを作ることになったきっかけの事件として当時のギャングが登場します。
デリンジャーの名前も映画の中に出てきています。
タバコ・ロード
ギャング映画ではないのですが、1930年代の荒廃した街を描いたのが『タバコ・ロード』です。
南部のジョージアの貧しい農民の暮らしを描いた『タバコ・ロード』。
貧しさを喜劇で描いた作品ですが、この映画を見ていると当時の市民がデリンジャーやボニー&クライドを応援したくなる気持ちも理解できる気がします。
1930年代の市民がどんな暮らしを送っていたのかをこの映画を通して知ることができます。
上記の作品と一緒に見ると当時の状況をより理解できると思います。
まとめ
大恐慌時代に実在したギャングたちを描いた映画を4本+2本ご紹介しました。
この映画の共通点は当時のギャングが、国民達にとっては英雄だったということです。
貧しい市民からではなく市民の憎い銀行からお金を盗んだ彼らは、国民の心を掴み実際に彼らを匿った人もたくさんいました。
そんな当時の状況が分かるのがここで紹介した4本です。
さらにおまけの『J・エドガー』を見ると、FBIの誕生や科学捜査が導入された背景と大恐慌時代のギャングの関係を知ることができます。