映画『リプハーゲン: オランダ史上最悪の戦犯』で見るオランダの第二次世界大戦中と戦後


第二次世界大戦中ドイツに占領されたオランダ。ユダヤ人を捕まえる親衛隊保安部だったリプハーゲンはユダヤ人に近づき彼らから財産を奪いそして裏切っていました。リプハーゲンを通して戦争中のオランダと戦後の状況をみてみたいと思います。

『リプハーゲン: オランダ史上最悪の戦犯』作品情報

タイトル リプハーゲン: オランダ史上最悪の戦犯(Riphagen)
監督 ピーテル・キュエイペルス
公開 2016年9月22日
製作国 オランダ
時間 2時間11分

Rotten Tomatoes

あらすじ

第二次世界大戦中、隠れてユダヤ人を恐喝し、数百人もの殺害に協力したアンドリス・リプハーゲン。

オランダ史上に汚名を残した男の戦争犯罪を描く。

(出典:」https://www.netflix.com/watch/80106138?trackId=13752289&tctx=0%2C0%2C9aa74d0f-97d3-4d48-a7e7-f1746d39f2b1-299576006%2C%2C)

アンドリス・リプハーゲン

通称SDと呼ばれる親衛隊保安部に所属したアンドリス・リプハーゲン

第二次世界大戦でオランダがドイツに占領されると、SDはユダヤ人を見つけ出し収容所に送っていました。

その中でリプハーゲンがことば巧みにユダヤ人に近づき、彼らを助ける振りをして彼らから財産を奪っていました。

そして時期を見て、彼らの元にオランダ警察を送り収容所送りにしていたのです。

このリプハーゲンは2007年にポール・バーホーベン監督が作った『ブラックブック』に登場するエリスの元になった人物だと言われています。


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戦後は戦犯となりますが、そこでも言葉巧みに人を操り自分が無罪であるかのように見せていました。

最終的にはオランダを脱出し、アルゼンチンに亡命しそこで最期を迎えたようです。

戦時中のオランダ

オランダはドイツ軍によって1940年5月10日に侵攻を受けます。
オランダ軍も必死で戦いますが、たった5日間でドイツに占領されていまし、降伏してしまいます。

オランダ政府と女王一家はイギリスに亡命し、イギリスに亡命政府を作りました。

オランダを占領したドイツ軍は、オランダに14万人いたと言われるユダヤ人の弾圧を始めます。
さらにドイツ軍に抵抗するレジスタンスに対しても強い弾圧を始めました。

またノルマンディーの戦い後、ドイツが劣勢になってくるとオランダ人を強制的にドイツに派遣し労働を行わせるようになりました。

1944年9月は連合軍がドイツ国内に進撃するためにオランダの橋を奪還しようと試みます。
連合軍は橋の占領に成功していましたが、最終目標の最後の橋を奪還できずに作戦は失敗に終わってしまいました。

これが映画の中で描かれている、1944年9月ごろの出来事になります。
オランダの解放に向かっているというニュースも流れオランダからドイツ軍やSDなどは逃げ始めますが、連合軍の作戦が失敗すると10月にはまたドイツ軍がオランダに戻ってきたのでした。

最終的にオランダが解放されたのはドイツが降伏した後の1945年5月5日です。
この日までオランダにはドイツ軍がいたのです。

共産主義

戦後、SDは戦犯として捕まります。
リプハーゲンはことば巧みに、戦犯とならないように人を操っていました。

そんな中、戦後ソ連の影響で共産主義の勢いが拡大しつつありました
その流れはオランダにもやってきます。

それが映画の中のヴィム・サンダースです。
彼はSDの資料を諜報員に渡さず、自らがオランダのトップになろうと考えていたのでした。

戦後ドイツから解放される時に、ソ連の力が大きく関わった東ヨーロッパは共産党政権が誕生していきます。
オランダはカナダ軍により解放されたことで、ソ連の力はそれほど大きくありませんでしたが、共産主義は各国にいてサンダースもその一人でした。

しかし彼はリプハーゲンによって操られていたため、力を失ってしまいその後政権に関わることはなかったのです。

学びのポイント

第二次世界大戦中のオランダ。

ユダヤ人迫害を迫害するSDとユダヤ人を助けようとするレジスタンス。
その戦いの中でユダヤ人を騙し、富を得ていたのがリプハーゲンです。

また戦後も戦犯にならないように行動し、最終的にはアルゼンチンに亡命してしまいました。

戦時中・戦後の彼の行動を見ながら、当時の混乱するオランダの状況を知ることができます。

特にドイツ軍が劣勢になってからの混沌とした様子や戦後の状況は、『リプハーゲン: オランダ史上最悪の戦犯』を見ると理解できるようになります。