吃音症で悩んでいたジョージ6世が、言語聴覚士のライオネルと出会い素晴らしいスピーチを行うまでの友情が描かれた『英国王のスピーチ』。アカデミー賞で4部門受賞した名作で描かれるジョージ6世についてここでは勉強してみたいと思います。
ジョージ6世
[voice icon=”https://movielife45.com/wp-content/uploads/2019/10/o0276042011380678431-e1571069366787.jpg” name=”YOKO” type=”l”]まず『英国王のスピーチ』の主人公となったジョージ6世について調べてみましょう[/voice]
ジョージ6世は王となってからの名前です。
彼の名前はアルバート・フレデリック・アーサー・ジョージ
アルバートから「バーティ」という通称で家族から呼ばれています。
『英国王のスピーチ』の中でもジョージ6世は、ライオネルから「バーティ」と呼ばれ最初はとても嫌がっていました。
[voice icon=”https://movielife45.com/wp-content/uploads/2019/10/o0276042011380678431-e1571069366787.jpg” name=”YOKO” type=”l”]物語の最初はまだ王になっていないのでヨーク公という称号で呼ばれています。[/voice]
ヨーク公とは王家の称号の1つで、「王太子が存命中に限り、国王または女王の存命する2番目の男子に与えられている」となっています。
ちょっと分かりにくいので、現在のイギリス王室で考えてみます。
現イギリス王室ではチャールズ皇太子の弟のアンドルー王子がヨーク公になります。
父ジョージ5世の次男に当たるバーティ。
兄はエドワードで、王位を継承するのは兄で、1936年にジョージ5世が亡くなるとエドワーどは王になりエドワード8世となりました。
しかしエドワードにはいくつか問題がありました。
中でも1番大きな問題はエドワードの恋人のシンプソン夫人です。
離婚歴のある女性で、エドワードと出会った時は既婚女性でした。
シンプソン夫人は離婚しエドワード8世は結婚を考えますが、英国国教会の首長たる国王は離婚女性とは結婚できない決まりがありました。
それでもシンプソン夫人と結婚したいエドワード8世は王位を退位し、弟のバーティに譲ります。
これによってバーティはジョージ6世として王位を継承したのでした。
ジョージ6世には娘が二人います。
エリザベス2世とマーガレットです。
エリザベス2世とは現在のイギリスの女王であるエリザベス女王です。
戦争突入
[voice icon=”https://movielife45.com/wp-content/uploads/2019/10/o0276042011380678431-e1571069366787.jpg” name=”YOKO” type=”l”]ジョージ6世が王になったのは1936年ですが、それから3年後の1939年9月3日、イギリスはドイツとの戦争に突入します。[/voice]
この時に行ったスピーチが『英国王のスピーチ』のラストでジョージ6世がライオネルとともに行った素晴らしいスピーチです。
ドイツとの戦争になる前のイギリスの首相スタンリー・ボールドウィン。
彼はドイツのヒトラー政権をある程度尊重していました。
『英国王のスピーチ』の中では、「ヒトラーの狙いを見抜けなかった」と言って責任をとって辞任しました。
この時彼は「チャーチルが正しかった」と言っていますが、チャーチルはヒトラーのことを見抜きドイツと戦争になると考えていました。
イギリスがドイツと戦争を開始した1939年チャーチルは海軍大臣に就任しました。
映画の中では描かれていませんが、1940年にはチャーチルは首相になり内閣を発足させることになります。
このチャーチルによってイギリスは戦争に勝利することになりますし、ヒトラーのドイツ軍を壊滅させることができたのです。
ジョージ6世の兄エドワード8世はヒトラーに対して好意があるよう態度を示したとも言われています。
そう考えるとジョージ6世が王になったことで、イギリスを救ったことになります。
吃音症によって国民からも身内からも見放されていた王が、ライオネルのおかげで多くのイギリス国民を勇気付けまた戦地にる兵士達の背中を押す素晴らしいスピーチを行うことができたのでした。
『英国王のスピーチ』作品情報
英国王のスピーチ スタンダード・エディション [Blu-ray]
タイトル | 英国王のスピーチ (The King’s Speech) |
監督 | トム・フーパー |
公開 | 2011年2月26日 |
製作国 | イギリス/オーストラリア/アメリカ |
時間 | 1時間58分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
[aside type=”normal”]英国王ジョージ5世の次男ジョージ6世は、幼い頃から吃音というコンプレックスを抱え、人前に出ることを極端に恐れる内向的な性格となり、成人してからも自分を否定し続ける人生を送っていた。
吃音を克服すべく、何人もの言語聴覚士の治療を受けるものの一向に改善の兆しは見られない。
そんな夫を心配する妻エリザベスが最後に頼ったのはスピーチ矯正の専門家というオーストラリア人のライオネル。
彼は王子に対しても遠慮のない物言いで次々と風変わりな治療法を実践していく。
そんな中、国王に即位した兄エドワード8世が、王室が認めない女性との愛を貫き、突如王位を返上してしまう。
王位の継承など考えてもいなかったジョージは、最も恐れていた事態に直面し、恐怖のあまり泣き崩れてしまうが…。
(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=338127)
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[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”]作品賞
主演男優賞:コリン・ファース
監督賞
脚本賞[/box]
ジョージ6世とライオネルの友情が描かれている感動の映画です。
エリザベス女王のお父さんの物語として見ることもできます。
学びポイント
『英国王のスピーチ』を通してジョージ6世が王になった経緯と、第二次世界大戦に突入するイギリスの状況を学ぶことができました。
父と兄の脅威に怯えながら吃音症になってしまったバーティ。
王になるはずではなかった彼がなぜジョージ6世になったのか。
そしてそれと同時にイギリスが第二次世界大戦に突入するまでの背景を勉強できました。