映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』で学ぶチャーチルと第二次世界大戦

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』ではチャーチルが首相に任命される前日から20日間の出来事が描かれています。しかしその20日間はチャーチルにとっては苦しい20日間でもありました。今回は1940年の5月のイギリスの議会の様子とダンケルクからイギリス軍を救出するまでを調べてみます。

目次

ウィンストン・チャーチル

[voice icon=”https://movielife45.com/wp-content/uploads/2019/10/o0276042011380678431-e1571069366787.jpg” name=”YOKO” type=”l”]1940年5月10日ウィンストン・チャーチルは、ジョージ6世によりイギリスの首相に任命されました。[/voice]

ドイツ軍が東ヨーロッパや北ヨーロッパ諸国を占領し、さらにはベルギーにも侵略を考えていた1940年5月イギリスの内閣は、首相であるネヴィル・チェンバレンは支持を失いつつありました。

後任は同じ保守党のハリファクス卿と考えられていましたが、本人が辞退したため海軍大臣であるウィンストン・チャーチルが首相に任命されます。

数々の失策を犯し、彼の性格からみんなに恐れられていたチャーチル。
ジョージ6世ですら彼が首相になることを喜んではいませんでした。

しかし野党の協力を得るためにはどうしてもチャーチルを首相にするしかありませんでした。

チェンバレン辞任の翌日チャーチルは首相に任命され、戦時内閣を組閣します。
チャーチルはドイツに対して戦う政策でしたが、ハリファクス卿やチェンバレンはあくまでドイツと和平交渉を行うことを考えていました。
チャーチルが和平交渉を考えなければ、チャーチルを首相から降ろそうと考えます。

5月13日ベルギーとオランダが陥落寸前で、西ヨーロッパが崩壊に向かいつつあります。
フランス軍の20万人が降伏し、約30万人のイギリスの部隊も撤退を開始します。

徐々に迫ってくるドイツの足音。
それでもフランス軍の抗戦を支持するチャーチルは、ドイツという敵の前にドイツと和平交渉を望む目の前の敵と戦わなければいけなかったのです

ダイナモ作戦

[voice icon=”https://movielife45.com/wp-content/uploads/2019/10/o0276042011380678431-e1571069366787.jpg” name=”YOKO” type=”l”]1940年5月25日、イギリス軍はダンケルク海岸まで後退し孤立状態になってしまいます。[/voice]
陸軍の全兵士がドイツ軍に包囲されてしまい救出する方法がありません。

厳しい状況の中ダンケルクから西に20km離れたカレーに4000人の守備隊が残っていることを知ったチャーチルは、その守備隊にドイツ軍を引き付けるように支持を出します。

ドイツ軍がカレーの部隊に注意をそらしている間に、海路でダンケルクの兵士を救おうと考えたのです。

しかし巡洋艦1隻、駆逐艦6隻送っても敵の空爆によりわずか1割しか救出できないと考えられていました。

そこでチャーチルが考えたのは、民間の小型船を集め救出に向かう作戦でした。
ラムゼイ提督に船を集めるように支持したチャーチル。
この作戦をダイナモ作戦と名付けます。

[voice icon=”https://movielife45.com/wp-content/uploads/2019/10/o0276042011380678431-e1571069366787.jpg” name=”YOKO” type=”l”]1940年5月28日、ダイナモ作戦は開始され860隻の船がイギリス軍の救出にダンケルクに向かったのです。[/voice]

この作戦は成功しダンケルクの30万人の兵士のほとんどが、故郷に戻ってくることができました。

しかし、ドイツ軍を引きつけたカレーの部隊は救出できず、5月25日には陥落してしまいました。

戦争か和平交渉か

ダンケルクの兵士達を救出する作戦を考えている時、チャーチルがもう1つ問題を抱えていました。

[voice icon=”https://movielife45.com/wp-content/uploads/2019/10/o0276042011380678431-e1571069366787.jpg” name=”YOKO” type=”l”]ドイツ軍とこのまま戦い続けるのか、それとも和平交渉するのかという問題です。[/voice]

ドイツに屈することを望まないチャーチルは断固として戦おうとしますが、ハリファクス卿は和平交渉を望みます。
チャーチルが和平交渉を考えなければ、辞任するという考えをチャーチルに伝えます。

5月27日、悩むチャーチルの元にベルギーがついに陥落したという情報が入ってきます。
いずれフランスも降伏すると考えたチャーチルは、ついに和平交渉を考えます。

閣僚達が和平交渉の草案を感あげる中、悩み続けるチャーチルでしたがジョージ6世がチャーチルを支持したのです。
さらに国民の意見を聞けとアドバイスされたチャーチル。

彼は和平交渉をやめて最後の最後まで戦うことを選んだのでした。

チャーチル名言の中に「成功も失敗も終わりではない。肝心なのは続ける勇気だ」という言葉があります。

彼はこの言葉通り、戦いを続けたのです。
そして1945年5月8日連合軍はドイツ軍に勝利したのでした。

後日談として、病気だったチェンバレンはチャーチルが国会で演説した半年後に亡くなってしまいます。

一方ハリファクス卿は、外相を降ろされて駐アメリカ大使に左遷されてしまいました。

連合軍の勝利により終わった第二次世界大戦でしたが、チャーチルは1945年後半の総選挙に負けて、退陣しました。

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』作品情報


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タイトル ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男 (Darkest Hour)
監督 ジョー・ライト
公開 2018年3月30日
製作国 イギリス/アメリカ
時間 2時間05分

Rotten Tomatoes

あらすじ

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1940年5月、第二次世界大戦初期。

独裁者ヒトラー率いるナチス・ドイツの前にフランスは陥落寸前で、英国にも侵略の脅威が迫る中、新首相に就任した前海軍大臣のウィンストン・チャーチル。

国民には人気があったものの、度重なる失策で党内はもちろん国王からも信頼を得られず、弱音を吐く彼を妻のクレメンティーンは優しく叱咤する。

就任直後の演説では勝利を目指して徹底抗戦を誓うも、戦況は悪化の一途を辿っていく。

そしてドイツ軍に追い込まれた英国軍が、ついにフランス・ダンケルクの海岸で絶体絶命の状況を迎える。

英国への上陸もいよいよ現実の脅威となる中、犠牲を回避すべくドイツとの和平交渉を主張する外相ハリファックスの必死の説得を受けるチャーチルだったが…。

(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=362605)

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[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”]主演男優賞:ゲイリー・オールドマン
メイクアップ&ヘアスタイリング賞[/box]

学びポイント

『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』では、チャーチルが首相になる前日からの20日間が描かれていて、戦争内閣の中での彼の周囲との対立を知ることができました。

さらにダンケルクの兵士を救出するためのダイナモ作戦を開始するまでの苦悩や、どうやってダイナモ作戦が出来上がったのかを学べました。

それと同時に首相就任当時、彼がどれだけ多くの人に嫌われていたのかを知ることができ、その中でリーダーとしてみんなを率いたチャーチルの手腕を見ることができます。

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