映画『プライベート・ウォー』あらすじと解説 戦争を世界に伝え続けた女性記者


戦場ジャーナリストのメリー・コルヴィン。色んな内戦や紛争地帯に出向き取材を続けた彼女は、片目を失いPTSDを患いアルコールを手放せなくなっても戦地の最前線で取材を行います。周囲が止めても最前線にこだわった彼女。ジャーナリストとしての使命が彼女をつき動かしていたのです。

『プライベート・ウォー』作品情報

タイトル プライベート・ウォー(A Private War)
監督 マシュー・ハイネマン
公開 2019年9月13日
製作国 アメリカ
時間 1時間50分

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『プライベート・ウォー』あらすじ

英国サンデー・タイムズ紙の特派員として、世界中の戦地に赴き、レバノン内戦や湾岸戦争、チェチェン紛争、東ティモール紛争などを取材してきた女性記者、メリー・コルヴィン。

その後、スリランカ内戦で左目を失明し、PTSD(心的外傷後ストレス障害)に苦しみながらも、黒の眼帯をトレードマークに、世間の関心を紛争地帯に向けようと努めた“生きる伝説”は、2012年、シリアで受けた砲撃で命を落とす――。

真実を伝える恐れ知らずのジャーナリストとして戦地を駆け抜けながらも、多くの恋をし豊かな感性で生き抜いた彼女の知られざる半生が今、語られる。

(出典:http://privatewar.jp/about.html)

スリランカ内戦

メリー・コルヴィンが片目を失うことになってしまったスリランカ内戦。

1983年からスリランカ政府とタミル・イーラム解放のトラとの間で内戦が起こります。

スリランカはシンハラ人が人口の多くを占めタミル人は約10%ほどの人口でした。
セイロン政府時代からシンハラ政策を推し進め、タミル人は選挙権を失うなど差別を受け続けていました。

そしてそのタミル人は自分たちを守るために立ち上がったのですが、その中に武器を持つ過激派グループも生まれました。
それがテロ組織とされたタミル・イーラム解放のトラという過激派グループなのです

2001年メリー・コルヴィンはこのグループのリーダーに会いに行きます。
取材禁止とされているエリアに乗り込んだメリー・コルヴィン。
無事に取材をした後、帰ろうとした時にシンハラ軍により攻撃を受けてしまいました。

そしてこの時に彼女は片目を失ってしまいます。
しかもそれだけではなく、この時受けたトラウマは彼女の心に大きな傷を残し、アルコール中毒にもなってしまいます

多くの戦地に出向き悲惨な戦場をたくさん見て来たメリー・コルヴィン。
彼女の心には誰にもわかることのできない、深い深い多くの傷が残っていたのです。

イラクの共同墓地

2003年にはイラクに向かったメリー・コルヴィン。
イラクにあると言われる共同墓地での取材のためでした。

1979年にイラクの大統領に就任したサダム・フセイン。
彼は独裁者であり、イランと戦争を始めたりクエートに侵攻するなどを行います。

このクエート侵攻時にサダム・フセインによって殺された多くのクエート人のお墓を見つけるためにメリー・コルヴィンはイラクにやって来ました。

そして彼女は現地の人に頼み、地面を掘り遺体を見つけ出しました。
集まって来ていた家族の人たちは泣き崩れる者がいたり、泣き叫ぶ人がいたりしました。

共同墓地を見つけた取材はスクープとなりますが、現地で家族の人たちの現状を見たメリーの心にはまたも大きな傷が残ってしまいました。

シリア内戦

2012年シリアに入ったメリー・コルヴィン。
シリアの内戦を取材するためでしたが、彼女が見たシリアの現状は今まで彼女が見て来た中で最悪の状況でした。

多くの市民が爆撃で亡くなる状況を見て、メリーも打ち拉がれてしまいます。
しかし彼女は死と隣り合わせの中、ライブで放送したいと考えシリアの状況を伝えます。

シリア政府軍と反政府軍の間で多くの市民が巻き込まれているのです。
残されている28000人の市民達。
鳴り止まない爆撃によって怯える日々を過ごしていました。

メリー達のいる場所も攻撃され始め逃げようとしますが、メリーは市民の元に戻り最後まで現状を伝え続けます。

彼女の命をかけた取材でシリアの現状が世界に配信されたのでした

しかしメリーは2012年2月22日、政府軍の攻撃を受けて亡くなってしまいました。
最後までジャーナリストであり続けたメリー・コルヴィン。
彼女は私たちに多くの事実を伝えてくれたのでした。

まとめ

いつも弱者である市民の声を届け続けたメリー。

彼女はどんなに危険でも逃げずに、本当の声を伝え続けました。

それは戦争がどんなものなのか?
そして戦地で何が起こっているのか?
遠い世界で起こっている事実を、私たちに教え続けてくれたのです。

現地の人が今思っていることそして願うことは、メリーを通して世界に届けられました。

恐怖やトラウマと戦いながらも最後まで自分の姿勢を貫いた彼女の姿には、涙が止まりません。