映画『フューリー』内容と考察 「怒り」がなければ乗り越えられない戦争の現状


本物の戦車と使用しリアルに戦争を描いた『フューリー』。怒りという意味の『フューリー』と書かれた戦車に乗り込んだ5名は、最後の戦いを見せるドイツ軍と激しい攻防戦を繰り広げます。その戦いは「怒り」がなければ決して戦うことのできない戦争だったのです。

『フューリー』作品情報

タイトル フューリー(Fury)
監督 デヴィッド・エアー
公開 2014年11月28日
製作国 アメリカ/イギリス
時間 2時間14分

Rotten Tomatoes

『フューリー』あらすじ


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1945年4月。

ドイツ軍が文字通りの総力戦で最後の徹底抗戦を繰り広げていたヨーロッパ戦線。

戦況を優位に進める連合軍も、ドイツ軍の捨身の反転攻勢に苦しめられていた。

そんな中、勇敢な3人の部下とともにシャーマン戦車“フューリー号”を駆る歴戦の猛者ウォーダディーのもとに、戦闘経験ゼロの新兵ノーマンが配属されてくる。

ろくに訓練も受けていないノーマンは、戦場の極限状況にただただ圧倒されるばかり。

ウォーダディーはひよっこノーマンを手荒く叱咤しながら、フューリーで敵陣深くへと進軍していく。

やがてそんな彼らの前に、ドイツ軍が誇る世界最強のティーガー戦車がたちはだかる。

(出典:http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=349750)


戦車『フューリー』に込められた意味

出典:IMDb

ウォーダディーが指揮をとるシャーマン戦車。
この戦車には「Fury」そ書かれています。
Furyとは日本語で「怒り」を意味します。

なんでこの戦車には「怒り」と書かれていたのでしょうか?
そこにはこの戦車に乗り込む彼らのたくさんの怒りが込められていました。

敵であるドイツ軍に対する怒りはもちろんですが、それだけではありません。
何年も戦い続けてきた彼らは、自分たちの行動にすら怒りを覚えていたのです。

人間として酷い事をやっていることは十分に分かっています。
戦争末期のドイツ軍は兵士だけでなく、総戦力として国民全員を兵士として動員しました。
その中には女性や子供老人までいました。

たとえ相手が女性や子供であっても敵であれば殺さなくてはいけません。
長い間戦いを続けてきた彼らは、そんなひどい事をさせるドイツ軍、連合軍、さらにはその命令に従う自分に怒りを感じていました。

しかしその怒りがないと戦場で生き抜くことはできないのです。
何も知らずに戦場に送られてしまったノーマン。
彼は最初ウォーダディーや仲間に怒りを覚えますが、次第に戦争の現実を知っていきその怒りはドイツ軍に向かい、さらには自分に向かっていたのです。

汚い言葉を吐きながら次々と攻撃するノーマン。
汚い言葉を吐くことでしか、彼の感情はコントロールできないのです。
ちょっとでも油断すれば自分が殺されてしまうし、または優しさを持ってしまうと戦場では通用しないのです。

常に怒りを心に持ち、心を鬼にしているのが戦争なのです
人間としての普通の精神状態では、戦場にはいることができません。

そんな彼らの全てに対する怒りが戦車に書かれた文字で表されていたのでした。

ドイツの戦車ティガー


Unimax Forces of Valor 1/72 ドイツ タイガーⅠ型 (ティ-ガーⅠ型)

戦場のリアルな実態が描かれた『フューリー』。
戦地で兵士たちがどんな思いで戦っていたのか、辛い現状やきつい感情が描かれていました。

さらに『フューリー』のリアルは、映画に使用した戦車にもありました。
ドイツ軍の使用していた戦車ティガー。
この戦車を実際に走らせて撮影に及びました。

アメリカ軍の使用してたシャーマンと比べても分かるように、ティガーはかなり大きな戦車です。
映画の中でも「モンスターだ」というセリフがあるくらい、アメリカ軍も恐れている戦車でした。

1対1では敵う相手ではありません。
実際に映画では4台の戦車で挑みますが、あっという間に攻撃されてしまいウォーダーディーノ戦車1台になったほどでした。
武装でも装甲においても圧倒的にティーガーの方が優れた戦車だったのです。

この戦車に苦しめられていた連合軍。
彼らと戦う方法が数でしかなかったのでした。
1台のティガーに対し数台のシャーマンで挑みます。

数台のうちの1台がティガーの後ろに回り攻撃する。
この方法で連合軍はかろうじてティーガーに勝利していたのでした。
しかし勝利と同時に失う仲間の数も多かったのが現実でした。

まとめ

第二次世界大戦末期のヨーロッパでの連合軍とドイツ軍の戦いを描いた映画『フューリー』。

戦争には勝った連合軍でしたが、彼らは戦地で壮絶な思いの中で色んなものと戦っていました。

逃げることもできず、前に進むしかなかった兵士達。

普通の人間でありながらその心を忘れ、あえて怒りを抱きながら日々を生き抜いていました。

そんな戦場の悲惨さを実際の戦車を使いリアル感を出すとともに、どんな戦争であろうとも戦争は悲惨なものであるというメッセージを込めた映画になっています。