地球にいる仲間を救いに来た宇宙人と出会った老人達。宇宙人の繭の入っているプールに入ることで老人達は病気も治り元気になります。若者のように若さをえた彼らは願うのはいつまでも元気でいることでした。
『コクーン』作品情報
タイトル | コクーン(Cocoon) |
監督 | ロン・ハワード |
公開 | 1985年12月14日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間57分 |
Rotten Tomatoes
『コクーン』あらすじ
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保養地フロリダの老人ホームで暮らすアートたち3人は、近くの空き家のプールで泳ぐのを楽しみにしていた。
ある日、ウォルターという男が空き家を借り、プールに謎の物体を沈める。
アートたちが、こっそりプールで泳ぐと、生命力がみなぎり、みるみる元気になるが…。
(出典:https://www.nhk.or.jp/bscinema/calendar.html)
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手に入れたい永遠の命
宇宙人と出会ったことで、若さを取り戻した老人達。
街に繰り出しダンスを踊ったりして若い頃の楽しみ方を取り戻します。
体が元気になって病気も治ると、心も若くなってきました。
老人ホームの仲間が亡くなる姿を見ていると、死に対する恐怖や老いていくことへの恐怖を日々感じる中で、若さを取り戻せることは彼らにとっては生きがいでもあったのです。
そんな彼らが求める究極のもの、それは不老不死でした。
愛する家族と別れてでもえたいもの、それが永遠の命なのです。
地球にやってきた宇宙人は初めて死をみじかなものに感じました。
そして最愛の人を亡くし悲しむ老人の姿を見て、宇宙人は老人達に提案します。
彼らと一緒に彼らの住む星へ行けば、不老不死の体を得ることができるのです。
悩みながらも宇宙人の提案を受ける老人達。
それだけ彼らが死への恐怖を感じていたんだなと思いました。
宇宙人の女性を好きになりながら、地球に残った船長のジャック。
彼は「僕も行きたい」と言いながらも迷わずに地球に残ったのは、まだ彼が若いからでしょう。
歳をとり老人ホームで暮らしていると、人生の終わりを近くに感じてしまうのかもしれません。
だから老人達は永遠の命を手に入れるために、宇宙人と一緒に地球から去っていったのでしょう。
人間として生きる選択
永遠の命や若返りを望む老人達の中で、唯一それを拒んだのがバーニーでした。
妻のローズは認知症を患っていたので、仲間はローズを若返ることのできるプールに連れていくように言いますが、最後までバーニーはそれを拒み続けました。
自分自身もプールに行っても、プールに入ることはありませんでした。
彼は若返ることを望まなかったのですが、それは人間らしくありたいと思っていたからだと思います。
ただ1回妻のローズが亡くなった時だけ、宇宙人に妻を助けて欲しいとお願いしました。
しかし手遅れでローズは亡くなってしまいます。
歳をとり病気になってローズは亡くなってしまいましたが、彼女は最後は幸せそうでした。
バーニーに「あなたを選んで良かった」と言って亡くなります。
彼女は幸せのまま人生を終えることができたのでした。
バーニーはローズ亡き後、「一緒に行こう」と誘われますが、地球に退こうことを選びます。
「ここが自分の家だ」と言って地球に残ったのです。
永遠の命を手に入れるかどうかれは本人次第ですが、一番人間らしかったのはバーニーだと感じました。
「不老」を願う老人達の気持ちもわかりますが、人間は誰もが歳をとり老いていくものです。
それが私たちの人生のなのです。
バーニーが地球に残ったのは、見ていてなんだかホッとしてしまいました。
「老いていくのも悪くない」バーニーの姿からそんなことを感じました。
まとめ
宇宙人と老人達の交流を描くSF映画『コクーン』。
しかしそれは不老不死という壮大なテーマを描いた映画でした。
老いたくないという老人達の切実な願いとともに、彼らが感じている死ぬことへの恐怖はきっと彼らにしか分からないものだと思いました。
老人ホームの老人達は、永遠の命を求めて地球を去って行ってしまった終わり方はなんだか寂しくも感じてしまいましたが、向こうで彼らがどんな人生を送るのかも気になります。
人間であれば誰もが感じる老いへの恐怖や死への恐怖。
歳を取っても生きやすい世の中で、老人達が楽しく暮らせる地球であって欲しいなと思いました。