NHKスペシャル『#あちこちのすずさん 〜戦争中の暮らし配信』内容と感想

2016年に公開された『この世界の片隅に』では、戦争中の普通の人々の暮らしが描かれて話題となりました。主人公のすずさんのように普通の人たちは戦争中どんな暮らしを送っていたのか?いろんなすずさんを募集プロジェクトがスタートし、2019年8月10日のNHKスペシャルでは全国のすずさんが紹介されました。

目次

この世界の片隅に

広島に生まれたすずさんが、呉にお嫁に行きそこでの生活を描いたのが片渕須直監督の描く『この世界の片隅に』です。

戦争中に普通に暮らしていた人たち。
そこでは現代の私たちとは変わらない、笑顔の溢れる生活がありました。
しかし次第に食糧難になり、空襲も増えていきます。
その日々の中で懸命に普通に生き抜いた人たちが描かれています。

主人公のすずさんは、おっとりした性格の女性です。
すずさんは戦争という厳しい時代の中でも、自分らしくあろうと必死で生き抜きます。

好きである絵を描きながら、慣れない裁縫や料理に励んでしました。
そんなすずさんに映画を見た人たちは、引き込まれしまうのです。

NHKスペシャル『#あちこちのすずさん 〜戦争中の暮らし配信』では、寄せられたエピソードを片渕監督が実際にアニメーションにしてくださってます。

全国のすずさん

「#あちこちのすずさん」として私たちの周りのすずさんを探したところ、全国からたくさんのすずさんのメッセージが集まりました。

さらにSNSを通して若者たちの間でも広がりを見せたプロジェクト。
今回はそのエピソードのうちにいくつかが紹介されています。

・戦争中でもパーマをあてたかった女性たち
・禁止されていた英語を学んだ女性
・戦地の兵隊さんと文通していた女性

などが片渕監督の描くアニメーションで語られます。

どのエピソードを見ていても、当時の当時の人たちの心は現代の私たちと変わりありません。

いつの時代のおしゃれをしたいと思う女性。
料理用の木炭を使って木炭パーマをあてていたようです。
当時はおしゃれをすることも禁止されていて、「パーマをあてた人はご遠慮ください」と通りを通ることもできないこともあったようです。
それでも少しでも気持ちを楽しくするために、女性たちはおしゃれに励んでいたのです。

さらに戦争が激しくなり英語が禁止されてしまった中、英語を勉強し続けた女性。
空襲で防空壕に逃げる時も、辞書とグリム童話を持って逃げるほどです。
「学ぶ」ということさえも戦争は奪ってしまうのです。

私たちと変わらない生活を送っていた当時の人々。
そんな当時の人々の生活を奪ってしまったのが戦争なのです。
彼らは私たちと何も変わらないのです。
だからこそ私たちは、「戦争」のことを絶対に忘れてはいけないのです。

動き出す若者たち

戦争経験者は少なくなってきている今、戦争を忘れてはいけないと若者たちが動きだしています。

・当時の写真をカラー化する高校生
・戦争中の気持ちを絵に描いたアーティスト
・ボディーアートに戦争への思いを込めたアーティスト
・当時の人の暮らしを調べる高校生
・子供に語り継ぐ主婦

もう二度と同じことを起こさないために、若者たちが動いています。
戦争を経験した人のお話を聞き、それぞれの形で世の中の人に伝えようとしているのです。

おじいさんのお話を自分の子供に伝えている主婦もいました。

今回のHNKスペシャルの「#あちこちのすずさん」は今もねっセージを募集していますし、そのエピソードは様々な番組で紹介されています。

今まで知らなかった戦争中のエピソードを知ることができます。
そしてだからこそ、戦争を起こしてはいけないんだを改めて感じるはずです。

 

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