映画『崖の上のポニョ』内容と解説 子供に託す宮崎駿監督の想い


人間になりたいと思う金魚のポニョと5歳の少年宗介の物語の『崖の上のポニョ』。人間の住む街は洪水により沈没してしまうけど、その先にはポニョと宗介のこれからが始まります。5歳児に込めた監督の想いは、この先の地球の未来を託す物語でもありました。

『崖の上のポニョ』作品情報

タイトル 崖の上のポニョ
監督 宮崎駿
公開 2008年7月19日
製作国 日本
時間 1時間41分

Rotten Tomatoes

『崖の上のポニョ』あらすじ


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崖の上の一軒家に住む5歳の少年宗介は、ある日、クラゲに乗って家出したさかなの子ポニョに出会います。

アタマをジャムの瓶に突っ込んで困っていたポニョを、宗介が助けることから物語が始まります。

「ぼくが守ってあげるからね」と宗介。

そんな宗介のことを好きになったポニョが、人間になりたいと願ったため、海の世界は混乱に陥り、人間の町に大洪水を引き起こすことになるのです。

(出典:http://www.ghibli.jp/ponyo/press/about/)


一途な想い

ポニョに出会い「守ってあげるね」と約束した宗介。
そんな宗介を好きになり人間になりたいと思ったポニョ。
『崖の上のポニョ』は宗介とポニョの一途な想いから成り立っている作品です。

宮崎監督は「約束を守りきる映画を作りたかった」とインタビューで答えていますが、宗介はポニョと交わした「守ってあげる」という約束を最後まで守り切ります。

約束というものは守れないものであるけれど、子供は約束を守ろうという気持ちでいます。
そんな子供の気持ちを思ってに作品が『崖の上のポニョ』であり、宗介の行動なのです。

一方、ポニョは宗介を好きになり人間になりたいと思います。
自分のわがままで大洪水まで起こしてしまいますが、それは宗介への一途な想いでした。
魔法を使えなくなっても、ポニョは人間になりたかったのです。

宮崎監督がポニョの行動で大切なシーンと位置付けているのが、船で出会う夫婦と赤ちゃんとのシーンです。
ここでポニョは赤ちゃんのためにスープを与え、泣いている赤ちゃんを笑顔にしようとします。
今まで宗介が好きで人間になりたいと自分だけの気持ちで行動していたポニョが、初めて他人のために行動したシーンなのです。

ポニョが自分以外の者を思いやる気持ちの持てる子供へと成長していく過程を描いた場面だったのです。

約束を守り続ける宗介と人を愛し他人を思いやれるポニョの一途な想いが詰まった作品が『崖の上のポニョ』なのです。

子供に託す未来


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宮崎監督が『崖の上のポニョ』で描きたかったことはこれからの未来を子供へ託す想いでした。

だから主人公の少年少女は5歳児でなくてはいけなかったのです。
混沌とする世界を監督は神経症と不安の時代という言葉で表現しています。
その時代に希望をもたらしてくれるのは、子供なのです。

『崖の上のポニョ』に取り組む頃、ジブリは幼稚園を始めます。
監督の子供への想いが動き始めた時期だったのです。

不安な未来に立ち向かうのは、愛と責任を心にもつ純粋な子供なのです。
そしてそこに自然と人間の共存も込めています。

ポニョのお母さんは宗介に「ポニョは半魚人だけどいい?」と聞きます。
海の生物として生まれたポニョは人間になりたいと願い、人間になりました。
これは自然と人間の共存を描いていたのです。

純粋無垢な子供たちに、人を愛する心を持ち約束を守る責任を持つ子供たちに、自然とともに生きていく未来を託しているのです。
そしてお婆ちゃん達はそんな子供達を応援し、暖かく見守っていました。

監督は子供の将来に保証を与える存在としてお婆ちゃんを描いたと言っていました。
最後お婆ちゃん達は、宗介とポニョに走り寄って宗介を抱きしめます。
未来を切り開いていく宗介とポニョをこの先応援してくれる存在でいてくれるのです。

まとめ

宮崎監督が子供達に世界の未来を託した作品『崖の上のポニョ』。

5歳児の男女が主人公で人間と魚が主人公の物語は、自然と人間の共存の世界を望む物語でもありました。

大洪水が起き宗介達の住む街は海に沈んでしまいましたが、新しい街は宗介とポニョが築いていく街であり世界になるのでしょう。

そしてその世界は相手を想い愛し、自然とともに生きていく世界になっているでしょう。