女性視点のロマンティックコメディの第一人者である監督のノーラ・エフロン。彼女が製作した『めぐり逢えたら』では、結婚を前にした女心がリアルに描かれています。そしてまた女性ならではの笑いで、女性の観客を虜にしたのがこの『めぐり逢えたら』です。
『めぐり逢えたら』作品情報
タイトル | めぐり逢えたら(Sleepless in Seattle) |
監督 | ノーラ・エフロン |
公開 | 1993年12月11日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間45分 |
Rotten Tomatoes
『めぐり逢えたら』あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
結婚前の女心
婚約を決めた女性アニー。
彼女は恋人のウォルターを家族に紹介し、婚約を伝えます。
彼と幸せな将来を夢見るアニーでしたが、あるクリスマスの日車の中で妻に先立たれた男性サムの話を聞きます。
多くのアメリカ人の女性がサムに惹かれたように、アニーもなぜかサムが気になるのでした。
結婚を前にしたよくあるマリッジブルーだと自分を納得させるアニーでしたが、あったこともないサムのことばかりが気になってしまいます。
そしてついに彼に会いに行ってしまうのです。
しかも婚約者のウォルターには嘘をついて。。。
そんな揺れ動く女性の心を見事に描いたのが、女性監督のノーラ・エフロンです。
彼女はこの映画の脚本も担当しています。
彼女が脚本した『恋人たちの予感』でもメグ・ライアンが主演し男女の友情と恋愛を、ロマンティックコメディーとして描きました。
女性視点で描かれた女性の本心をリアルにかつ笑いで表現した『恋人たちの予感』は、ロマンティックコメディーの代表作と言えます。
ノーラ・エフロンは『めぐり逢えたら』では、結婚を前にして不安になってしまう女性心を描いています。
本当にこの人で大丈夫なのか?運命の人なのか?そんな不安な女性の気持ちを、今回も笑いと一緒に描いています。
『めぐり逢い』
『めぐり逢えたら』の中でアニーと友人のベッキーが、セリフを覚えるほど感動しながら見ているのが『めぐり逢い』です。
その『めぐり逢い』と同じように二人はエンパイアーステートビルで会うのです。
アニーが閉店したエンパイアステートビルに登れたのも、警備員の奥さんが『めぐり逢い』を見ていたおかげでした。
多くの女性の心を掴んで離さない『めぐり逢い』がこの映画のキーポイントにもなっています。
感想
アニーのマリッジブルーそしてサムの息子ジョナの心の本音をユーモア満載で描いたことで、多くの女性たちに共感されたのが『めぐり逢えたら』です。
露骨に女性と男性の違いが描かれているのも、女性監督ならではの作品です。
ラブストーリーに感動して涙する女性、そんな女性を理解できずバカにする男性、また「テロで殺される確率より40歳以上の女性の結婚率は低い」というとんでもないセリフも出てきます。
いろんな意味で現代では言えないセリフですが、この時代の男性はこんなセリフを女性に普通に言っていました。
そんな何気無いセリフなども女性監督ならではだなと感じてしまいます。
そしてまた現代では絶対にありえない恋愛。
ネットが普及していない時代、SNSが無い時代だからこそ生まれたロマンティックコメディだと思いました。
逆に言えばこのような作品は、現代ではもう作れないでしょう。
時代を感じる作品ではありますが、内容はいまでも十分に笑えます。
時代が進歩しても結婚を前にした女性の心は、あまり変わっていないのかもしれません。
女性であればぜひ一度は見て欲しい作品、それが『めぐり逢えたら』です。