映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』変わり者が終わらせた戦争

第2次世界大戦中ドイツの暗号を解読したアラン・チューリング。彼の功績は50年以上に渡って機密事項扱いで隠され続けていました。天才数学者がどのようして史上最高の暗号機を解読するに至ったのか?孤独な天才数学者が仲間と共に戦った数年間と、その後の彼の辿った厳しく辛い人生を知る音ができます。

目次

『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』作品情報


イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密 [Blu-ray]

タイトル イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密(The Imitation Game)
監督 モルテン・ティルドゥム
公開 2015年3月13日
製作国 アメリカ
時間 1時間54分

Rotten Tomatoes

[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”]・脚本賞[/box]

あらすじ

(引用:MIHOシネマ

アラン・チューリング

天才数学者のアラン・チューリング。

彼は1936年に「チューリングマシン」についての論文を発表しています。
これは今のコンピュータに繋がる論文でもありました。

その後彼は第二次世界大戦中にドイツ軍が使用していた暗号機エグニマの解読に成功しました。

他の専門家達が日々送られていくる傍受したドイツ軍の暗号に向き合う中、彼はたった1人暗号解読マシーンを作り続けました。

仲間と離れたった1人でマシーンを作り続けるアラン。
最初は仲間とぶつかりあってばかりでしたが、ジョン・クラークと出会ったことで少しずつアランは変わり始めます。
そしていつしか彼らは仲間としてみんなんで暗号解読に挑んだのです。

そしてついに彼らは暗号を解読しました。
しかしそれが彼らを精神的に追い詰めることに。
暗号解読がドイツ軍にバレないために、それは秘密事項として扱われます。

そして彼らは統計的に阻止する攻撃と無視する攻撃を割り出していったのでした。

終戦後の1950年、アランは「チューリングテスト」と呼ばれるものを発表します。
それは「相手がマシンか人間が判定するテスト」でした。
人間の脳はそれぞれ違うふうに働き、違う考え方をします。

アランはそれはコンピュータでも同じではないかと考えたのです。
そして彼は「マシンも人間と同じように考えることができるのか?」という問題を定義しました。

そしてそれを確かめる方法としてチューリングテストを発表したのです。

アラン・チューリングはこの研究により、今では「AIの父」と呼ばれています。

彼の研究は今の世界にたくさん貢献しています。
エグニマの解読により第二次世界大戦の終了を2年早めたと言われ、現代になくてはならないコンピューターやAIを元を作ったのがアランなのです。

しかし天才が故に彼は孤独であり、さらに彼の抱える秘密が彼の心をどんどん蝕んでいってしまいました。

アランを苦しめた英国法

アラン・チューリングが抱えていた秘密。
彼を孤独にした秘密、それは彼が同性愛者だということでした。

イギリスの法律である英国法。
それによるとイギリスでは1885年〜1967年まで同性愛は禁止とされていて、わいせつ罪でつかまていました。

アランは自分が同性愛者であることを隠し続け、エグニマの解読やコンピューターの研究を続けます。

しかし1952年同性愛者であることがバレてしまい、逮捕されてしまいました。

裁判にかけられたアランは、刑務所に入るかホルモン治療をするか選択することになります。
コンピューターの研究を続けたい彼はホルモン治療を選びました。

当時イギリスでは同性愛は病気とされ、薬で治療するものだったのです。

ホルモン治療を1年間続けたアランは、やがて心を病んでしまいます。
そして1954年6月7日、41歳の若さで自ら命を絶ってしまいました。

もし彼が生きていたら、コンピュータはもっと違う発展を遂げ世界は変わっていたかもしれません。アランを苦しめた法律は、世界的に偉大な人物を失うことになってしまったのです。

さらにアラン達が行ったエグニマの解読は50年以上にもわたって機密事項とされていました。

アラン・チューリングが第二次世界大戦時に行った功績は、誰も知らなかったのです。

彼の死後アラン・チューリングの偉業が公表され、2009年当時の首相ブラウンはアランを同性愛で告発したことについて正式に謝罪しいています。

さらに2013年にはエリザベス女王がアランに恩赦を与えたのです。

まとめ

第2次世界大戦中の終結を早めただけでなく、現代のコンピューターにつながるものを作り上げたアラン・チューリング。

彼の偉業は現代の人工知能の研究にも大いに役立っています。

天才としてさらに同性愛者として孤独に苦しみ続けたアラン・チューリング。

そんな彼の苦悩の人生を知ることができるのが映画『イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密』でした。

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