黒澤明監督の『七人の侍』をリメイクした『荒野の七人』。日本の時代劇からアメリカの西部劇へ。刀を持った侍は銃を持ったガンマンに変わりましたが、どちらも農民を守るために戦った用心棒でした。
『荒野の七人』作品情報
タイトル | 荒野の七人(The Magnificent Seven) |
監督 | ジョン・スタージェス |
公開 | 1961年5月3日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間08分 |
Rotten Tomatoes
『荒野の七人』あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
西部劇版『七人の侍』
黒澤明監督の『七人の侍』を西部劇に置き換えたのが『荒野の七人』です。
侍をガンマンに変えていますが、基本的な物語はほとんど同じになっています。
田舎の小さな村を襲う盗賊たち。
村人は盗賊から村を守るために銃を買いに街へ出かけます。
そこで出会ったのがクリス。
彼に銃よりも人を雇えと言われて、村を守るためのガンマンを探すのです。
七人のリーダー的存在のクリスは『七人の侍』の島田勘兵衛にあたります。
クリスが仲間6人を集め、総勢7人で盗賊と戦うことになったのでした。
クリスが集めた6人も『七人の侍』に登場する人物と似ています。
三船敏郎が演じた菊千代はチコとして描かれています。
クリスの前から一度は逃げますが、村へ向かった6人を追いかけ7人目のメンバーとなりました。
ただしオリジナルキャクター的存在もいて、クリスの仲間だったハリーや賞金稼ぎのリーは『七人の侍』にはいないキャラクターになっています。
アメリカ版なので、アメリカ人に受けるようなキャラクター設定されていました。
オリジナルと違うラスト
基本的な物語や人物設定はオリジナル版と同じでしたが、大きく違うのがラストです。
『荒野の七人』ではまず、村人はガンマン達に出て行ってくれと追い出してしまいます。
村を守ってくれていたのに、盗賊と戦うことを恐れた村人は彼らを追い出してしまいます。
それでもクリスは村人のために、奇襲攻撃をかけようと盗賊の元に向かいます。
しかしそこには誰もいませんでした。
村に戻ったクリス達7人でしたが、村では盗賊が待ち伏せしていたのでした。
村人は7人を裏切っていたのでした。
盗賊によって村を追い出された7人。
そのまま国境を超えてもよかったのですが、7人は村に戻り盗賊と戦いました。
これが『荒野の七人』のラストです。
『七人の侍』とはかなり異なっていました。
裏切られて村を離れた7人でしたが、あえて村に戻る決断をします。
それはきっと村人とのつながりを大切にしたからでしょう。
物語の途中でクリスやヴィンが「俺たちには何もない」とチコにいうシーンがあります。
何もなかった彼らでしたが、この仕事で村人との関係を気づいていたのでした。
またチコは農民出身でもあり彼らの苦悩が痛いほどわかっていました。
ガンマンとしてのプライドを胸に彼らは村人のいる村へ戻り盗賊と戦ったのでした。
まとめ
『七人の侍』のリメイク『荒野の七人』。
同じ点と違う点があり、それぞれ楽しめる作品です。
どちらも後の作品に大きな影響を与えていることは共通点でもあります。
広大な土地をバックに映る7人の姿はかっこいいですし、そのシーンに流れる音楽も西部劇を象徴しているシーンとなっています。
日本の名作がハリウッドでどう変化したか?
確かめてみるのをお勧めします。