映画『バイス』あらすじと解説 アメリカを動かした副大統領ディック・チェイニー


ブッシュ政権の裏側を描いた『バイス』。副大統領ディック・チェイニーが牛耳っていたブッシュ政権時代の驚愕の事実が描かれています。アメリカの歴史の真実を知ることができる映画でもあります。

『バイス』作品情報

タイトル バイス(Vice)
監督 アダム・マッケイ
公開 2019年4月5日
製作国 アメリカ
時間 2時間12分

Rotten Tomatoes

『バイス』あらすじ

© 2019 ANNAPURNA PICTURES, LLC. All rights reserved.

ディック・チェイニーという男

ブッシュ政権時代に副大統領を務めたディック・チェイニー。
多くを語ることのない男でしたが、彼は大統領を影で操る男でもあったのです。

チェイニーが政界入りを果たしたのは、ニクソン大統領の時でした。
当時ニクソン政権で経済機会局長を務めていたドナルド・ラムズフェルドに出会い、彼の元で政治について勉強したのです。

ニクソン大統領が辞任した後、フォード政権の時に大統領首席補佐官に就任します。
これはアメリカ史上最年少での就任でした。
ちなみにこの時ラムズフェルドは同じく最年少で国防長官に就任しています。

フォード政権後、共和党から民主党に政権交代するとチェイニーは大統領首席補佐官を辞任することになります。
その後、彼は地元のワイオミング州から立候補し下院議員の当選しました。
『バイス』の中では演説べたのチェイニーに変わり、妻のリンの演説のおかげで住民の支持をえて当選したように描かれています

下院議員となったチェイニーはことごとく法案に反対していました。

その後、政界の中での自分の人気のなさと娘の同性愛のこともあり、大統領候補として戦うのを諦め政界を退いたチェイニー。
世界最大の石油企業のハリバートンのCEOを務め、家族と優雅な生活を送っていました。

そしてジョージ・ブッシュからの依頼もあり、ついに副大統領となったチェイニー。
彼は大統領を操りながら、事実上の権力を握ることになったのでした。

チェイニーの求めた一元的執政府論

映画の中で何度も登場する言葉「一元的執政府論」。
聞きなれない言葉ですが、簡単にいえば全ての権力が大統領にあるということです。

本来国家は三権分立の元に成り立っていて大統領であったも法の元にあるはずですが、チェイニーは憲法第2条を一元的執政府論と勝手に解釈します。

そしてからの周りを同じ考えの人で固めてしまったのです。

緊急事態における大統領の権限は、議会を通さずに行政の関与できるとしたチェイニー。
ジョージ・ブッシュが大統領ではありましたが、彼からほとんどの権限を得ていたチェイニー。
実際は彼に権限があったとも言えるのです。

そして、彼は9.11はイラクのフセインが首謀者であるとし、イラクは核兵器を持っているという事実を作り上げてしまったのです。

これによりアメリカをはじめとする連合軍はイラク戦争を始めることになったのでした。

チェイニーが求めていた一元的執政府論がどんなに怖く恐ろしいものだったかということが、『バイス』をみると切実に伝わってきます。

まとめ

影の大統領と呼ばれたディック・チェイニーを描いた映画『バイス』。

ブッシュ政権時代に裏で何が起こっていたのか、そしてまたチェイニーがどうやって副大統領の地位にまで登りつめたのかを知ることができる映画です。

彼のやっていたことを知ると怖さを感じますが、最後に彼は私たちに向かってこう言います。

「俺を選んだのは君たちだ」と。

これはアメリカだけではなく、世界中の人に向けてのアダム・マッケイ監督のメッセージのよう感じます。

どれだけ選挙が大切なのか。

そして国民が誰を選ぶかが世界の運命を握っている、ということを訴えていました。

 

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