ほんのイタズラのつもりで行った悪ふざけが、とんでもない事に展開していくスリラー映画の『ロードキラー』。この映画を見ると悪ふざけもほどほどにと思ってしまいます。やっていい事と悪い事、何事も見極めが肝心です。
『ロードキラー』作品情報
タイトル | ロードキラー( Joy Ride) |
監督 | ジョン・ダール |
公開 | 2001年11月23日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間37分 |
Rotten Tomatoes
『ロードキラー』あらすじ
[aside type=”normal”]ボストンの大学に通うルイスは、ネブラスカへの帰省ついでにコロラドに住む幼なじみヴェナを拾い、大陸横断ドライブを楽しむことを計画する。
だが母から連絡が入り、釈放された兄フラーをソルトレイクシティで先にピックアップすることになった。
強引なところがあるフラーはルイスをけしかけ、無線で女のふりをしてひとりのトラッカーをからかい出す。
しかし悪戯が度を過ぎた頃、ラスティ・ネイルと名乗るそのトラッカーの異常ぶりが明らかになる。
やがて二人はヴェナと落ち合うが、それは“恐怖のドライブ”の幕開けだった……。
(出典:https://movie-tsutaya.tsite.jp/netdvd/dvd/goodsDetail.do?titleID=0081608836&pT=null)
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トラックに追いかけられる恐怖
始まりは軽いイタズラのつもりから。
やってはいけないイタズラだけど若さゆえ、歯止めが聞かなくなってしまった兄弟フラートルイス。
軽いイタズラは一瞬にして恐怖に変わりました。
騙した男のトラックから追いかけ続けられる恐怖。
気がつけば自分たちの車の後ろにいて、迫ってくるトラックの恐怖。
一度は終わったはずでしたが、友人を車に乗せたことからその恐怖は再度始まります。
トラックに追いかけられる恐怖といえば思い出すのが、スピルバーグの『激突』。
どちらも顔の見えない男の乗ったトラックに追いかけられます。
トラックが迫ってくる恐怖と犯人の顔がわからない恐怖。
『ロードキラー』の脚本はJ・J・エイブラムスです。
J・J・エイブラムスは大のスピルバーグファンで、彼の作品にオマージュを捧げた『SUPER8』という作品では監督を務めました。
この作品でも彼のスピルバーグ愛が詰まっていて、『激突』へのオマージュがこもった作品となっています。
悪ふざけはほどほどに!
この映画の教訓は「イタズラはほどほどに!」ということでしょう。
若さゆえついやってしまう悪ふざけ。
たわいもないことならいいのでしょうが、他人を巻き込み傷つけてしまうイタズラは悪ふざけではなくなってしまいます。
犯人の男は自分の感じた痛みをフラーとルイスの兄弟に味合わせます。
人に笑われる痛み、人にばかにされる辛さ。
今回のことで彼らはきっと痛いくらいそれを実感したでしょう。
でも犯人の男は捕まっていません。
彼らはその恐怖を感じながらこれからも過ごす事になります。
「綺麗さっぱり洗い流す」と犯人の男は言いますが、どこまで本当かはわかりません。
何もなかったようにトラック運転手を続けている犯人の男。
フラーとルイスの兄弟は車でこの道を通るときは、恐怖を忘れられないでしょう。
巻き込まれたヴェラとシャーロットがかわいそうでありません。
まとめ
スピルバーグの『激突』にオマージュを込めた作品『ロードキラー』。
迫り来るくトラックの気迫、顔の見えない犯人の狂気、終わりが見えない恐怖に二人の兄弟が巻き込まれていく様子は自業自得だとはいえ、見ている方も恐怖を感じてしまいます。
事件が解決しても続く見えない恐怖。
精神的に追い詰められる恐怖を味わえる作品です。