黒澤明X三船敏郎作品の『赤ひげ』。貧困に苦しむために赤ひげ先生が開いた養生所は貧しいけれど暖かい場所でした。貧困と無知を無くすために立ち上がった赤ひげ先生の思いは現代にも通じるものがあります。
『赤ひげ』作品情報
タイトル | 赤ひげ |
監督 | 黒澤明 |
公開 | 1965年4月3日 |
製作国 | 日本 |
時間 | 3時間5分 |
『赤ひげ』あらすじ
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長崎で医学を学んだ青年保本は、医師見習いとして小石川養生所に住み込む。
養生所の貧乏臭さやひげを生やした無骨な所長赤ひげに反発する保本は、養生所の禁を犯して破門されることすら望んでいた。
しかし、赤ひげの診断と医療技術の確かさに触れ、また彼を頼る貧乏人に黙々と治療を施すその姿に次第に心を動かされていった……。
(出典:https://eiga.com/movie/2979/)
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弱者の味方赤ひげ先生
赤ひげ先生のモットー:「無知と貧困をなくしたい」。
無知と貧困のせいで病気になったり、命を落としている人が多いと先生は嘆いています。
政府は無知と貧困をなくす政策を立てたことがないと憤慨しています。
そんな先生は政府に逆らってでも貧しい人を診療しようとしているのです。
彼は病気を治すのではなく患者に寄り添い、貧しさのために傷ついてしまった心を治そうとしていました。
貧しい人のためならなんでもする赤ひげ先生。
たまには乱暴なこともします。
お金持ちから法外な治療費を請求したり、子供を助けるために暴力も働いたりします。
そんな自分を赤ひげ先生は「ひどい男だ」と言います。
それでも弱者のために赤ひげ先生は日々戦っているのでした。
心を救われた人たち
赤ひげ先生によって心を救われた患者たちはたくさんいます。
そして助けられた患者さん達は、誰かのために優しく接するのです。
養生所の中はそんな優しさがありました。
特に赤ひげ先生に助けられたおとよ。
全く心を開こうとしないおとよでしたが、保本先生と過ごすうちに次第に心を開いていきました。
優しさに気がついたおとよは、貧しさのあまり盗みを働く少年を助けます。
音よはいつの間にか心優しい少女に変わっていたのでした。
それは保本先生も同じです。
最初は赤ひげ先生に反発していた保本でしたが、先生の行動を見ていつしか彼に心を開き彼を慕います。
赤ひげ先生も保本を信頼し、育てようとしています。
いつしか二人の間には師弟関係が生まれ、熱い絆となっていったのでした。
まとめ
3時間を超える超大作『赤ひげ』。
ストーリーの面白さから全く時間を感じさせない作品で、あっという間にさえ感じてしまいます。
人の心にに訴える人情物語に、ユーモアも含まれていて楽しい作品になっています。
さらに今見ても深く考えさせられる作品で、現代でも全く同じ状況だと心が痛くなってしまいます。
優しさと愛がたくさん溢れている作品が『赤ひげ』です。
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赤ひげ診療譚改版 (新潮文庫) [ 山本周五郎 ][/col2] [col2]
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