公開されるとすぐに大ヒットとなり、1990年代の名作の1本となった映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』。物語だけでなく撮影技術なども注目される作品です。ここではチーム一丸となって作られた『フォレスト・ガンプ/一期一会』を振り返ってみます。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』作品情報
タイトル | フォレスト・ガンプ/一期一会(Forrest Gump) |
監督 | ロバート・ゼメキス |
公開 | 1995年3月11日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 2時間22分 |
[box class=”red_box” title=”アカデミー賞受賞”]・作品賞
・監督賞:ロバート・ゼメキス
・脚色賞
・主演男優賞:トム・ハンクス
・編集賞
・視覚効果賞[/box]
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『フォレスト・ガンプ/一期一会』が誕生するまで
映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』の原作は、ウィンストン・グルーム によって書かれた小説『フォレスト・ガンプ』。
サヴァン症候群を主人公にしたこの小説を読んだ映画プロデューサーは、なんとかしてこの小説を映画化しようと動き出しますが、映画化まではとても長い道のりでした。
なんとか脚本が出来上がっていよいよ映画化となりますが、1988年(日本では1989年)に同じサヴァン症候群をモデルにした映画『レインマン』が公開されます。
『レインマン』はアカデミー賞で作品賞を受賞したこともあって、同じタイプの映画はと『フォレスト・ガンプ/一期一会』は敬遠されてしまうのです。
中止寸前まで行った『フォレスト・ガンプ/一期一会』でしたが、その後映画会社を変えてなんとか映画化されることになったのでした。
しかし、映画撮影中も予算の削減など順調に撮影は進みません。
そこで監督のロバート・ゼメキスと主演のトム・ハンクスは自分たちのギャラを減らし、その分を映画の制作に当てながら『フォレスト・ガンプ/一期一会』は作られたのです。
ちなみに2人は自分達の監督料や出演料は減らしましたが、代わりにアマデウス映画公開後の売上報酬のパーセンテージをアップする契約を結びました。
結果、映画は世界中で大ヒットしたことによって、2人は減らしたギャラ以上のお金を手にすることになったのです。
『フォレスト・ガンプ/一期一会』への監督の想い
自分のギャラを返上してまでも、自分の描く『フォレスト・ガンプ/一期一会』を作りたかった監督のロバート・ゼメキス。
彼は脚本にあるシーンを勝手にカットすることを許さず、最後まで脚本通りに映画を作ろうと試みます。
監督の『フォレスト・ガンプ/一期一会』に対する想いは、色んなところに散りばめられていました。
ナレーション
『フォレスト・ガンプ/一期一会』はベンチに座ったフォレストが、自分の過去を語り始めるところから始まります。
そして物語はフォレストのナレーションと共に進みます。
このナレーションは監督が映画『アマデウス』をみたときに、閃いたそうです。
効果的なナレーションがシーンに見事に作用している『アマデウス』に触発されて、『フォレスト・ガンプ/一期一会』にナレーションを入れることを決めます。
そしてナーレーションはフォレスト自身が行うことを監督は決めたのです。
ベトナム戦争のシーン
『フォレスト・ガンプ/一期一会』の中でもメインの出来事となるベトナム戦争。
この戦闘のシーンで、実は敵の姿は画面の中には映っていないのです。
これはあえて監督がとった手法でした。
主人公のフォレストの視点で激しい銃撃戦を描くことで、状況が分からない敵が見えないことの恐怖を作り出したのです。
ワイド・スクリーン
ロバート・ゼメキスが『フォレスト・ガンプ/一期一会』を作るにあたって、絶対に譲れなかったのがワイドスクリーンにすることでした。
通常ワイドスクリーンは『スパルタカス』のような歴史的大作に用いられることが多かったのですが、ロバート・ゼメキスはワイドスクリーンでと決めていました。
なぜなら『フォレスト・ガンプ/一期一会』はひたすら走り続ける男の物語だったからです。
当初は反対していたスタッフも、監督の真意を知ってワイドスクリーンを使用することにしたのです。
まとめ
今では1990年代を代表する1本となった映画『フォレスト・ガンプ/一期一会』。
しかし映画化されるまでには色んな苦難があったのです。
それでも撮影スタッフ全員の「なんとしても映画にしたいという」強い思いが、『フォレスト・ガンプ/一期一会』を作品にしました。
そのスタッフの熱い気持ちが、アカデミー賞で6部門受賞という結果に結びついているのです。
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参考資料
・DVD『フォレスト・ガンプ/一期一会』
・Netflix『ボクらを作った映画たち』