1年間眠ることができずにどんどん痩せてしまう1人の男。その姿からみんなに心配され「それ以上痩せたら死ぬわ」と言われるほどです。なぜこの男は眠れずにこんなにも痩せてしまったのか?眠そうでうとうとしてもなぜか眠りを邪魔されてしまう主人公。一体彼の過去に何があったのでしょうか?その秘密はある日主人公の前に現れた男によって明らかになります。
『マシニスト』作品情報
タイトル | マシニスト(The Machinist) |
監督 | ブラッド・アンダーソン |
公開 | 2005年2月12日 |
製作国 | スペイン/アメリカ |
時間 | 1時間41分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
現実の出来事
1年間眠ることができない主人公トレバー。
眠れないことでガリガリの体になってしまっていました。
そんな彼は眠らないことで夢を見ませんが、現実世界で夢か現実なのか分からないことが怒ってしまいます。
そこでトレバーの身に起きた現実の出来事を辿ってみました。
1年前
・同僚のレイノルズとトレバーは魚釣りに行く
・魚を釣った2人は記念に写真をとった
・その帰りトレバーは少年を車で引いてしまう
・ショックのあまり逃げ出したトレバーは、車を処分する
・家の冷蔵庫に釣った魚を保管する
ここからトレバーの眠れない生活が始まる
不眠症時期
・娼婦のスティービーのもとに通うようになる
(ただし2人が出会った時期は不明)
・仕事帰りに空港のコーヒーショップに通うようになる
・仕事中に同僚のミラーが腕を切断してしまう
・精神的におかしくなったトレバーは、会社をクビになる
・スティービーと喧嘩
自分が犯した罪を認める
・警察署に出頭する
夢の出来事
トレバーは1年間眠っていないと言っていましたが、どこかでうとうとしていたはずです。
そしてその間に彼は夢を見ていたのです。
ただしその夢は楽しい夢ではありません。
彼の深層心理にある、ひき逃げしたことへの罪悪感の夢でした。
家でウトウトしていたり、車でウトウトするトレバーですが、その度に本を落としたり話しかけられたりして目を覚ましてしまいます。
しかしその間実は彼は眠っていて夢を見ていたのかもしれません。
そしてついに夢の中にアイバンが現れます。
彼はもう1人のトレバーで、善人でもあります。
アイバンの姿の善人トレバーは、罪を犯したのに逃げ出したトレバーを現実世界に戻そうとしました。
1年前に事故から逃げたことで、トレバーは別世界に隠れてしまっていたのです。
だから自分が釣った魚を冷蔵庫に入れたことさえ忘れてしまっていました。
その隠れた世界で出会ったのが、マリアとニコラスです。
もちろんこの2人はトレバーのひき逃げの被害者です。
車に轢かれた息子のもとに走り寄ってくる母親の姿を、トレバーは自分の母親と重ねていました。
だから夢の中でトレバーは幼い頃母と一緒にいった遊園地にマリアとニコラスと行き、また母親の形見の器がマリアの家にあったのです。
事実を隠し非現実世界に篭ってしまったトレバー。
たがて現実と空想の世界の区別がつかなくなってしまったのです。
そしてアイバンが現実世界にも現れるようになったことで、彼は現実と非現実の世界で彷徨うことになってしまったのです。
ただしそのおかげで、彼は罪を認め現実世界に戻ってこれました。
トレバーの善人の部分が、彼に正しい行いをさせたのでした。
まとめ
1年間眠れずに痩せてしまった男の物語『マシニスト』。
しかしそれは自分の犯した罪から逃げ出した男の苦悩の物語でもありました。
トレバーが事故直後なぜ逃げてしまったのかは分かりませんが、結局逃げたことで自分の首を締めることになってしまったのです。
罪を認め警察に向かったトレバー。
きっとこの先はゆっくり眠ることができるのかもしれません。