宇宙からやって来た地球外生命体スリザー。人間に寄生し人間を殺すはずが。。。愛することを知ってしまった。そして1人の女性を求めて追いかけ続ける。それは彼女が永遠の愛を誓った愛する妻だから。最後まで妻を愛し続けようとする1人の男。しかし彼の体は寄生され醜い体に変わってしまっていた。
『スリザー』作品情報
タイトル | スリザー(Slither) |
監督 | ジェームズ・ガン |
公開 | 2007年12月8日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間35分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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アメリカ南西部の静かで平和な田舎町。
ある時、森の中に隕石が落下する。
町の有力者グラントは、たまたま昔の女友達ブレンダとその森に来ていて不気味な物体を発見する。
すると、その物体から何かが飛び出し、グラントの体内に侵入してしまう。
その日を境に、町では行方不明者が続出する。
やがてグラントは、体にできた醜い腫れ物が巨大化していくに従い、行動が凶暴化していく。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/324655)
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スリザーが知った愛
隕石と共に地球にやって来た地球外生命体スリザー。
彼らはナメクジのような姿で、人間の口から体内に侵入し人間に寄生してしまう。
最初に寄生されたのは、グラントだった。
(彼はお腹から寄生されるが。。。)
グラントに寄生したスリザーは、彼の脳を支配する。
グラントの脳は、妻スターラへの愛であふれていた。
そしてスリザーは愛を知ったのだ。
スターラは町の人みんなが憧れる美人教師。
男子生徒も彼女に夢中。
そんなスターラの夫がお金持ちのグラントだったが、町では「なんであんなやつと結婚したの?」と思われている。
「お金目当て」と言われるほど、スターラとグラントは不釣り合いだったのだ。
スターラは妻が人気があることを知っている。
だからいつも妻を他の男から守っている。
町の人がなんと言おうとも、彼は妻のことを愛していたのだ。
ただそれだけだった。
だから寄生されても、彼女だけが襲わなかった。
しかしその思いはどうやら妻には伝わらなかった。
醜い姿になっていくグラントを妻は恐れてしまった。
町のイケメン署長のビルに助けを求めてしまった。
それがよりグラントを傷つけた。
永遠の愛を誓ったはずなのに。
ラストでスターラがグラントに銃を向ける。
その時のグラントの悲しい顔は、ちょっと切なくなってしまう。
ただただ妻が好きだったのに。。。。
寄生されて醜くなってしまったけど、妻を愛する心は寄生されてなかったのに。
なんだか結末に切なさを感じてしまった。
グロテスクさ満載、ジェームズ・ガン
ジェームズ・ガン監督の初監督作品がこの『スリザー』だ。
マニアが多いトロマ・エンターテインメント出身のジェームズ・ガン。
トロマ・エンターテインメントはB級映画を作り続けている会社で、グロテスクさや馬鹿さを追求している。
そだからこそ、マニアがたくさいる。
だからこそ、『スリザー』のグロテスクさは半端ない。
ナメクジのようなスリザーも気持ち悪いし、スリザーに寄生されたグラントもびっくりするくらい気持ち悪い。
グラントの体から出てくる触手のヌルヌル感は見ているだけで伝わってくる。
さらにグラントの襲われてしまった、動物の内蔵もグロい。
とにかく心休まる暇がないくらい、グラントが寄生されてからずっと気持ち悪いのだ。
でもどこかおかしいさもある。
グラントに妊娠させられてしまったブレンダ。
彼女も丸くなった体は、思わず笑ってしまった。
笑いのポイントとグロテスクさの凄さは、さすがトロマ・エンターテインメント出身だと感じる。
だからこそ最後のグラントの悲しそうな顔が、かなり印象に残ってしまう。
まとめ
グロテスクで気持ち悪い映画『スリザー』。
だけどなぜか見終わると切なさが残っている作品でもある。
奥さんのことが好きだったグラントの気持ちを思うと、胸が痛くなってしまう。
そんなちょっぴり切なさもあるグロテスクさ満載の映画が『スリザー』だ。