開発が進む山を守るため化け学を学び人間に挑むたぬき達。自然を壊し続ける人間に高畑監督からの痛烈な問いかけです。最後にぽん吉は「テレビでタヌキが狐が姿を消したというのやめてください」と言います。その真意は?
『平成狸合戦ぽんぽこ』作品情報
タイトル | 平成狸合戦ぽんぽこ(Pom Poko) |
監督 | 高畑勲 |
公開 | 1994年7月16日 |
製作国 | 日本 |
時間 | 1時間59分 |
Rotten Tomatoes
『平成狸合戦ぽんぽこ』あらすじ
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東京・多摩丘陵。
都市部の住宅難を解消するために建設されたニュータウンによって、住処を追われることになったタヌキたちが、自分たちの故郷を守るために人間相手に反撃を決意。
自由自在に姿を変えることのできる秘術「化学(ばけがく)」を復活させ、森から人間を追い出そうとするのだが…!!
(出典:http://www.ntv.co.jp/kinro/lineup/20130712/)
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必死に生きるたぬき達
住む場所を追われ、食料がなくなり始めたたぬき達。
彼らは自分たちの住処を奪った人間と戦うことを決意します。
たぬきが持っている化け学を学び始めたたぬきたち。
化けることによって、都市開発を中止しようとしていたのです。
人間と戦うだけでなく、自分たちにできることはあんでもしようとしているたぬき達。
発情期になってもメスはオスを寄せ付けず、子供を増やさないように努力しました。
それは子供が増えると食料が減ってしまうからでした。
生き残るためにたぬき達は必死だったのです。
そんなたぬきをよそに人間は自分たちの欲望のままに、開発を進め自然を壊していていたのでした。
ぽん吉のお願いの意味は?
NONスケール みにちゅあーとキット スタジオジブリminiシリーズ 正吉とおキヨ(映画「平成狸合戦ぽんぽこ」)【MP07-28】 さんけい
『平成狸合戦ぽんぽこ』のラスト化けることの出来ないぽん吉は、サラリーマンに化けた正吉と再会し喜びます。
その時、ぽん吉は私達の方を見てお願いをします。
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「あの テレビやなんかで言うでしょ?開発やなんかできつねやたぬきが姿を消したって。
あれやめてもらえません。
たしかにきつねやたぬきには化けて姿を消せるものもいるけど….
でもイタチやウサギはどうなんですか。
自分で姿を消せます?」
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ぽん吉からの私たちへの問いかけ。
これにはどんな意味があるのでしょうか?
このセリフこそが高畑監督の私たちへのメッセージだと思います。
自分で姿を消す=自分の意思で姿を消すということです。
姿を消したウサギやイタチは自分の意思で消えたのでしょうか?
意思ではなく人間に勝手に追いやられたのではないでしょうか?
選択する余地など彼らには全くなかったはずです。
それはきつねやたぬきも同じはずです。
私たち人間が勝手に追い出しているのに、「姿を消した」って表現するのは確かにおかしいです。
全て自分達に都合よく考えている私達に、表現者である高畑監督からの痛烈なメッセージであり警鐘だと感じる作品です。
まとめ
人間とたぬきの戦いを描いた『平成狸合戦ぽんぽこ』。
1994年の作品ですが、この時から私たちのやっている事が全く変わってないと痛感させられます。
そして今もなお自然を破壊し続けている私たち。
そろそろ自分のエゴを見直さないといけない時期にきています。
もう遅いくらいかもしれません。
それでもきっとまだ私達には何かできるはずです。
それを考えるいい機会になる作品が『平成狸合戦ぽんぽこ』です。
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シネマ・コミック8 平成狸合戦ぽんぽこ (文春ジブリ文庫)[/col2] [col2]
「平成狸合戦ぽんぽこ」サウンドトラック[/col2] [/colwrap]