好きな本も漫画もアニメも同じ、同じ靴を履いて同じような洋服のセンスの麦くんと絹ちゃん。運命のような2人が出会い恋に落ちた物語、映画『花束みたいな恋をした』では、そんな奇跡の2人がたどった5年間が描かれます。2人とも大好きな相手を大切にして、自分なりに生きた5年間。この5年間は2人にとっては大人になる階段だったのかもしれません。
『花束みたいな恋をした』作品情報
タイトル | 花束みたいな恋をした |
監督 | 土井裕泰 |
公開 | 2021年1月29日 |
製作国 | 日本 |
時間 | 2時間4分 |
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
運命の人
なかなか世間に馴染めない大学生の麦くんと絹ちゃん。
世の中に置いてけぼりかんを感じている2人ですが、絹ちゃんはそれほど気にしていません。
「普通になるのは大変だ」と思いながらも、自分の未来をそこまで心配してなさそうでした。
一方の麦くん。
彼はうだつのあがらない毎日にどこか嫌気がさしています。
憧れの女の子にも相手にしてもらえず、つまらない大学生活を送っていました。
そんな時に出会った麦くんと絹ちゃん。
押井守を見て興奮する2人は、読んでいる本も好きな作家も同じ。
カルチャーという共通点だけでなく、同じスニーカーを履いているし、2人は同じようなファッションをしていて、たくさんの共通点がありました。
友人達とは話せない、共通の趣味やカルチャーで話が盛り上がる麦くんと絹ちゃんが、恋に落ちるまで時間はかかりませんでした。
あっという間に恋に落ちた2人は、誰もが羨むような幸せな時間を歩み始めます。
愛し合う2人は自分たちの好きなものに囲まれた中で、最高の時間を過ごします。
しかし、やがて2人の世界は少しづつ崩れ始めます。
それはどちらが悪いわけでもなく、大学生だったが2人が成長し始めた結果です。
大人になり始めた2人は、今までと同じように同じ階段を登ることができなかったのです。
あまりにも同じものが多すぎたからそれが壊れた始めた時、2人は自分たちの空間をもう一度作り直すことができなかったのです。
運命の人だったはずなのに、2人に待っていたのは別の道を進という運命だったのです。
パーティの終わり
「恋はパーティのようにいつか終わる」、そう悟っていた絹ちゃん。
彼女は、麦くんとの恋は、最高の盛り上がりの中で始まったということを感じていました。
そして「始まったものはいつか終わる。」そうも思っていたのです。
それでももちろん絹ちゃんは自分と同じ価値観で、自分を支えてくれる麦くんのことが大好きです。
そして彼とのパーティをずっと続けたいと思っていました。
でもそのパーティの終わりは突然やってきました。
海に行ったあの日、突然姿を消した麦くんのように、絹ちゃんの大好きな麦くんは消えてしまいました。
それでも絹ちゃんは麦くんを想い続けます。
だんだん自分とは違う価値観になっていく麦くんのそばにい続けました。
ただ、彼女はそんな麦くんを受け入れることはできませんでした。
一方で、麦くんも大好きな絵をやめて、就職したのもずべて絹ちゃんのためでした。
彼女と幸せな暮らしをずっと送ることを目標にしたからこそ、彼は働き始めたのです。
その結果、2人を結びつけていたカルチャーから離れてしまっても、それは絹ちゃんと一緒に暮らすためだったのです。
ただ、幸せな時間は壊れてしまいました。
あまりにも似ていた2人が、付き合った当初に過ごした最高に幸せだった時間は、もう戻ってきませんでした。
それを知っていたから2人は別々の道を選びました。
その瞬間は2人にとっては辛いことだけど、大人になるための通過点だったのです。
最後に笑顔で別れた2人。
ばったりあってお互いに手を振り合った2人。
2人はあの時の経験を大切にしながら、2人が一緒にいた時よりもまた少しだけ大人になっていました。
まとめ
大学生から社会人となるまでの5年間の恋愛を描いた映画『花束みたいな恋をした』。
奇跡のような恋愛を始めた2人に待っていたのは、別々の道を歩くという未来でした。
それでも2人が後した5年間は、消えることはありません。
一緒になることはなかったけど、2人の幸せな時間は、今の2人を作っているのです。
2人が歩いた軌跡はストリートビューに今もしっかりと刻まれているのです。