映画『エクソダス:神と王』約束の地を目指したモーゼと偉大なる王ラムセス2世

旧約聖書に書かれている出エジプト記。モーゼがヘブライ人を率いてエジプトを脱出する様子を描いた映画が『エクソダス:神と王』です。さらにモーゼが育った時代をラムセス2世の時代と重ね合わせることで2人の置かれた境遇を通して、古代エジプト時代を見ることができる作品になっています。

目次

『エクソダス:神と王』作品情報


エクソダス:神と王 [Blu-ray]

タイトル エクソダス:神と王 (Exodus: Gods and Kings)
監督 リドリー・スコット
公開 2015年1月30日
製作国 アメリカ/イギリス
時間 2時間30分

Rotten Tomatoes

あらすじ

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栄華を誇る古代エジプト王国では、長年にわたりヘブライ人を奴隷として使役していた。

そんな中、王女に拾われ、国王の息子ラムセスと兄弟同然に育てられたモーゼ。

成長した彼は、国王セティの信頼も厚く、民からも慕われる存在に。

ところがセティの死後、王位に就いたラムセスは、モーゼの出自がヘブライ人と知るや、彼を追放する。

過酷な放浪の末に一人の女性と巡り会い、結婚して平穏を手に入れたモーゼ。

9年後、彼は神の啓示を受け、虐げられているヘブライの民を解放すべくエジプトへと戻るのだったが…。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/350179)

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出エジプト記

旧約聖書に書かれている「出エジプト記」。
ヘブライ人のモーゼがエジプトで奴隷になっている同胞を率いてエジプトを脱出し、約束の地「カナン」を目指す物語です。

ヘブライ人はエジプトの地で暮らしていましたが、ファラオはヘブライ人が増え続けることに恐れを感じていました。

映画『エクソダス:神と王』の中では奴隷を管理する総督が、「ヘブライ人は長生きだ。毎年出生率が死亡率を上回る」と言ってい、彼らの人数が増えることを恐れています。

人数が増えて謀反を起こすことを恐れていたのです。

そこでファラオはヘブライ人を奴隷と扱うことにしました。
そこからヘブライ人は400年間奴隷として扱われていたのです。

モーゼが生まれた時、ヘブライ人がこれ以上増えないようにファラオは「ヘブライ人の新生児を殺す」という命令を出します。

モーゼの母親は彼を隠していましたがこれ以上は隠し綺麗ないと悟り、モーゼをパピルスの籠に入れてナイル川に流しました。

そんなモーゼをファラオの王女が拾い、モーゼを王宮の中で育てました。
映画の中ではモーゼの姉が乳母とされていましたが、モーゼの母親が乳母として王宮の中で彼を育てたと言われています。

しかしある時モーゼはエジプト人を殺してしまい、それが発覚するのを恐れてエジプトから逃げ出します。
その後、結婚したモーゼでしたが、ある時「エジプトに戻れ」という神の声を聞き、同胞を救うためにエジプトに戻りました。

エジプトに戻ったモーゼはファラオにヘブライ人を自由にするように交渉します
しかしファラオはモーゼの要求を退けました。

するとエジプトに十の災いが起こります。
10個目の災い「長子皆殺しの災い」が起きた時、ファラオはついにモーゼ達にエジプトから出ていくように命令します。

モーゼは多くの同胞を率いてエジプト出発しますが、ファラオはモーゼ達を追いかけ殺そうとします。

「カナン」を目指し歩きつづけるモーゼ達でしたが、目の前に大きな海が現れます。
背後からはファラオの軍が押し寄せていましたが、モーゼが海の前に立つと海の水が割れ目の前に1本の道ができます。

モーゼ達はこの道を通ってファラオ達から逃げました。
追いかけるファラオの軍がこの道に入ると、海は元通りに戻りファラオの軍は海にのまれてしまったのです。

この「出エジプト記」を元にしているのが映画『エクソダス:神と王』で、時代をエジプト第19王朝に設定しファラオをラムセス2世にしました。

そして逃げるモーゼ、追いかけるラムセス2世の戦いを描いたのです。

ラムセス2世

偉大なファラオ」と呼ばれるラムセス2世。
数々の戦さを行い古代エジプトの全盛期を作り上げたファラオが、ラムセス2世です。

巨大な建築物もたくさん作っており、映画の中でも家臣達に宮殿や彫像物を早く作るように命令するシーンも描かれていました。

さらには平均寿命30年と言われる中で90歳近くまで生きたと言われ、67年間もファラオに君臨していたとも言われています。
そして100人以上の子供がいるとされるラムセス2世。

彼の歩んだ人生から、彼は古代エジプト最強のファラオと呼ばれるようになりました。

長年にわたる戦いでエジプトを守り続けてきたラムセス2世ですが、世界初の平和条約を結んだのも彼だと言われています。

ヒッタイト王国と長きに渡る戦いは、なかなか決着のつかない戦いでした。
そこでラムセス2世はヒッタイト王国と平和条約を結び、2つの王国の戦いを終わらせたのです。

映画『エクソダス:神と王』の冒頭で、ラムセス2世が戦った相手が、そのヒッタイトの兵士です。
「ヒッタイトの兵士がカデジュ近くで野営している」と家臣が、ラムセス2世の父セティ1世に知らせるシーンがあります。

のちにファラオとなったラムセス2世はこのカデジュで、シリアやパレスチナの領土を求めて戦うことになります。

このカデジュの戦いでラムセス2世は、ヒッタイト王国と平和条約を結ぶことになったのです。

ラムセス2世がモーゼを追いかけたかどうかは分かりませんが、1つの説としてラムセス2世だったのではないかと言われています。

 

まとめ

旧約聖書の「出エジプト記」を元にして作られた映画『エクソダス:神と王』。

モーゼがエジプトから追放されエジプトに戻るまで、さらにはヘブライ人を率いてエジプトを脱出する様子が描かれています。

十の災いや海を渡るモーゼ達、そして十戒を石板に刻む姿。

同胞を率いエジプトを脱出したモーゼの全てが詰まっている作品でもありました。

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