映画『インビジブル』「神」から「悪魔」へ 欲望に取り憑かれてしまった透明人間


天才博士が量子転換により動物を透明化することに成功します。自分の能力に自信を持ち、自分を「神」と呼ぶ博士は、今度は自分の体を使って人間を透明にする実験に取り掛かりました。しかし天才的の頭脳を持つ博士は透明になるという能力を得たことで、自分の欲望を抑えることができなくなってしまうのです。

『インビジブル』作品情報


インビジブル [Blu-ray]

タイトル インビジブル(Hollow Man)
監督 ポール・バーホーベン
公開 2000年10月14日
製作国 アメリカ
時間 1時間52分

Rotten Tomatoes

あらすじ

(引用:MIHOシネマ

Hollow Man

映画『インビジブル』の原題はHollow Man

Hollowとは「空洞の」という意味を持つので、Hollow Manとは空洞、中身のない男という意味で「透明人間」を指します。

しかしどれと同時にHollowには「不誠実な」「虚栄心に満ちた」という意味もあります。

これはまさしく自分の才能を過信しているセバスチャンのことを指していました。
政府に頼まれ開発を進めた人間の透明化。
動物を透明にし元に戻すことに成功していましたが、彼は自分の研究を横取りされないように成功を隠します。

彼は歴史的発明を行い、自分の名前を世界に知らしめたいという思いがあったのです。

そんな見栄っ張りのセバスチャンには、同時に自分のことしか考えない不誠実さも持ち合わせていました。
周囲のことを考えずに自分の欲望のままに生きるセバスチャン。

彼は透明人間になると、まずは女性の体に触れさらには女子トイレに侵入します。
あまりにも幼い博士ですが、彼は透明化するという能力をくだらないことに使い始めたのです。

セバスチャンの行動にラボにいる女性陣は憤慨します。
もともと自分勝手な彼に憤りを感じていた彼女達は、彼が透明になったことに心配と恐怖を感じ始めました。

そしてそんな彼女達の予想は当たってしまうことになるのです。

「神」になりたかった男

生命を透明にしたり元に戻したりすることに成功したセバスチャン。
彼は自分のことを「神」と呼ぶほど、自分の才能をひけらかしていました。

チームの仲間であるにもかかわらず、マットのことを見下しています。
また「神」と言いながら実験に使われる動物の命のことは気にしません。

彼は自分だけのことを考える「神」だったのです。
それは同時に「悪魔」でもありました。

元恋人のリンダがマットと付き合ってることを知ると、自分よりも劣っているマットをリンダが選んだことに怒りを抑えられなくなってしまいます。

嫉妬に駆られたセバスチャンはこの時本当の悪魔に姿を変えてしまいました。

「怒り」「妬み」という人間の1番醜いものに取り憑かれてしまった彼は、自分が得た透明人間という能力を使ってラボの仲間を襲い始めたのです。

自分の才能の邪魔をする者全てを消し去ろうと考えたのでした。

もともと傲慢だったセバスチャンでしたが、透明人間になることで人間らしさを失ってしまいます。
マットはそんなセバスチャンに「脳みそも一緒に失ったのか?」と問いかけます。
彼は脳だけでなく心も失っていました。

透明になることで人間らしさを失ってしまったセバスチャン。
「神」になりたかった男は、欲望に取り憑かれ地獄に落ちてしまったのでした。


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まとめ

透明人間になることで人間では無くなってしまった男の物語『インビジブル』。

欲望や見栄や傲慢さなど人間が持つ1番醜いものを描いた作品でもありました。

透明人間になったセバスチャンの姿は、そんな人間の邪悪な部分です。

彼は透明人間になったことで肉体という姿は消えましたが、逆に心の中にあったダークな部分が現れてたのです。

「神」になりたかった男は「悪魔」になってしまったのでした。