呪いをかけられヴァンパイアに姿を変えたバーナバスは、200年間石の棺の中に生き埋めにされていました。そんな彼が再び地上に姿を表したのは1972年。そこは200年前とは全く違う世界になっていました。
『ダーク・シャドウ』作品情報
タイトル | ダーク・シャドウ(Dark Shadows) |
監督 | ティム・バートン |
公開 | 2012年5月19日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間53分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
(引用:MIHOシネマ)
200年間閉じ込められたヴァンパイア
1760年、家族とともにリバプールから新大陸に渡ったバーナバス。
彼の父親は水産業で成功し、巨大な財産を築き上げました。
そんな父親が息子に教えたのは「家族だけが本当の財産」ということでした。
大人になったバーナバスは、召使いのアンジェリークと恋に落ちますがそれは彼にとって遊びでした。
彼はその後すぐに美しい女性に出会い、本物の愛を知ることになります。
しかし、アンジェリークはもちろんそんな彼を許せません。
悪魔と契約を交わした彼女は魔女となり、バーナバスの家族や愛する女性を殺したです。
さらに彼にも呪いをかけヴァンパイアにしてしまいます。
そして彼を生きたま石の棺に入れて、森の中に埋めてしまったのでした。
そんなバーナバスはそれから200年後、正確には196年間後の世界でした。
地上に戻った彼は、自分の一族を再び繁栄させます。
そしてそれと同時に、ある女性に恋をしたのでした。
1972年 の世界
196年間閉じ込められていたバーナバスが地上に戻ってきた時代、それは1972年です。
彼が埋められている間に、すっかり世界は変わっていました。
バーナバスが戻ってきた1972年は、どんな時代だったのでしょうか?
当時はベトナム戦争真っ只中の時代です。
しかもアメリカ国内ではベトナム戦争に対する反戦運動がおき、ヒッピーが増えていた時代でした。
コリンズの屋敷に向かうヴィクトリアがヒッチハイクした車はヒッピーが乗っていた車ですし、またバーナバスは平和について語り合う、ヒッピーの集団に加わっていました。
また当時はウーマンリブ運動も盛んな時代です。
屋敷を訪ねてきたヴィクトリアに、エリザベスが「男女は平等であるべき?」と問いかけています。
これに対してヴィクトリアが「まさか。男が扱いにくくなる」と答えているシーンには、ユーモアを感じました。
また『ダーク・シャドー』の中には当時のカルチャーも登場しています。
映画館で上映されていたのは『スーパーフライ』です。
これは1970年代前半の黒人俳優が主演のブラックスプロイテーション映画の代表作の1つです。
さらにバーナバスは『ある愛の詩』という本を読んでいます。
ラブ・ストーリー―ある愛の詩 (角川文庫)
これは1970年に映画と当時に出版された小説で大ベストセラー小説となりました。
(ちなみの映画も世界中で大ヒットしています)
さらにバーナバスは「くだらない芝居だ」と言いながらテレビでアニメ『スクービー・ドゥー』を見ていましたが、このアニメは1970年にアメリカで放送されていて子供達の間で大人気でした。
また当時の音楽にも触れることができます。
テレビからはカーペンターズの「トップ・オブ・ザ・ワールド」が流れています。
1970年代に大ヒットしたカーペンターズ。
「トップ・オブ・ザ・ワール」は1972年に発表され1973年にはビルボードで1位を獲得しています。
この時代が世代ではない人でも一度は耳にしたことある曲でしょう。
さらに『ダーク・シャドウ』にはアリス・クーパーが登場します。
彼もまた1970年代を代表するロック歌手の一人です。
「No More Mr Nice Guy」
「Ballad Of Dwight Fry」
の2曲を本人が歌っていました。
アリスという名前を聞いてバーナバスが女性だと思い込んでいたのには、思わず笑ってしまいました。
1972年を舞台にした映画『ダーク・シャドー』には、当時の文化や情勢がわかるものがたくさん描かれているのです。
まとめ
呪いをかけられて200年間閉じ込められていたヴァンパイアを描いた映画『ダーク・シャドウ』。
そこにはヴァンパイアが再び地上に戻った1972年の文化がたくさん登場していました。
映画に本に音楽。
さらには当時のアメリカの状況を表すヒッピーも登場し、激動の時代だった1970年代を振り返ることができます。