企業を守るためにテロ組織を調査する調査会社と、環境を守るために環境汚染を行っている企業に対してテロ行為を行う環境テロ組織。どちらも正義のために行っているはずですが、どちらの行為もその裏で多くの犠牲者が出てしまうのが実態です。調査員として環境テロ組織に乗り込んだ1人の女性ジェーン。彼女が最後に導き出した答えは、誰も傷つけずに悪を成敗する必殺仕事人的活動でした。
『ザ・イースト』作品情報
タイトル | ザ・イースト(The East) |
監督 | ザル・バトマングリ |
公開 | 2014年1月31日 |
製作国 | アメリカ/イギリス |
時間 | 1時間56分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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元FBIエージェントのジェーンは、大企業をクライアントに持つセキュリティ会社に雇われ、実態の掴めないテロ集団“イースト”への潜入という任務を与えられる。
イーストは、世界各地で環境破壊を行っているグローバル企業に対して過激な報復活動を行っている正体不明の環境テロ集団。
ジェーンは彼らの身元を割り出すためサラと名乗り、たった一人で潜入捜査へと向かう。
そしてイーストとの接触に成功、無事彼らに迎えられたサラ。
彼らと行動を共にするうち、大企業の横暴ぶりやビジネス優先の上司に疑問を感じる一方、リーダー、ベンジーの思想に共感していくサラだったが…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/346813)
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調査会社
大企業をテロから守るために、テロ団体に潜入し調査する調査会社に勤めるのが主人公のジェーンです。
元FBIの捜査官だけあってテロ行為を許せない彼女は、この企業で働くことに正義を感じていました。
しかし実際に調査員とし潜入したジェーンが、感じたことは会社に対する違和感と不信感だけでした。
目の前で環境テロ組織のテロ行為が行われていることをジェーンは上司に報告しますが、上司は「その企業はうちの会社の顧客ではない」と告げます。
そして「組織にばれるな」と言われたジェーンは、何も行動を起こすこことができませんでした。
正義のための調査だったのに、ジェーンはテロ行為を阻止できなかったのです。
その後の調査員としてジェーンは活動しますが、その時に彼女は大企業が環境汚染を起こしていることを次々と知ります。
しかし調査員の彼女の役目はそれを世間に公表しないことです。
企業が汚染を認めたビデオをジェーンは世間に公表せず、企業の汚染を隠蔽しました。
汚染によって多くの人が苦しみ命を落とす人が出てきているのにも関わらず、会社はそれを隠蔽することで利益を上げているのです。
やがてそのことに耐えられなくなったジェーン。
ついに彼女の正義が動き出すのです。
環境テロ組織
環境汚染や環境破壊を行っている企業に対して、テロ行為を行う集団「ザ・イースト」。
彼らは環境テロ組織として企業には恐れられていましたが、彼らは彼らなりの信念を持って行動していました。
[box class=”green_box” title=””]・薬物による副作用
・水質汚染
・食物廃棄[/box]
など彼らは利益追求のために、環境を破壊したり弱者を苦しめる企業に対して報復行為に出ていました。
あくまで彼らは正義のために、テロ行為を行っていました。
しかしザ・イーストに潜入したジェーンは、彼らが人を殺すことや仲間が死んでしまうことはどうしても許せません。
もちろんジェーンは、彼らが環境を守ろうとしたり弱者を救おうとしていることは十分理解しています。
だからこそ別の方法なないかと模索するようになりました。
ジェーンから見れば環境汚染をする企業も環境テロ組織もどちらも、誰かを犠牲にしているのです。
それがジェーンには許せなかったのです。
ザ ・イーストの最後のターゲットが自分の務める調査会社だと知ったジェーン。
この時ジェーンは覚悟を決め、自分なりの環境保護活動を行うことにします。
その活動は「犠牲者を出さずに悪を成敗する」がモットーです。
会社から他の調査員のリストを入手したジェーンは、彼らに連絡を取り犠牲者を出さずに企業を追い込みます。
それは「情報漏洩」や「内部告発」という形でした。
これにより企業側の人間は誰も命を落とさずに、悪である企業を潰すことができます。
新たな組織を作ったジェーン。
彼女は新しい組織のリーダーとして、仲間とともに今日も活動しているはずです。
まとめ
「企業を守る」「環境を守る」どちらも何かを守っているのですが、そのどちらにも犠牲が付き纏います。
映画『ザ・イースト』はフィクションですが、調査会社も環境テロ組織もどちら実際に存在するのです。
何が「悪」で何が「善」なのか、映画を見終わるととても複雑な心境になるかもしれません。