元GoogleやFacebookやTwitterで働いていた人達が暴く、ネット社会の実態。それは想像していたよりも遥かに恐怖の世界でした。ユーザーはソーシャルメディアにとって顧客ではなく、広告主への商品でしかありません。そして収益を得るために集められたデータ。それが民主主義を脅かすものになっているのです。
『監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影』作品情報
タイトル | 監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影(The Social Dilemma) |
監督 | ジェフ・オーロースキー |
公開 | 2020年9月9日 |
製作国 | アメリカ |
時間 | 1時間34分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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ドキュメンタリーとドラマを織り交ぜて、自身が開発したテクノロジーに警鐘を鳴らす専門家らとともに、SNSが人間にどれほど危険な影響を及ぼすかを検証する。
(出典:https://www.netflix.com/title/81254224)
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ユーザーは広告主への商品
Twitter・instagram・Facebook・YouTubeなど今ではたくさんのソーシャルメディアサービスが、ネット上に存在しています。
これは全てが無料で使え、多くの人が登録しているサービスです。
友人の近況を知ったり、好きな著名人の情報を得たり、好きな動画を見たりと色んな楽しみ方ができます。
これらのサイトに登録すると私たちはユーザーになるのですが、多くの人がユーザーがソーシャルメディアサービスの顧客だと勘違いしています。
実際ソーシャルメディアサービスにとって顧客は広告主なのです。
ユーザーは無料ですが、ソーシャルメディアサービスにお金を払っているのは広告に主です。
では、ソーシャルメディアサービスにとってユーザーは一体なんでしょうか?
ソーシャルメディアサービスにとってユーザーは商品なのです。
うちのサービスにはこれだけのユーザーがいますよ。
これだけの時間サービスを使用していますよ。
それを広告主に伝え、広告主からお金をもらっているのがソーシャルメディアサービスです。
だからソーシャルメディアサービスはどれだけユーザーを抱えられるか、あの手この手でユーザー獲得を目指すのです。
ソーシャルメディアサービスは広告主に商品を売るのですが、それがユーザーの情報なのです。
・どんな時間帯にどんな動画を見ている
・スマホを手にする時間帯
・どんな買い物をした
・何を検索した
など多くの情報を広告主に売ることになるのです。
そしてその情報を集めるアルゴリズムは、もはや多くの人が手に負えないものになりつつあります。
知らない間に私たちはAIに支配されているのです。
私ちが見る情報はAIによって選ばれたものなのです。
怖される共通認識と事実
ある出来事に対する事実は、誰から見ても同じことが示されるはずです。
しかしアルゴリズムによってこれが壊されているのが、ネット社会のなのです。
Aという事実がある人のスマホではB、他の人のスマホではCというように表示されてしまいます。
その人の思考に合わせて表示される内容が変わってしまうのです。
これがソーシャルメディアサービスにおける恐怖です。
事実が事実でなくなってしまう。
それによってたくさんのフェイクニュースが生まれました。
さらにアルゴリズムによって、表示される内容が同じ物になってしまい、他の意見が表示されなくなり思考が偏ってしまうのです。
結果、フェイクニュースに騙された人たは、それを信じるようになります。
そして今では多くの国で二極化が進んでしまったのです。
自分の意見や考えは絶対的に正しく、反対の人の意見を聞き入れない状況。
それが今の混乱した社会を作ってしまっているのです。
私たちができること
根本を変えるにはソーシャルメディアサービスのあり方を変えなくてはいけませんが、ユーザーの私たちにもできることはあります。
SNSを止めるのが1番ですが、それは難しいと感じる人もいるでしょう。
では何をすればいいのか?
それを専門家がアドバイスしてくれています。
[box class=”blue_box” title=””]・通知を切る
・おすすめ動画を見ない
・シェアする前に事実確認
・クリックしない
・意見が違う人もフォロー
・子供にはSNSを使わせない[/box]
私たちユーザーにも出来ることはあります。
それがAIに支配された状況から抜け出すことに繋がるのです。
まとめ
自分の意志でおすすめ動画を見たり、クリックしたりしているつもりでもその情報はAIによってもたらされている情報です。
そしてそれはユーザーの頭の中を偏らせることになってしまうのです。
ソーシャルメディアサービスによる監視社会。
それは巨大な利益を生むためのビジネスモデルでした。
そしてそのビジネスモデルが生み出したたくさんの弊害。
そんな恐怖を描いたのが、『監視資本主義 デジタル社会がもたらす光と影』でした。