難解とされている映画『メランコリア』。この映画に込められた監督のメッセージは謎です。しかし地球が消滅すると分かったらあなたはどうしますか?絶対に逃げることの出来ない出来事。そしてそれは死を意味するものです。そんな最後の日に姉妹が見せた態度は全く正反対の姿でした。
『メランコリア』作品情報
タイトル | メランコリア(Melancholia) |
監督 | ラース・フォン・トリアー |
公開 | 2012年2月17日 |
製作国 | デンマーク/フランス/スェーデン/ドイツ |
時間 | 2時間15分 |
Rotten Tomatoes
あらすじ
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新婦のジャスティンは新郎のマイケルとともに、結婚パーティが行われる姉夫婦の邸宅へと向かっていた。
しかし細い道でリムジンが立ち往生、2人は予定時刻を大幅に遅れて到着することに。
それは姉のクレアとその夫ジョンが準備してくれた盛大なパーティだったが、情緒不安定なジャスティンはわがままな振る舞いで周囲を困惑させてしまう。
それから7週間後、惑星メランコリアはいよいよ地球へと迫り、クレアは不安と恐怖で落ち着きをなくしていく。
そんな中、すっかり憔悴していたジャスティンも、すでに月よりも大きくなったメランコリアの姿を初めて目の当たりにするのだが…。
(出典:https://www.allcinema.net/cinema/340955)
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ジャスティン
一見自由に生きているように見えるジャスティン。
しかし彼女はとても繊細で傷つきやすい心の持ち主でした。
そんなジャスティンは、不安定な状態になると心の病んでしまいます。
それが出たのが彼女の結婚披露宴の時でした。
仕事のことしか考えてない上司。
結婚式を披露宴を台無しにする母親。
彼らのスピーチで一気にジャスティンの心は不安定になてしまいます。
するともう自分の体を彼女はコントロールできなくなってしまうのです。
そんなジャスティンを支えるはずの夫マイケルでしたが、彼はジャスティンが理解できずに逃げ出します。
また父親のジャスティンが助けを求めているのに、逃げてしまいました。
これでジャスティンはますます打ち砕かれてしまうのです。
そんな病気でついには1人で歩けなくなってしまったジャスティンでしたが、メランコリアの衝突で地球が消滅するとわかると、なんと元気になっていきます。
彼女は「地球は邪悪よ」「地球が消えても嘆く必要はない」「地上生命は邪悪よ」と言います。
彼女は地球が消滅し自分たちに起こることを完全に受け入れていました。
あんなに病んでいたジャスティンは、最後を知ると覚悟を決め全てを受け入れました。
最後の瞬間の彼女の顔はとても落ち着いていました。
クレア
しっかり者のクレア。
妹ジャスティンのために披露宴パーティを準備してあげます。
しかも細かいタイムテーブルを立てるほど、きっちりした人でした。
さらに病気になったクレアを世話してあげます。
「たまにあなたが憎くなる」と言いながらも、ちゃんとクレアの面倒を見てあげるが、姉のクレアなのです。
そんなクレアですが、地球が消滅すると分かると別人のようにパニックを起こします。
ただきっちりした人なので、薬を買い万が一には備えていました。
結局その薬は夫のジョンが使ってしまいますが。。。。
科学者の夫ジョンもまたきっちりした人でしたが、結局自分が間違っていると分かると家族を置いて逃げてしまいました。
またお手伝いのリトル・ファーザーも、無断欠勤なんかしたことない真面目な人でしたが、彼もまた姿を消してしまいます。
残されたクレアは、パニックになり子供をつれて逃げようとしますが、逃げる場所はありません。
最初の瞬間も涙を流し、ジャスティンの手をぎゅっと握りしめながら迎えました。
コントロールできないことを前に、パニックになるクレアの姿がとても印象的でした。
まとめ
最後の瞬間を前の姉妹の行動を描いた『メランコリア』。
それは1部と2部では、姉妹の行動が全く逆になっていました。
しかし姉妹は子供と共に逃げずに最後を迎えました。
この映画で描かれる男性陣(父親・マイケル・ジョン・リトル・ファーザー)はみんな、姉妹の元から逃げてしまいます。
それに比べると姉妹の態度は様々でしたが、最後を受け入れた姉妹がとても勇敢に見えました。