映画『ロブスター』極端な世界が私たちに問いかける「愛」について


愛する人を見つけないと動物にされてしまう世界。しかも愛する人は自分と同時共通点を持っている。そんなとんでもない世界で相手探しに出た主人公の男性デヴィッド。彼に残された時間は45日間しかありません。なんとかしてパートナーを探すデヴィッドに待っていたのは。「愛とは一体なんなのか?」そんなことを思い知らされる映画になっています。

『ロブスター』作品情報


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タイトル ロブスター(The Lobster)
監督 ヨルゴス・ランティモス
公開 2016年3月5日
製作国 ギリシャ/フランス/アイルランド/オランダ/イギリス
時間 1時間59分

Rotten Tomatoes

あらすじ

突然妻に去られ、独身となってしまったデヴィッド。

兄である犬とともにとあるホテルに送られる。

彼はそこで45日以内にパートナーを見つけなければ、事前に希望した動物へと姿を変えられてしまうのだった。

ちなみにデヴィッドの希望はロブスター。

こうしてデヴィッドのパートナー探しは始まるが、まるで思うようにいかず、ついにはホテルを脱走し、森へと逃げ込む。その森には独身者たちが隠れ住んでおり、女性リーダーを中心に強固なコミュニティが築かれていた。

そこではホテルとは逆に、カップルになることは固く禁じられていた。そんな中、皮肉にも一人の女性と恋に落ちてしまうデヴィッドだったが…。

(出典:https://www.allcinema.net/cinema/354905)

絶対に愛する人を見つけなければいけない世界

妻に捨てられてしまった主人公のデヴィッドが暮らすのは、絶対に愛する人と一緒に生活しないといけない世界です。

パートナーを見つけなくてもいいのは子供だけです。
彼らもやがて時期が来れば愛する人を見つけて共に暮らすようになります。

愛する相手は異性でも同性でも問題ありません。
とにかくパートナーと一緒にいなくてはいけないのが『ロブスター』の世界です。

そうでないと街では暮らせません。
1人いると警察官に取り締まりを受けてしまいます。

主人公のデヴィッドは妻に捨てられてしまいましたが、中にはパートナーに先立たれた人もいます。
しかしそんな人もすぐに新しいパートナーを見つけなくてはいけません。

独身になった彼らが向かうのはパートナーを見つけるためのホテル。
そこで45日以内に相手を見つけないと動物に変えられてしまうのです。

デヴィッドは犬を連れてそのホテルに向かいますが、犬は動物に変えられてしまったデヴィッドの兄でした。

そのホテルのルールはいたってシンプル

・45日以内にパートナーを見つける
・森で狩を成功させればホテルの滞在期間が延びる

これだけです。
ちなみに相手を見つけた後は2週間のホテルでの同棲生活と2週間のヨット暮らしが待っています。
これにクリアすれば街に戻ることができます。

しかしデヴィッドにとっては簡単なことではありませんでした。

しかも森での狩は動物の狩ではありません。
森に住む独身の人を捕まえることでした。

デヴィッドはこの施設でもし相手が見つからなかった時は「ロブスター」に変えてもらおうと思っていました。

相手が見つからないことも覚悟していたはずのデヴィッドにやがて期限の45日が迫りつつありました。

独身者の住む森の世界

『ロブスター』の世界のルールは、愛する人と暮らすこと。
しかし独り身でいることを望む人もいました。

そんな人たちは街から逃げて森の中で暮らしていました。
彼らが狩のターゲットとなる人達です。

彼らはこの世界では法律違反の人たちですから、森で隠れて暮らしているのです。

街に出る時は誰かを連れてパートナーがいることを装って出かけます。
そうしないと捕まってしまい動物に変えられてしまうからです。

ホテルにいたデヴィッドは相手を見つけられずに、森に逃げ込みました。
森での生活を楽しむはずでしたが森には森のルールが。

それは恋愛禁止
独り身を楽しむ人たちが暮らす森では恋愛禁止で、誰かとキスしたりすれば厳しい罰則が待っていました。

ホテルよりも森がいいと思い森で暮らし始めたデヴィッドでしたが、やがて森で愛する人を見つけてしまいました。

それは自分と同じ近視の女性です。
『ロブスター』の中では愛する人は自分と同じ共通点を持った人なのです。

近視で繋がったデヴィッドと女性はやがて惹かれあっていきます。
しかしそれは森の中ではルール違反でした。

究極の選択

森の中のリーダーにデヴィッド達は、愛し合っていることを気づかれてしまいます。
そして女性の方は視力を奪われるという罰を受けることになりました。

これはデヴィッドとの共通点がなくなってしまうということです。
デヴィッドは彼女との共通点を必死で探しますが、見つかりませんでした。

そして自ら彼女との共通点を作ることにします。
それは自らの視力を奪うことでした。

『ロブスター』はその後デヴィッドと女性がどうなったかは描かれません。

デヴィッドは視力を失って彼女の元に戻ったのか?
それとも視力を失えずに彼女の元を去ったのか?

ソファーに座って1人デヴィッドを待ち続ける女性の姿が、とても痛々しかったです。

まとめ

極端な世界を描いた映画『ロブスター』。

愛する人を見つけなくてはいけない、恋愛禁止、愛の条件はお互いの共通点。

どれもバカバカしいと思ってしまいますが、ふと冷静に考えるとこな世界が自分の周りに起こっているような気がしてしまいます。

「愛」というもの一体なんなのか?

私たちにそんな問いかけをしているのが『ロブスター』でした。